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着任(赴任)してからすること 8 朝の会と帰りの会の進行

小谷ちいです!

前回のノートでは、「理想の学級像と学級通信」について詳しく解説しました。

着任後の業務にフォーカスして、シリーズ化して詳しく説明していきます。
今回は、8回目のテーマとして「朝の会と帰りの会の進行」に焦点を当ててお伝えします。


朝の会・帰りの会の意義

朝の会や帰りの会は、1日の見通しを持ち、1日を振り返る大切な時間です。たった10分程度で、1日の流れを整理し、次に向けての準備を整えることができます。
朝の会では、1日(または1週間)の授業や行事について確認し、それに基づいて目標を立てます。目標は、学年に応じて「学級の目標」または「個人の目標」を立てられるようにします。

帰りの会では、立てた目標に対して、具体的な行動や場面での「良い姿」を中心に、「自己」または「他者」で振り返ります。この振り返りの時間が重要です。
先生は、生徒たちの様子を見聞きし、要点を押さえた発言に留めることが大切です。


朝の会・帰りの会の対策

朝の会や帰りの会で重要なポイントは、「係からのお知らせ」と「先生の話」です。
朝の会や帰りの会が長引く原因として、係からのお知らせが多いことや先生の話が長いことが挙げられます。

特に係からのお知らせは、係の数だけお知らせがあり、10分では足りなくなることがあります。
この問題に対処するためには、以下のような対策が必要です。

まず、重要なお知らせのみを係から伝えるようにし、チェックなどは基本的に行わないようにします。
また、「班会議」を設定し、持ち物チェックや宿題チェックなどを班ごとに行うことで、時間の短縮を図ります。

例えば、保健係の仕事を考えてみましょう。
保健係のAさんは、「クラスのみんなが身の回りを清潔に過ごして欲しい」という願いを持ち、毎日ハンカチ・ティッシュチェックを行っています。
係の仕事を、責任をもって行っています。
そこで、クラスの清潔さを保つために毎日ハンカチ・ティッシュチェックを行うとします。以下のように進めた場合、どのように感じますか?そしてどのような対策が考えられますか。

「保健係からお知らせします。ハンカチ・ティッシュチェックを行います。机の上に出してください。」「忘れた人は手を上げてください。昨日のハンカチ・ティッシュチェックでは、26人中2人忘れていました。今日は、3人忘れていました。忘れた人は、予定帳に書いて忘れないようにしてください。これで、保健係からのお知らせを終わります。」

  1. 毎日のハンカチ・ティッシュチェックは係からのお知らせではなく、別の時間に行うようにします。例えば班会議で班長がチェックを行い、報告することで時間を短縮できます。

  2. 忘れた児童の手を挙げさせるのではなく、他の方法で対応します。戦犯的な扱いは避け、個人の失敗を公にすることは避けます。

  3. 悪い面だけでなく、良い面も発表するように促します。例えば、「今日は26人中23人が持ってきました」というポジティブな発言を取り入れることで、全体のモチベーションを向上させることができます。

朝の会や帰りの会でのコミュニケーションの質を高めるために、これらの対策を取り入れてみてください。


先生の話のポイント

次に、先生の話についてです。
朝の会では、今日の授業や行事について「重要なポイント」や「大切にしたいこと」、ニュースなどを取り上げて「考えてほしいこと」を中心に話します。
究極の目標は、「児童生徒が話したこと」をもとに、「○○さんが言ったように、今日は△△ができるようにみんなで協力しよう。そのためにはどうしたらよいですか?」と投げかけて、「じゃあ、みんなが言ったことがやり切れるようにしましょう!」で終わりたいです。
朝から「昨日は、授業の時間が守れなかった。今日は守るように。」など、懺悔から始まるようなことがないように注意しましょう。

帰りの会では、「明日絶対に忘れてはならない行事や持ち物のチェック」と、「朝の会で立てた目標について、児童の振り返りからまとめる」ことに力を注ぎましょう。
特に振り返りについては、「帰りの会で○○さんが『みんなの協力のおかげで、ハンカチ・ティッシュが揃って嬉しかった』と話していたね。○○さんだけじゃなくて、クラスのみんなが『嬉しい』と思うことができるような行動をしたいね!おしまい!」ぐらいの簡潔なまとめ方が良いです。
(子どもたちは帰りたいですから…)

このように、朝の会と帰りの会でのコミュニケーションを通じて、児童生徒が自主性を持ち、協力し合える雰囲気を作りましょう。


朝の会・帰りの会の円滑な進行と対応策

さらに前提として、朝の会や帰りの会は毎日、「担任のいる中で」日直もしくは学級代表がプログラム通りに進めることが基本です。
しかし、登校時のトラブルや朝の欠席連絡がない、学校の朝の行事が入っている、授業が押して帰りの会の時間が短くなったなど、様々なトラブルが起きることもあります。
そうしたときのために、絶対に行うべき事項を決めておきましょう。

朝の会では、「朝の挨拶」「健康チェック」「班会議」「目標の確認」、
帰りの会では、「班会議」「目標の振り返り」「明日の活動の確認」などを確認しておくと、時間が足りないときでも児童生徒が迅速に対応できます。例えば、小学校1年生でも「話し方のルール」を決めて、チェック表などを準備し、練習をすれば9月には自分たちでできるようになります。

こうした対応策を取り入れることで、朝の会や帰りの会の円滑な進行を図りましょう。


「いつでも例外が起こりうる」ことをポイントに、「児童生徒たちで創るスムーズな朝の会、帰りの会」を目指しましょう。


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