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激闘必死!”超攻撃型ムエタイ” スアレックが渡部太基と対戦~KNOCK OUT 2023 SUPER BOUT “BLAZE”

3月5日に国立代々木競技場 第二体育館で開催されるキックボクシングのイベント~3.5 MAROOMS presents KNOCK OUT 2023 SUPER BOUT“BLAZE” (マルームズプレゼンツノックアウトスーパーバウトブレイズ) にて、渡部太基 VS スアレック・ルークカムイの一戦が組まれる。

スアレック・ルークカムイは日本で活動するタイ人選手で、154戦(105勝(33KO)38敗11分)のキャリアを持つ歴戦の猛者だが、すでに引退を表明しており、この試合が引退試合になる可能性が高いという。

スアレック選手はタイでムエタイのラジャダムナンスタジアム・フェザー級7位にランクされたことがあるが、現在は、東京のスタージス新宿キックボクシングジムでトレーナーをしながら選手活動をしている。

2010~12年にも日本に滞在し、尚武会でトレーナーをしながらリングに上がり、M-1ライト級王座獲得、ムエローク59kg優勝などの実績を残していたが、日本人女性との結婚を期に2016年に再来日し、「超攻撃型ムエタイ」をキャッチフレーズにREBELSなどで活躍し、日本のライト級強豪たちを連覇した。

2017年9月には、当時のREBELSのエース、梅野源治選手と対戦し、激闘の末、判定負けを屈した。近年では、KNOCK OUT REDライト級チャンピオン、M-1スーパーライト級チャンピオンに輝いた星が光る。

しかし、スアレック選手もすでに36歳となり、引退にはちょうど良いタイミングとの判断だろう。KNOCK OUTは、節目となる代々木競技場でのビッグイベントの中で、2人の人気ファイター、スアレック選手と渡部太基選手との試合を組んだ。

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スアレック選手は、再来日する前は、バンコクの日系企業で日中働き、夜は空手道場・心技道場のムエタイクラスや、ムエタイ・ボクシングジムのロンポージムでトレーナーという生活をしていた。

ロンポージム練習生だった私はトレーナー・ロンさん(スアレック選手のニックネーム)にミットを持ってもらっていた。ロンさんは当時から日本語が堪能で、日本語とタイ語を交えて楽しくムエタイの指導をしてくれた。

その一方で、バンコクで空手とMMAの練習と重ね、MMAではアマ、プロ合わせて9戦全勝の実績を残した。

私はこれまで、3回、スアレック選手の試合を生観戦したが、初戦はMMAの試合だった。バンコクでのMMAの試合(KO勝ち)を見た後は、日本に移住した彼とは逆に、私はタイに住んでいることで、なかなか試合を観ることができなかった。

そして2回目のスアレック選手の試合観戦がようやく昨年に叶う。それが昨年4月のKNOCK OUT後楽園大会でのREITO BRAVELY戦で、この試合で延長ラウンドにKO負けしたスアレック選手の勝利をどうしても見たくなった。続く11月の大分県別府市でのNOBU BRAVELY戦もタイから駆け付けた。そして私の目の前で見事な判定勝ちを飾ってくれた。

この別府の試合は、地元BRAVELY GYM主催の興行、第9回KODO-魂動-でセミファイナルとして組まれたもので、かつてM-1スーパーライト級の王座を争ったNOBU BRAVELY選手の引退試合としてウェルター級で行われた。

ウェルター級のスアレック選手は、身体も大きくなり、パンチやキックにも迫力を増しているように思えた。安定感を増した”超攻撃型ムエタイ”で、3ラウンドの試合を戦い終え、引退試合となったNOBU選手を判定で下した。今回、3月5日の試合には、私は会場に駆けつけることができないが、昨年11月のこの試合を観ることができたことは幸運だったと思う。

ただし、3月5日のスアレック選手の対戦相手、第4代Krush-67kg王者、WPMF日本ウェルター級王者にも輝いた渡部選手は、ホンモノのウェルター級選手である。

従来はライト級のスアレック選手の攻撃が、上の階級の選手に効くのかというのも心配なところである。

昨年4月のKNOCK OUTの後楽園大会では、セミファイナルで渡部太基選手と杉原新也選手の試合が組まれており、私はスアレック選手の試合応援後にたまたま観戦することができた。第1ラウンドの初めから第3ラウンドの最後までの熱い打ち合いで、会場は大変な盛り上がりだったのが印象的だった。

続く9月22日のKNOCK OUTの興行では惜しくも0-2で判定負けだったものの、渡部選手はメインイベントで初代KNOCK OUT-BLACKウェルター級王座決定戦に挑み、これまで24勝(13KO)28敗2分という戦績を残している。スアレック選手に負けない大ベテランと言える。渡部太基対スアレック戦は、そんな攻撃的なベテラン同士の激戦となるだろう。

個人的な希望を言えば、スアレック選手は、この試合で渡部選手に勝利して、引退を少し先に延ばし、ウェルター級選手として、続いてKNOCK OUT-BLACK ウェルター級王座に挑戦してほしいところ。

しかし、この試合が最後になるかもとコメントしているスアレック選手、本当にラストファイトとなる場合は、とにかく有終の美を勝利で飾ってほしい。そして、トレーナーとしてのますますの活躍や、今後の彼の人生の充実を祈りたい。

また、以前スアレック選手は「歳をとったらまたMMAに挑戦したい」とも言っていた。引退してダメージが抜けたら、別の形でリングやオクタゴンに上がるスアレック選手を再び見ることがあるかもしれない。

3月5日の興行、MAROOMS presents KNOCK OUT 2023 SUPER BOUT “BLAZE” (マルームズプレゼンツノックアウトスーパーバウトブレイズ) においては、KNOCK OUT-BLACKフェザー級王者の龍聖選手対ラジャダムナンスタジアム認定スーパーバンタム級王者のペットセーンセーブ選手の一戦や、KNOCK OUT-REDフェザー級王者の小笠原瑛作対2022年ムエタイMVP、ルンピニースタジアム3階級制覇のロンナチャイ選手との一戦も日タイ対決として興味深い。

KNOCK OUT-BLACKスーパーライト級王者鈴木千裕選手、KNOCK OUT-BLACKライト級王者バズーカ巧樹選手、元K-1スーパーウエルター級王者木村“フィリップ”ミノル選手も出場する。

↑ KNOCK OUTの公式サイト

↑ 過去のスアレック選手紹介記事

↑ スアレック選手がトレーナーを努めるスタージス新宿ジム

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