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AI音楽生成についてのディスカッション動画をみた!

JASRACが「AI音楽生成技術の現状と今後の発展予想」というタイトルで動画をアップロードしていたので視聴してみました。

AIの開発関係者、弁護士、クリエイター、JASRAC理事長というAIの音楽生成に関係する要素の専門家がひと通り集結していて、それぞれが専門の立場から意見を述べられていて面白かったです!

もう3週間前の動画なので、直近のAIの事情とはズレている部分もあるかもしれないのですが、やっぱり専門的な話は専門家の言葉で聞くのが納得感あって良いですね。

こういうディスカッションがJASRACという窓口から発信されていることも結構重要な感じがします。

進化の速度と法律

開発の方が再三「現時点では」と口にしていたのが印象的でした。
やっぱりすごい速度で進化しているみたいで、断言できることは少なそう…

ただ、その中でも「基本的にはなんでもできるようになると思っておいた方が正しい予測になる」とコメントされていたのは改めて刺さった。
「やっぱりそうだよなぁ」って思いますね。

弁護士の方からも、現時点で主だって発生している法的な課題とそれに対する諸国のリアクションをまとめられていて分かりやすかった!
法律の話はやっぱり分かりにくいし、創作を扱える弁護士の方も少なそうだし…
こういう発信は貴重に感じます。

「楽しくなってきたでしょう?」

ディスカッションでAIプラットフォームの前刀氏からクリエイターのお二人に対して「(AIの台頭で)作る側、楽しくなってきたでしょう?」との振りがあったのですが、クリエイターお二人がなんとも言えないリアクションをしているのが印象的でした。

お二人の真意は分かりませんが、時間とお金をかけてスキルを積み上げてきたクリエイターにとって、それらの直接的な価値が急落するかもしれないという危機を前に、反射的に「ワクワクします!」とは言えないのも凄く理解できますね…

クリエイターのスキルは「作る」という直接的なものばかりではないし、いろんな新しいもの取り込んで前に進むのがその在り方とも思うのですが、ここまで急激な変化を前にワクワクよりも恐怖が先行するのも自然な感じがします。(登壇されていたお二人がどうかは分かりませんが)

産業革命のときの労働者ってこんな感じの気持ちだったのかなぁと思うと、そういう感情に立ち会えたことは貴重な経験かもしれません。50年後くらいに思い出話にできそうです。

SpliceとAI

ディスカッション内でサブスクのサンプル素材サービスである「Splice」について触れられていました。

世界中のクリエイターが作った楽曲の素材を自由に使えるというサービスで、僕も数ヶ月前から使い始めたのですが便利すぎてもう手放せません…

「他の誰かが作った素材を選ぶ」という点では本質的にSpliceもAI生成も同じだなぁと僕も思っていたので、Spliceに馴染めたのは改めてちょっと嬉しいですね。(AI生成にも同じように馴染める気がしてきます)

クリエイターへのリスペクト

「コンテンツが無限に増えることでホンモノのクリエイターへのリスペクトは増すか」という議論について、意見が分かれていたのも面白かったです。

「生身の人間から出たということ自体は価値を持ちにくい気がする」という意見がクリエイターサイドから出たのも面白かった!
クリエイターは制作の下流工程で仕事をしがちで、シビアな事情を見たり経験したりということも凄く多いはずですし。

ただ、これに関しては(当然ながら)そのクリエイターのスタンスや作品次第なはずなので、AIの台頭でリスペクトをより多く集めるアーティストも出てくるはず。

実際にAI生成でコンテンツが溢れてからしか見えない景色もあると思うので、今後やんわり浮かび上がる傾向を待つしか無い感じもしますね。

「ワクワクできる」ようになるための準備

怖い部分もありますが、実用に耐える音楽作品が出てくるのは時間の問題とのことですし、ちょっとずつ自分の中でも折り合いが付けていけたら良いなぁと思います。
慣れることもそうですし、使いこなせるようになったりすることもそうです。

Spliceの例に限らず、よくよく振り返れば制作に踏み込む大きな変革はこれまでもたくさん起こっていて、なんだかんだで上手くやってきた人たちがたくさんいるので、自分もフニャフニャ軌道修正しながら生きていけたら良いなぁと思いました!


最後まで読んで頂きありがとうございました!

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