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天皇杯 決勝戦

 明日はサンフレッチェ広島のマッチデイ。ついにタイトルマッチにたどり着いた。一時はシーズン三冠の可能性を持っていたサンフレッチェ広島だがJ1リーグ戦は惜しくもタイトルの可能性は消滅。しかし残る二つの可能性はどちらも大手、決勝戦までたどり着いたのである。一つ目が天皇杯、二つ目がYBCルヴァンカップ。これまで、どちらのカップ戦も決勝まで進むもあと一歩のところで敗退しタイトルへは未踏なサンフレッチェ広島。明日はその歴史を塗り替える記念すべき日にしようではないか。

 天皇杯はアマチュアクラブも参加できる大会であり、ジャイアントキリングも醍醐味になっている。それでこその今回の対戦相手はJ2のヴァンフォーレ甲府だ。たしかにカテゴリーは下でJ2リーグでは現在18位と低迷しているチームだが、誰が甲府を格下相手ととるだろう?一発勝負のカップ戦はリーグ戦と違い戦略も異なるし、お互いのモチベーションにも差が生まれて当然だ。そしてなにより甲府はここまでJ1クラブの札幌、鳥栖、福岡、鹿島をなぎ倒して決勝まで勝ち上がっている。カップ戦という戦いにおいての実力は間違いなく十分にあると証明される。

 そんな天皇杯 決勝戦に相応しい甲府だが、サンフレッチェ広島が勝てない相手では絶対にない。リーグ戦においてスキッベ監督が言ったように、横浜FMと川崎Fは実力が上のチームであり最低でも100%、勝つためには120%のパフォーマンスを発揮しなければならない。しかし甲府はそのレベルのチームではないと思っている。相手を侮るわけではなく、甲府も素晴らしいチームだがサンフレッチェ広島もクオリティーの高いチームであるという事だ。監督の言う通り100%が出せれば必ず勝てると信じている。

 サッカー関係者、解説者、評論家などお互いの戦術に云々あるだろうし、スタメンについての考えも様々だろう。しかし、一発勝負の決勝戦において何よりも左右する要因はメンタリティだ。決勝戦という独特のプレッシャーやスタジアムの空気感の中でどれだけ平常のメンタリティを保てるか、もっと言えばその空気感の中でそれをも楽しむことが出来れば勝ちだろう。その面においてサンフレッチェ広島には優れたモチベーターであるスキッベ監督が居るおかげで勝利の期待値も高くなる。

 前節にあたるJ1リーグ第32節の神戸戦は0-4の大敗。まさかと思うほどショッキングな出来事だったが監督がまず放った言葉は”この結果を出来るだけ早く忘れよう”といもの。これが今季のサンフレッチェ広島の強さの根幹だと感じた瞬間だった。何より大事なタイトルに向け不要な物はさっさと切り捨てそこにフォーカスさせる。あの大敗によりリーグ戦のタイトルの道は途絶えてしまったのだが、終わったことよりも次の大事なことに向けて少しでも多く準備すべきだという考えだ。すばらしい。監督にそれを言われると選手のメンタリティもその方向に流れやすく、しっかりといい準備が出来たという監督のコメントにつながるわけだ。

 明日は皆が楽しみ、クオリティの高い決勝戦に相応しいしびれるゲームとなること、そしてサンフレッチェ広島に4つめの星が付くことを期待する。

ODA SYCLE
小田

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