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2022 Jリーグ YBCルヴァンカップ 優勝

 ついについに待ちわびた歓喜の瞬間がやってきた。10月22日に行われたYBCルヴァンカップ決勝戦は予想通り緊迫した試合内容となり、その結果サンフレッチェ広島が初のタイトルを手にした。

 先の天皇杯決勝戦の敗戦から各々のタイミングで完全に前を向き迎えたルヴァンカップ決勝戦。監督、選手たちのメンタリティは完全にルヴァンカップに向けて前向きに切り替わり、決勝戦を既に経験したことから特にざわつくこともなく非常に落ち着いて試合前を過ごしているように私の目には映った。

 そしてゲームは始まる。スターティング11はスキッベ監督の意気込みが感じられるMAXメンバー。後半変えるとしたらFWしかいないなと思わせるものだったため、選手交代ブーストのオプションが薄いことが少し不安だった。対戦相手はセレッソ大阪。現在J1リーグで広島3位、セレッソ4位とお互いにせめぎ合っている間柄だ。今期の対戦成績は広島の3戦3勝で、そこからの分析をフィードバックさせた戦い方を展開するセレッソにサンフレッチェは的確に弱点を突かれていたが守り切り、攻めに転じてはセレッソゴールを脅かす。まさに一進一退の攻防が好ゲームを印象付けた。

 そして後半、様々なドラマと共にゲームは動く。キャプテン痛恨のミス、レッドカード、後押しするチャント、AT9分、ハンド、PK、そしてラストのセットプレー。まさに決勝戦と言えるドラマが溢れ出る痺れるゲームとなったのは間違いない。そして迎えたゲームセットの笛と共に待ちわびた歓喜の瞬間。爆発する喜びの感情と、ようやく終わったというほっとした感情とが入り混じった独特の感情に包まれ、様々な感情や表情を見せる選手達を眺めているとあることに気が付く。それは惜しくも敗れたセレッソの選手監督たちだ。

 彼らの光景はまさに一週間前のサンフレッチェである。セレッソは前年ルヴァンカップ決勝で敗れ、今年は意気込みが強かったことがベースにあり、キャプテン清武選手をはじめ、失点に絡んだ選手など、試合終了後にピッチに座り込んで立ち上がれない選手もいて非常にいたたまれない気持ちにもなった。それは好ゲームを繰り広げた好敵手へのリスペクトから来るものであり、同じく失望感を味わったばかりだったからだ。

 決戦には必ず勝者と敗者が存在する。だからこそ面白いのだがなかなかに残酷だ。キラキラと光り輝く勝者はほんの一握りで多くは敗者となる。今回はサンフレッチェ広島が少ないチャンスを掴み取り、光り輝き称賛されるのも、お互いに良いゲームを創り上げたセレッソ大阪と国立競技場に詰めかけた両サポーター、ファン、そしてゲームを適正にマネジメントした審判団があってこそのものだ。それら全てに感謝し、優勝の余韻に浸りながら週末のJ1リーグ、ホーム最終戦を楽しみに迎えよう。

ODA SYCLE
小田

 

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