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小田々農園の求人の条件10/農家はコメを作るべきだは間違い!?

小田々農園が農業EXPOと農業就職・転職LIVEに出店するにあたって、
どのような労働条件を提案できるかをメモしておこうと思います。

農業を始めたいあるいは田舎で暮らしたい人たちが何を望むかは多種多様です。

前回 小田々農園の求人の条件9

今回は、「農家はコメを作るべきだ」について述べます。

まず申し上げたいのは、
命あっての物種です。

米を作るために農家になりたい。
農家はコメを作るべきだ。
瑞穂の国だから米を作るのは当然だ。
先祖代々農家が世話した優良な田んぼが廃るのはもったいない。
日本の景観に田んぼは欠かせない。
日本の食料自給率を上げなければならない。
誰でも安いお米が食べられるようにしたい。
田圃は自然環境を生かしたダムだ。
洪水などを防ぐ防災機能を維持すべきだ。

等々の理由で「使命感を持って」
農業を目指す人が多くいるのは知っています。

あなたが水戸黄門やスーパーマンやウルトラマンなら、
その実力や力の背景が有るのなら、
その使命感は正解です。

それらのバックアップが無くても、
その使命感を否定するものではありません。

しかし、使命感だけでは
あなたがよほど選ばれた人
(水戸黄門やスーパーマンやウルトラマン本人かその親戚)
でもない限り、
結果は夜逃げか自殺でしょう。

しかし、米はレッドオーシャンです。
外国産の農地か、人件費が安いところと競争しなければなりません。
少なくともコメの相場はそれらに下押しされます。

例えば、日本の食料自給率に絞って話してみましょう。

それを稲作で考えた場合を想定します。

レッドオーシャンを避けるやり方を考えた場合、
当社なら、有機栽培のコメを一人で30ヘクタール栽培します。
でないと採算に乗りません。

かれこれ四半世紀前、
小田々農園に京大の女子学生が就活に来ました。
彼女は有機栽培の米を作りたいと言いました。
その彼女は
「今から9カ月、卒業までに何か準備することはあるか?」
と聞いたので、
「大型免許・大型特殊免許・けん引免許等を取ってきなさい」
といいました。

彼女が一人で30ヘクタールのコメを作るのには、
全ての大型農業機械を自分一人で田んぼに運び、
田圃で使い、
持って帰れなければいけないと考えたからです。
その採算面積は当時のコメ相場で30ヘクタールでした。

同時に小田々農園は
有機栽培のコメを一人で30ヘクタール以上こなせる
特許技術を複数開発していました。

それからいうと世間のコメ相場は大暴落しましたが、
ファーストワンマイルとラストワンマイルを押さえる
ONE2ONE(1to1、ワンツーワン)マーケティングでは
現在でも問題ないでしょう。

7年前から、我が社が経営コンサルした相手は
最初「農家は安全で安いコメを供給しなければならない」

と、
自然農法で2-3反のコメを一生懸命本気で作ろうとしていました。

我が社はそれをやめさせるのに4年かかりました。

自然農法で米を作れば、単収1-3俵しか見込めません。

一年の半分の時間と労力をかけて世話をした米を
それも安く売ろうというのです。

それって、年商換算で10万円あるかどうかです。

育ち盛りの子供を複数抱えるシングルマザーのする所業ではありません。
幸い、彼女は単価の採れる古代米を作ってたので、そっちにシフトさせ、
最後は作ることさえ辞めるところまで持って行きました。

これで、やっと単価の取れる生姜に集中できたわけです。

こめは反当売上20万円が限度です。

生姜なら、200万円から800万円が望めます。

経費を差し引いた生活費を考えると、
その程度が無ければ子育てはできません。

彼女は今、複数の子の最後が来年就職す予定です。

そして去年法人組織にし、
今年、
社員を二人雇用するまでになりました。
我が社が彼女のコンサルを始めて7年目です。

彼女が米を作っていなければ、
法人化は2年目が目標でしたし、
できたことだと考えています。


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