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「自分に合った一次予防がある」という話

前回お話しの続き。
そもそも虫歯のなりやすさって人によって違います。

虫歯のなりやすさは人ぞれぞれ

虫歯になるリスクが高くなる要素として、例えばこんなものもあります。

・虫歯の原因になりやすい細菌の割合が多い人
・頻繁に食べる人
・酒を飲みながらだらだら食べる人
・歯を磨く環境が作れない人
・人工的なものを全て拒絶する人
・手が不器用な人

虫歯のなりやすさや生活スタイルが違うのに、予防の手段一緒って・・・なんか変だと思いませんか?
虫歯予防のために変えられるなら変えたほうがいい。
けど変えれない、変えたくない事情もおのおのあるんだと思います。
(私も晩酌しながら食べるのは人生の楽しみの大事な要素なので変えれません!!)

「減らせない」なら「増やす」「加えて」みる

ではどうするか?
「減らせない」なら「加えて」みるのはいかがでしょうか?

リスクの高い要素を「減らせない」なら、
虫歯に抵抗することを「増やす」
歯が溶ける防ぐ方法を「加える」

そうすると歯の成分が溶ける現象(脱灰)よりも、歯の成分が元にもどる現象(再石灰化)が有利な状態でバランスが取れるので、虫歯にならずに済む可能性が高くなります。

「手が不器用な人」
→電動歯ブラシを使うことで細かい動きが補えます。

「歯を磨く環境が作れない人」
「飲食関係の仕事で頻繁に食べる人」
「酒飲みでだらだら食べる人」

は、ガムを噛むと唾液が分泌され
・自浄作用(勝手にきれいにしてくれる)
・緩衝作用(勝手に酸を中和してくれる)
が働くので食べ物による影響を効果的です。
もちろん砂糖(果糖ブドウ糖類なども同じ)が入っているものは虫歯の原因になってしまうのでNGです。

ちなみに私の歯科医院で虫歯予防のために販売しているガムはグリコのPos-Ca-Fです。
https://www.glico.com/jp/health/contents/posca/
中和する力が強いし、味が長持ちするので長く噛んでいられます。

どんな理由でリスクが高い方にも推奨しているのが、適切にフッ化物(フッ素)を使うことです。
WHOが唯一高い根拠を持って推奨している予防法で、
・フッ化物入り歯磨き粉(1450ppm推奨)
・フッ化物洗口(フッ素うがい)
・高濃度フッ化物塗布
方法によって作用機序は異なりますが、いずれも高い予防効果があります。

何でもやれば良いわけではない

虫歯予防には上記にあげたようにさまざまな方法があります。
変えれないリスク、取り入れやすい予防法は人それぞれ異なるのではないでしょうか?
足りない部分を補うように“予防する”その人にあったバランスをとるのが、私が考える一次予防です。

ただし注意していただきたいこととして、虫歯予防と聞くものがすべていいかというと、そうではありません。
科学的根拠や経験的に効果が高いものもあれば、怪しいものもあり、その辺をうまく処方というか伝えられるのが専門家(歯科医師、歯科衛生士)だったりするのかなと思っています。
気になる方は、かかりつけ歯科医院に相談してみるといいかもしれません。

大通り歯科では、それぞれの患者さんの生活環境や性格を考えながら、ベストな方法と、ベターな方法の両方を提案できるよう心がけています。ご来院の際は遠慮なくご相談ください。

さて次回はこんな話を踏まえた上で、
意外と(?)最近特に虫歯の原因になっていることがすごく多い
「飲み物とむし歯のはなし」 をしようと思います。

ではまた〜



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