江古田十条 ekoda jujo

自作の詩や日々の出来事を書いています。

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最近の記事

不在と消失

最近、自分が若い頃から好きだったミュージシャンがどんどんこの世からいなくなってしまってとても悲しい。 特にロックミュージシャンは短命な方が多い気がして余計に辛い。 彼らが残した音源を聴いていると、もうこの人はこの世界にいないんだと寂しくなるのと同時に、自分にとってのヒーローでありスーパーマンだと思っていた人でもいつまでもこの世にいないんだと気付かされてなんとも言えない気分になる。 今月、元ゆらゆら帝国のメンバーで解散後は灰野敬ニさんのバンド「不失者」などに参加していたベー

    • 腐った果実

      全部腐って落ちる 世界は何をしてる? みんな腐って落ちる 世界は何をしてる? 熟れすぎたんだ世界は 甘美な時期はとうに過ぎた 後は地面に叩きつけられて 種をばら撒くだけだ 成熟という名の腐敗 技術的革新は人間の本性を白日の下に晒し 集合知は共同体幻想を盤石なものにする 借り物の知識が見識を曇らせ 唯一無二のはずの体験は 名も知らぬ誰かに語り尽くされ 厚顔無恥な他者によって消費される 完全に個は否定され 粗悪な模造品が量産される 本物はいなくなり 本物はいらなくなる

      • 憂いは層になって

        憂いは層になって 葬列は重なって どこまでも続く 終わりのない淘汰の先に 何かあると思えばあるのかも 何もないと思えばないのかも 残るに値しない者が消えるのか 消えるに値しない者が残るのか 適者生存 ここが残るに値しない場所なら 消える者の方が正しいのかもしれない とはいえ ここがどこだってかまわないし ずっと檻の中なのは変わらない 私は檻 檻は私 私が檻なら 囚われてるのは誰?

        • クレナズム

          何かの間違い 人の流れに逆行して 帰り支度? 行くんだよ 今から 光はいらない とっとと夜になれ 忙しない夕暮れの街 1日の始まりと終わり 何かの手違い 人の姿も逆光にて 視線恐怖? いいんだよ 今さら 光はいらない いいかげん夜になって

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        • エッセイ集
          36本
        • 詩集
          151本

        記事

          未来は点

          未来は点 点在している 望む 望まない 関係なく まばらに 点と点が 結ばれて 初めて 現実になる 賢者の予想も 愚者の妄想も 同じひとつの点 渇望していても 畏怖していても 同じひとつの点 点は点を待っている 線で結ばれることを 待ち侘びている いつか顕現することを 夢見て

          それでいい

          私は何者にもなれない でもそれでいい 私は何処にも行けない でもそれでいい 私には何もない でもそれでいい 私にできることはない でもそれでいい そのおかげで 私には敵と呼ぶべき存在がいない だからそれでいい

          どこにも行けない獣

          檻を抜け出した 海岸沿い ただひたすら走る 水平線に陽が沈む 夜が来る 逃避 自由 夢見る獣 枷を引きちぎった 渓谷を抜け ただひたすら登る 稜線から陽が昇る 朝が来る 逃避 自由 怯える獣 隠れる場所も 逃げ込む場所も どこにもない 獣のままなら

          どこにも行けない獣

          ふらふらと

          どこから来て どこに行くのか わからぬまま 何もせず 何も出来ず 出来ることを探しもせず 妬み 嫉み 何もかも運のせいにして諦め タイミングと時代のせいにして嘆き わずかにあったかもしれない才能ですら磨かず 野晒し 雨晒し 散々唾を吐いてきた社会に いまさらになってしがみつき 終わらせることも出来ず 始めることすらも出来ず ふらふらと さまよったのはわたし それともあなた どこに行っても どこにも居場所はなく いつもひとりで 何をしても 何も得られず 失うことにはとっくに

          光る公園

          月もない暗夜 ひび割れのような 亀裂からこぼれる 黄色い光 灯のない公園 輝く砂場 遊ぶ遊具 今は真夜中 眩しい光 無垢な魂 誰もいない公園 壊れたブランコ 揺れるシーソー 過去と現在 眩しい笑顔 いつものメンバー 夜霧と追憶

          嘘吐き

          正直誠実良識のある世界で 頭ひとつふたつ 飛び出るための嘘 良いも悪いもない 魑魅魍魎が跋扈する世界で 人間らしく生きるための必要悪 ドーピング チーター 嘘吐き バッファー 普通の何の面白みもない凡夫 全て置き去りにするライアー 斬られる前に 撃たれる前に 吐かれる前に 吐くライライライ ドーピング チーター 嘘吐き バッファー 誰かが嘘を嘘と証明してる間に 更なる嘘を重ねて逃げ切る 嘘の持つ高い費用対効果で 誰もが羨むワンランク上の生活 そして 最期に暴かれる

          海が睨む

          窓辺に立って 海を見てる 静かに腰を下ろす 遠くの雲が黒くなる 遠雷 岸辺に立って 海を見てる かすかに気温が下がる 水面に波紋が広がる 時化空(しけぞら) 海が睨む

          何も得ないなら

          手を離せ 伸ばした指を すぐさま握り込んで 胸を叩け 少し上げた顔を 両手で叩いて 何も得ないなら いますぐ飛び出せ 終わるつもりなら いましかないぜ ただの虚勢さ 手を見つめ 握った拳を 少しだけ緩めて 膝を叩け 震え出す地面を 踵で鳴らせ 全て捨てるなら どこでも同じさ 未来がないなら いまでもいいさ それも虚勢さ

          私と踊ろう

          醜い顔 みすぼらしい体 歪な内面 わたしはわたしと踊ろう 美しい顔 しなやかな体 綺麗な内面 あなたはあなたと踊ろう 動けなくなるまで 卑しい顔 取り繕う体 汚れた内面 かれらはかれらと踊るよ 空っぽの頭で だから 私と踊ろう いつか来る朝まで

          生きてるだけで傷つく 傷つくことで生きれる 傷つかないから鈍る 鈍るから傷つける 生傷絶えなくてもいつかは癒える 癒えた後どうなる? 強くなる? 弱くなる? 気難しくなる? 優しくなる? 刷り込まれた恐怖で 硬くなる体と心を 少しずつほぐして 引きつった笑顔も いつか自然になるように 柔らかく 和やかに 丸く丸く まあるく 念仏のように

          悲喜劇的

          近くで見ると悲劇 遠くで見ると喜劇 ある高名なコメディアンの言葉 主観で見ると悲劇 客観で見ると喜劇 ある意味そう言い換えられる言葉 自分にこだわれば悲劇 自分を放り出せば喜劇 あるがままを受け入れられれば 全て笑い飛ばせるかもしれない 奇しくも我々の遺伝子の構造は二重螺旋 あまりにも悲喜劇的だ

          ここには全てあるのに

          空から無数の槍が降って 全身に風穴が空いて 蜂の巣のようになっても 血の一滴も出やしない この体には何もない ここには全てあるのに あるはずなのに どこからか無頼の輩が来て 胸ぐらを乱暴に掴んで 罵倒を浴びせてきても 涙の一滴も出やしない この心には何もない ここには全てあるのに あるはずなのに 誰から奪えば何を得られる? 奪ったところで何に使える? ここには全てあるのに 全て誰かのもの

          ここには全てあるのに