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Perfumeが好きな人。

インタビュー9:Perfumeが好きな人。

~生きがい~

Aさん:
40代の事務職の女性。おでんとは初対面。

インタビュー:2017年冬ぐらい

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●ピコピコ音とハイトーンボイス。
おでん:好きなことをお伺いしていいですか。
Aさん:はい。あのー…。恥ずかしいんですけど…。あの、アイドルのPerfumeが…。好きです。
おでん:おー、いいですねぇ。かわいいですよね。
Aさん:あ、そうですかー。いやいやいや…。
おでん:いつからお好きなんですか。
Aさん:あの、なんか、今日お話するために、さかのぼって考えてみたんですけど。記憶を。
おでん:まあ、わざわざすみません。ありがとうございます。
Aさん:いえいえ。あの、最初は2004年頃で。まだなんか、インディーズのころかな。ちょろっとだけテレビに出てて。それを見たのが出会いで…。ふふふ。
おでん:まだ広島にいるころかな?
Aさん:うーん、広島から出てきて、東京で1年め、かなんか、なんかかな~?『モノクロームエフェクト』っていう、歌うたってて。
おでん:それでファンになったんですか?
Aさん:いやー、そのときは…。「すごーい」とは思ったんですけどね…。当時は、アイドルブームはもうちょい前に来たイメージがあったので、「大丈夫かな、この人たち」って…。
おでん:心配になったんですね(笑)。
Aさん:そうそうそう。
おでん:「すごーい」と思われたのはなんでですか?
Aさん:あー…。なんだろうな。曲がすごい…。単に自分がテクノが好きだったから。
おでん:テクノにもいろいろあると思うんですけど、Perfumeはかわいくてキラキラしているイメージがあります。
Aさん:そうですね(笑)。ピコピコしてるのが好きで…。
おでん:昔からテクノはお好きだったんですか?
Aさん:そうですねぇ。YMOとか…ですかねぇ…。もっと昔にさかのぼると、ナウシカのイメージアルバム『鳥の人』で、ピコピコ音があるやつがあって。それをすごい聴いてて。
おでん:ナウシカでピコピコ音?そんなのあるんだ~。
Aさん:社会人になってからは、ダフトパンクとか…。
おでん:ワンモアタイムの。
Aさん:そうそうそう。でもなんか物足りなくて。ピコピコもそうなんですけど、高音域の、女の人の声も好きみたいで。矢野顕子さんとか、大貫妙子さんとか…。声がすごく高くて、こう、楽器みたいな…(笑)。
おでん:なるほど。そういう下地があったから、たまたま見かけた『モノクロームエフェクト』が引っかかったんですね。
Aさん:そうかもですね~。それで、ファンになったのは、2007年の…。『ポリリズム』とかが、こう…。
おでん:どーんとヒットして注目されたとき。
Aさん:そうですね。なんでこんなに流行ってるのかな、って思って。Youtubeでめちゃくちゃ調べてるうちに…。なんかこう、ずるずると…(笑)。
おでん:ミュージックビデオとか。
Aさん:…も、そうですし、ファンがつくった動画があったりして…。
おでん:ファンの動画?
Aさん:はぁ…。なんか、東京に来てからもブレイクできなくて、「このままでは広島に帰されてしまうぜ」みたいになったときに、ファンの人がなんとかせねばと思ってつくったらしいんですけど。
おでん: 3人のドキュメンタリーみたいな動画かな?
Aさん:そうです。それをみてるうちに「ワァ~」ってなって(笑)。
おでん:なるほどなぁ。そうなるともう、音楽だけじゃなくて、ストーリーにはまる感じですね。
Aさん:はぁ~、そうかもですねぇ。
おでん:それでファンになったと。
Aさん:うん、めちゃくちゃもう…。一時期は、なんか、狂信的な感じになって…。
おでん:(笑)
Aさん:「世界中に広まるぜ!」ぐらいに思ってて。家の人にウザがられるっていう…(笑)。

●姉に勧めてイヤがられる。
おでん:Aさんにとって、Perfumeの魅力ってなんですか。
Aさん:そうですねやっぱ、音楽とダンス…。あと衣装…は、私はちょっと、昔の方が好きなんですけど。まあ衣装も楽しめるかなと…。あと3人のキャラクターもおもしろいとか…。
おでん:ファンクラブは入っておられますか。
Aさん:あ、…入ってます…。えへへ…。
おでん:いや、入らないとライブのチケットとか取れないんでしょうね。
Aさん:そうなんです…。
おでん:Perfumeのファン仲間みたいなのはいるんですか。
Aさん:いないです。(きっぱり)
おでん:ふふふ。
Aさん:Perfumeのダンスを何十人かで踊る会があるって知って、行ったことがあるんですけど…。一緒に踊ったりはしたんですけど、でもそんなに…。なんか気恥ずかしくて、交流できなくて…。
おでん:ダンスだけで交流した形…。
Aさん:あのう、家の人…。姉にはすごい勧めたりするんですけど、すごいイヤがられてて…(笑)。なんかもう…、最近は、Perfumeって言った瞬間にパッと構えるんですよね…。
おでん:でも「絶対イヤ」ってシャットダウンされるわけじゃないんでしょう。
Aさん:あ~。ですね…。ライブには何回か一緒に行ってくれたけど。でも、なんだろうなぁ。なんか、「そこまでかなぁ~」って感じで…。今もって…。ふふふ。
おでん:ちなみに、お勧めするときは、どんなふうに勧めるんですか。
Aさん:事細かなポイントを伝えて。この感じがいいんだとか。ここの歌詞がいいとか。ライブだと、曲と曲のつなぎの間合いがいいとか。…なんか、うん…。すごい、ウザがられます…(笑)。
おでん:でも聞いてくれるんですよね。そこは優しい。
Aさん:でもたぶん、半分も聞いてないと思うんで。…で、「なんか、分からんわ…」っていうオチでいつも終わるっていう…(笑)。

●Perfume前の世界とPerfume後の世界。
おでん:
ファン活動ってのは、CD聴いて、ライブ行って、関連動画見て…って感じですか。
Aさん:うん。基本は…。
おでん:本はないか。
Aさん:本は…、出してました。写真集…。見てたらすごいうっとりする…(笑)。
おでん:あははは。
Aさん:ちょっとやばい…(笑)。
おでん:そういうファン活動って、毎日ちょっぴりずつやる感じですか。
Aさん:あ、そうですね。毎日…。一日…。
おでん:生活の中の1割~2割ぐらいをしめてる…という感じ?
Aさん:あ、はい。そうです。相当しめてますね…。
おでん:結構ヘヴィーなファンですね!
Aさん:いやいや、私はホントにライトな方で…。いわゆる古参の人っているじゃないですか。古いファンの人。そんな方々と比べたら…、なんか、申し訳ありませんって感じなんですよ…。
おでん:申し訳ないってことはないでしょう。ライトなファンもいるからこそ活動が続いてるわけだし。
Aさん:そうですねぇ…。ふふふ。
おでん:Perfumeファンで良かったと思うことありますか。
Aさん:うーん…。すごい…、しょっちゅうです(笑)。もう、病気です…(笑)。
おでん:しょっちゅう。
Aさん:うん、なんか、それまでは、熱中できることがなくて。
おでん:あ、そうなんですか。
Aさん:そうですね…。自分って、感情がない人なんやと思ってた。だから…、「あ、そうでもなかった」って。ちょっと思いました。今考えると、クールであることもそれはそれで良かったんだと思うんですけど。
おでん:はぁー。それじゃ、Perfume前とPerfume後では全然違うんですね。
Aさん:うん、違いますねぇ。そうそう、たとえば、好きなアイドルの絵を描いてる子っているじゃないですか。それが理解できなくて…。でも、Perfumeを知ってから…!(描く真似)
おでん:描くようになったんだ!
Aさん:そうそう(笑)。「あ、こういうことかぁ!」って。「描きたくなるんだぁ!」みたいな。
おでん:それはすばらしいですねぇ。私は何かのファンであったことがあまりないんですけど、何かのファンであれば、やっぱり生活に活気が出たり、イヤなことを乗り越えやすくなったりするんでしょうか。
Aさん:はぁ…、それもありますねぇ…。そうですね、なんかほっとする…。温泉みたいな感じですね…。
おでん:へぇ、熱くなる感じじゃなくて、ほっこりなんですね。
Aさん:ほっこり、そうですね。疲れたとき、「こんな人たちがいるし、こんなかわいいのを好きな人たちがいっぱいいるんだな」って思うと…。
おでん:そんな感じなのか~。
Aさん:あ、あとちょっとした所属意識も。たぶん…。安心感みたいなのになってる気が。
おでん:ああ。「Perfume組」に入ってる感じが。
Aさん:はい。入ってますから。

●Perfumeと自分のこれから。
おでん:
Perfumeって、最近はどんな活動してるんですか。
Aさん:ちょっと前に…、何だろう。世界同時配信みたいな。なんか…ニューヨークとロンドンと東京で踊って、その映像を一本にするみたいな。結構、最新の技術を融合するのとか…うん。どうなんかな、分かんないけど…。
おでん:好みの雰囲気ではない感じ…?
Aさん:ちょっと…。なんか、壮大すぎて分かんなくなってきた(笑)。
おでん:ポリリズムのときって、若干のイモっぽさがありましたよね。
Aさん:そうそうそう。イモっぽさを愛してた自分としては…。なんかすごい、おしゃれになって…。…うん。でもまあ、おしゃれも嫌いではないから。まあまあいっかって。
おでん:どんどん洗練されていっている感じですよね。
Aさん:そうかもですね…。ときどき、ちょっと寂しくなる。勝手ですね。
おでん:いやでも、お好きなのがPerfumeで良かったですよ。だってアイドルってすぐ解散するじゃないですか。その点、Perfumeはアイドルっていうよりアーティストの段階に入っているというか。もう結構安泰でしょう。
Aさん:そうですかねぇ…。でも昔、「誰か1人でも結婚したら活動停止する」みたいなこと言ってはって…。まあ、ホントかどうか分からないけど。
おでん:えっ、そうなんだ…。…どうしますか、活動停止になったら。
Aさん:あぁ~、どうしよう…。何もないですねぇ…(笑)。今から並行してちょっと、別のことを…。分散しとかないと、老後が…(笑)。
おでん:老後…(笑)。やっぱり、そういう恐怖ってありますか。
Aさん:ありますー。どうしようって。辞めちゃったらどうしようって。
おでん:そっかぁ…。それは怖いけど、どうしようもできませんもんねぇ…。
Aさん:はぁ…。
おでん:…あ、目標を伺いたいんですが。ファンとしての目標、何かありますか。たとえば、直接会ってみたいとか、世界で有名になってほしいとか。
Aさん:あぁ~。全然…、ないかもですね~…。なんか、幸せになってほしいっていう…。それだけ。だんだん、なんかちょっと、親御さんみたいな気持ちに…(笑)。
おでん:ああ、なんか分かる気がする…(笑)。…じゃあ、もしも彼女たちの幸せが、Perfumeを辞めることであれば、それはそれを支持されるってことですか。
Aさん:そうですねぇ…。昔は自分のエゴの方が大きくて、「辞めないで!」とか思ってたんですけど。だんだん、いや、違うなと…。もっとこう、無償のものだと…。
おでん:(愛…!)
Aさん:だから、これからはたぶん、分散させていけるように、自分を鍛えていきたいです。
おでん:非常用の乗り換え先を探すなら、たとえば何系だと思いますか。
Aさん:うーん…。全然…、思いつかない…。ダメですねぇ、頼りきってて…。どうしよう…(笑)。
おでん:…そりゃそうですよね。ファンとして一緒に過ごした10年間もあるわけですから、簡単に乗り換えられるものじゃないですよね…。
Aさん:なくなったらどうすれば、って感じですね。ホントにちょっと、そろそろ考えないと…(笑)。
おでん:いやでも、そんなに好きなものがあるって、ホントにすばらしいことだと思います。
Aさん:そんなこと言っていただいて…。ありがとうございます…。
おでん:いやいやいやいや、こちらがありがとうございました。

<おわり>

★おまけ/AさんのPerfumeお気に入り曲ランキング!(2017年冬現在)
1位:セラミックガール
——間奏部分のダンスが良い。
2位:パーフェクトスター・パーフェクトスタイル
——「広島に帰されるかもしれない」という切なさを感じさせてウッとなる。
3位:Puppy love
——ツンデレ男子の歌詞がかわいい。ダンスもむっちゃかわいい。