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生き地獄2(コロナ感染とホテル療養)

何を隠そう現在進行形の話である。今私は療養先のホテルからこの文章を書いている。

コロナは不調のアンハッピーセット

もう既にコロナに感染済みの人も結構いると思うが、私の場合はどんな感じかお伝えすると、基本的な風邪の症状(発熱・寒気・頭痛・腹痛・関節痛・咳・喉の痛み・鼻水・吐き気・嘔吐)全てに襲われた。1回で全部の体験ができて大変お得なタイプの不調。加えて5時間毎くらいに何の症状が1番辛いかが入れ替わる。私の身体の中にスポットライトが1つだけあって、その光を様々な症状が奪い取ろうとしてるような感じ…。妙な例えだと思うけどこれがしっくりくる。

朝起きた時は高熱・昼間は頭痛・夜は腹痛というように色んな味の辛酸を代わる代わるペロペロさせられ、タイトル通り生き地獄だなと思ったが、これでも軽症なんだから重症の方々の辛さを想像するだけでゾッとする。

幸いなことに家族の中で陽性反応が出たのは私だけだったが、うつすことを恐れてホテル療養の希望を出すことにした。

ホテル療養に行こう!

ありがたいことに、陽性者の家までわざわざ車が迎えに来てくれる。ドライバーの方は防護服をばっちり着込んでいて、おお〜私もいっぱしの感染者なんだな…と車に乗り込みながらどこか呑気に考えていた。10分後には車酔いでそれどころじゃなくなることをその時の私はまだ知らない。

車は私含めて4人の乗り合わせだったのだが、全員が帽子を目深に被り、マスクをし、目線も合わせず、勿論会話もしない。車は外から中が見えないようにシートが貼られており、護送車のような物々しさが醸し出されているのがディストピア感があって良かった。多分あまり人生で味わうことのない空間だった。

合宿のご飯だった

ホテルでは朝昼晩決まった時間にお弁当を提供してくれる。館内放送で「ご飯の準備ができましたので廊下に取りにきてください」と言われたら、各部屋から部屋着の住人がゾロゾロと出てきて、1つずつお弁当を取ってまた部屋に帰っていく。お弁当は1人1つでお願いしますと言われているが、1人で2つくらい持っていく常識ない人がいたりしないのかな、私がここで一気に10個持っていったらどうなっちゃうのかな…と思っていた。

肝心のお味は美味しいし生野菜が入ってるし素晴らしかった!ただとにかく量が多い。もしかしてここはドカ食い気絶部の新入部員合宿だった?と錯覚するくらいお弁当の量が多い。

あとは到着して最初のご飯がカレー(サラダと唐揚げ付き)だったので、病人向けにしてはなかなかパンチが効いてるね!?と思ったが、無料で宿と美味しいご飯を提供してもらい、感謝こそすれ文句を言うなんて偉そうなことは勿論できない。私は色んな症状にリンチを受け白目を剥きながら生活していたけれど、幸い味覚だけは生き残っていたので、食事は楽しむことができた。

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お箸の上下が逆。こういうところに性格が出る。

予め「食欲ない人向けにゼリー飲料やおかゆも提供可能です」と説明を受けていたので、何日めかに内線で「食欲がないので、お弁当の代わりにゼリー飲料をいただけますか」とお願いしたところ、「分かりました!でも念の為お弁当もおつけしますね!」って言われてお弁当とゼリー飲料が部屋に来た。なんで!?食欲ないって言ったでしょ!?それじゃあむしろご飯増えてるじゃん!!!?親切でありがたいが念の為が過ぎる、石橋を大型ハンマーで叩くんじゃない。

ゆるふわ監獄

コロナのせいで数年ぶりに喘息の発作を起こした。ビジネスホテルは乾燥と仲良しなので、こりゃ加湿器が必須だわと思い、今回用のをわざわざ家族に用意してもらって持ってきた。

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蓋がずれている。こういうところに性格が出る。

中に水を入れ、コードを…と思ったところで気がついた。

 

別途お買い求めくださいタイプか!!!あああ〜!!!!!!見落としてた!!やるせね〜!!!
諦めてこいつを部屋のオブジェにするか、USBケーブルの差し入れを誰かに頼もうか迷った。

というのも、療養先のホテルに家族や知人は差し入れができるらしい。アルコールや生物が禁止など諸々制限はあるけれど。やっぱ監獄感があってちょっと面白い。
まぁでもそんなに長い期間ホテルにいるわけじゃないし、喘息の薬はあるし、のどぬーるマスクもあるし、結局こいつはオブジェになった。ただただ邪魔だった。いや私が悪いんだけど…。

早く元気になりた〜〜い

まだ完治はしてない。熱は下がったがまだ頭痛が治らず、鎮痛剤がズッ友の状態。
とりあえず完治したらこのホテルに金を落とすことを強く心の中で誓った。ご飯の量が合宿ではあるけども美味しいことは上で書いたが、このホテルは完成してからまだ日が浅いため部屋がとても綺麗で、遮音性に優れており素晴らしかった。他の部屋の生活音が一切聞こえず、ということは私が喘息の発作を起こしている音も聞こえてないということで、深夜でも遠慮なくガンガンバンバン咳ができた。快適な療養環境を用意してくれたことを、ホテルの方や看護師の方、保健所の方など色んな方に感謝申し上げたい。然るべき形でお礼をしたい。

あと2度とコロナになりたくない。みんな、ほんと、ならないで〜!!!元気でいて〜!!


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