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ウズベキスタン旅行⑥ ブハラさんぽ(徒然)

5日目の朝。レトロで素敵なダイニングでの朝食も食べ納めです。朝食はビュッフェ形式ですが、コミル氏(妻)が毎朝お茶を淹れてくれて、気になる食べ物があればいろいろ説明もしてくれるので楽しかったです。ウズベキスタン、どこに行っても葡萄とメロンがあって、この2つが好きな私としては歓喜だったのですが、ここで食べた葡萄が一番おいしかったです。好き。

コミルさんち自慢のホテルのダイニング

結局前日に一人で主要な観光スポットをほぼ回り終えていたため、この日は「こっち行くと素敵な道に出ます!」「ここからはタクシー乗ったほうが早いです!」と、もはや観光ガイドのテンションで先輩を連れまわしました。ウズベキスタンでは首都タシュケント、有名観光地のサマルカンド、地方城塞都市のヒヴァに加えてここブハラの4都市をめぐりましたが、個人的には一番ブハラの空気感が好きです。サマルカンドほどの華やかさも、ヒヴァほどのガチっぽさもないのですが、ほどよく観光地化されていて、水辺を中心にコンパクトで風情のある街が形成されているので徒歩でも楽しみやすく、そしてなんとなく落ち着く雰囲気……。
と、ここまで書いてからふと気になって、ブハラの地図に我が地元の地図を重ねてみたら、街のサイズ感がほぼ同じでした。ど、道理で落ち着くわけだ……。

あと、ブハラはウズベキスタンの中でも特に繊維業が盛んな地域なので、自前の工房で作った布系のお土産を売っているお店が複数あって、個人的にはお土産物探しが一番楽しかったです(私が気づかなかっただけで他の街にもあったのかもしれませんが、前述のとおり小さい街なので回りやすく、選択肢も多すぎなくてよかったのです)。タシュケントやサマルカンドにはもっと大きなバザールがあるので、無数の選択肢の中から掘り出し物を見つけたい人はそちらが合っていると思いますし、素朴な感じのものが好きならヒヴァで買うのもあり。ただ、通りに面した露店的なところは、実はどの街に行ってもだいたい同じものを取り扱っている場合が多かったです(そして必ず同じデザインの妙に派手でアフリカンな感じのビニール袋に入れてくれる)。たぶんでっかい卸元みたいなのがあるんだろうな。

スマホで音楽聞きながらスザニ刺してた(現代感)


なぜかじわじわとテンションが上がる光景(染料です)


ガイドブックに「ミナレット界のアイドル」と書かれていたチョルミナル(なにそれ)


チョルミナルはブハラの観光スポット密集地からちょっとだけ離れた住宅街の中にあるこじんまりしたミナレットなのですが、他に何もないのでみんな正面のお土産物屋さんのところにあるベンチでぼーっと座ってて、その静かでまったりした感じが結構良かったです。

土産物屋はソ連グッズを売りまくっていた

例にもれず私たちもここでしばらく休憩しましたが、その間にめちゃくちゃ陽気なアメリカ人のおじさんに話しかけられてよくわかんない話してましたね。先週までサマルカンドにいたけど泊まってたホテルが車も通らず静かな場所にあるし部屋も広くてよかったという謎自慢や、掛川のナントカいうところの日本茶がおいしいという謎情報を得ました。ウズベキスタンでソ連グッズ見ながらアメリカ人に教えてもらうおいしいお茶(不思議)。


茶の話をしたので現地の茶も飲んだ


これもまたなぜかテンションが上がる光景(こっちはスパイスです)

さて、昼過ぎまでブハラを満喫してから、荷物を取りに一度ホテルに戻ります。ホテルのロビー(というか玄関というか居間というか)では、コミル氏(夫)が子供たちと寛いでいました。昨日もそうだったけど、ここ本当に自宅兼ホテルなんだね。
タクシーを待つ間暇だったので、ウズベキスタンに来てからずっと気になっていたことをここでコミル氏に聞いてみることにしました。

私「あなたの子供たち、おうちにいるけど、今日は学校お休みなの?」
コミル氏「うん? うちは3人子供がいるけど、真ん中の子はセカンダリーだから今学校に行ってるよ!」

セカンダリー……?

よくよく話を聞いてみると、ウズベキスタンの学校は上級生と下級生で半日入替制のようです。ウズベキスタンに来てからというもの、真昼間に下校している学生や、街中で遊んでいる子供たちを見て「休みなのか?」と不思議に思っていたのですが、そういうことだったんですね。
後日サマルカンドで出会った別のおじさん(この話は後述)に、「ウズベキスタンの学校って半日なんですね、びっくりしました」と言ったら、「えっ日本はそうじゃないの? 丸一日? 朝から晩まで? It’s too hard……」と逆に驚かれました。まぁそう言われたらそうかも。
ちなみにこの話を帰ってから教職関係の知人にしたら、「えっその場合先生は半日?一日?なんでそこを聞いてきてないの」となぜか確認不足を怒られたので知っている人がいたら教えてください。確かに午前と午後で違うクラスを教えるとしたら先生は大変そうですね。

さて、コミル一家に見送られつつブハラを後にした私たちは、タクシーでブハラ駅に向かい、そこからウズベク版新幹線であるアフラシャブ号に乗ります。


共産圏みのあるかわいい駅(なお建物の中はろくな売店もない)(それもなんとなくソ連っぽい※偏見)

電光掲示板とかも特になく、時間もややルーズなので、それらしき列車が来たら駅員さんに確認して乗り込みます。なお改札やプラットフォームなどは特になく、駅の目の前に停まった電車に直接乗り込むスタイル。

乗り込んだアフラシャブ号のビジネスシートは、座席もテーブルも広々しており、車内は明るく、そして涼しい……。いくら物価が安い国とはいえ、これで約900円はあまりに安すぎると思うのですが、いったいどういうビジネススキームなのかよくわかりません。
ちなみに前日アフラシャブ号の切符が取れず鈍行でブハラにやってきた先輩は「いろんな意味で全然違ったわ」と言っていました。意外と楽しいけどなかなかハードな道のりだったみたいです。


ウズベキスタンで最も快適だった椅子です


先輩が1日かけて来た道のりも、アフラシャブ号なら1時間40分。お茶を飲みながら景色を見ていたら一瞬です。

サマルカンド駅についたら、恒例のYandexGoでタクシーを呼んでまずはホテルへ。サクッといける……と思いきや、意外と苦労しました。というのも、ホテル前の大通りが車両通行禁止で、タクシーで入っていけなかったのです。そういや昼間会ったアメリカ人が「ホテル前は車が通らなくて静か!」みたいな自慢してたな、適当に流さずに聞いとけばよかったな……と後悔(その人が言っていた「Sangzor Boutique Hotel」というホテルはうちのホテルの2軒位隣にありました)。言葉が通じない運転手さんだったのでそのへんの事情が我々も理解できておらず、無理して狭い道に入ってもらってしまって申し訳なかったです(しかしサマルカンドのタクシーはめちゃくちゃ狭い道でもどんどこ入っていくアグレッシブな運転手さんが多かった)。

ちょっと迷いつつも裏道にタクシーを停めてもらって少し歩き、ホテルに到着。サマルカンドでの我々の宿は「Bibikhanum Hotel」。ゆるーい雰囲気のお兄ちゃんがフロントやってるカジュアルめのホテルですが、超巨大なことで有名なビビハニムモスクの目の前なので、部屋を出たところの景色がとっても素敵。


ホテルの部屋の前の景色(奥にある巨大なものがビビハニムモスク)

ホテルに荷物を置いて、お向かいにあるカフェ兼雑貨屋さんへ。実はここは諸々の手配をお願いしていたウズベキスタン旅行会社「SRP TRAVEL」さんがやっているお店です。出発時のトラブルで諸々の旅程変更があったので精算が発生していたのですが、たまたまホテルの目の前だったのでもう直接取りに行っちゃいました(助かる)。今回はいろいろあったので、完全に個人旅にせず、融通の利くこちらにお願いしておいてほんとによかったです。

あとここでも学校を終えたかわいい娘さんが遊んでいたので、「なんで子供が昼間学校に行かず遊んでいるのか問題」とは別で、これもずっと気になっていた「ウズベキスタンの女の子、なぜみんな白いシュシュつけてるのか問題」についても聞いてみました。

SRPの方「ああ、これ制服ですよ。だよね?」
娘さん「うん」

そ、そうだったんだー!スッキリ!

これだけ書いても何の話かまったく意味が分からないですね。これは本当にどうでもいい話なんですが、ウズベキスタンについてからずっと、どの街に行っても登下校中の女の子たちがみんな必ず白いシフォンのシュシュをつけているのを見かけて、「流行りにしてはみんなつけてるし、いったい何なんだろう」とずっと不思議に思っていたのです。発表会の女の子みたいな華やかさ(黒髪に映えてめちゃかわいい)なので、「制服の一部」という発想がなかったのですが、直接聞けてすっきり解決しました。
こういう、地元の人にとっては日常風景すぎてインターネットでは出てこない系の些末な話を、現地の人と話して知るのが私は結構好きです。まぁ今ここに私が書いたからインターネットに出てくるようになったけど。

この日は元々の計画だとシャフリサブスに行く予定だったので、結構詰め込みの日程だったのですが、結果的にゆとりができたので、こうしていろんな人と他愛無い話ができて、これはこれで結構よかったなと思った1日でした。


夜のレギスタン広場(2泊して2夜とも行った)



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