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きおく

私は 絵を描いています
最初に影響を受けたのは 父だったかもしれません。

父親が売れない絵描きだった過去があり、幼い私はそれを見て過ごしました。
その為、《絵を描く》という行為が私のなかでは、さほど不自然ではなかったのです。

父さんは 色んな種類の絵柄を描きました。
仕上げる度に私を呼びつけ
『これ、どうや?』と咥えタバコで尋ねます。

当時 まだ、小学生の低学年の私にです。

父はいわゆる ジャイアン気質で
昔からの頑固で厳格ですぐ手を上げるタイプの人間でしたから、父の絵が いいも悪いも分からず 煙に燻されながら硬直してた覚えがあります。

このときは 《絵がどういう意味を持つ》だとか
もちろん、そんなことは 考えてもなかった。
父はきっと、
一緒に考えてくれる人が欲しかったのだろうと
今になって、私は 思い返せるのです。