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眠れない夜に私、×××を聴くのさ

あれだけ夏に興奮していたのに7月31日になった途端、夏なんて早く終わってしまえばいいのに。と思った。

暑くてノースリーブとキャミソールばかり選んでいる。
少なくともわたしの身体は夏を生きているらしい。
本当にわたしに8月はやって来ているのだろうか。
ふと空を見上げると雲の動きを追い越す飛行機を見てなんだか、どうしようもなく羨ましかった。



宮崎駿の最新作を見るために既に2度映画館に足を運んだわたしですが、時をかける少女とサマーウォーズを見るためにさらに2度映画館に足を運んだ。
アニメ映画はかなり心の健康に良い気がしている。
この夏は映画の夏なのかもしれない。

今まで数えきれないほど見たサマーウォーズを映画館で見て初めて涙を流した。
映画館の臨場感効果はすげえ。
細田守が描く女性は身勝手な性格が多くどうも好きになれないが、宮崎駿の描く女性は強い女が多いのでかなり好き。


宮崎駿の最新作は2度見ても全てを噛み砕くことは難しかった。
きっと何度見ても宮崎駿の気持ちを見透かすことは出来ないだろう。
ちなみにわたしはジブリ作品の中では、もののけ姫が1番好きです。
幼きわたしはアシタカに恋をしました。

それに比べてサマーウォーズは、ここ!と分かりやすくわたしたちに感動を与えてくれるので簡単に涙が流れる。
人間が本当に恐怖を感じると声が出ないのと同じように、心の奥底の本当を突き刺されると涙は出ないようになっているんだろうか。それともその逆か。



そういえば夏アニメ見てないな〜と思い、わたしの好きな配信者が『今季は''わたしの幸せな結婚''がアツい!』と言っていたので、ウォーキングのついでに見始めたのだが、声優が石川界人でかなりテンションが上がった。

最新の5話まで見終えたわたしだが、めちゃくちゃ面白いじゃん!と同時に、フィクションはこれだからいいよな〜とため息が出た。


主人公、美世の生きて来た背景は一旦置いておいて、自分の居場所を見つけて初めて安心感を覚えてしまったらこの子はこの男性に依存してしまわないのだろうか。と現実と重ねてしまった。

本当に良くない。

これはこれ、それはそれと分別はしているつもりだけれど、そうやって現実を透かして見てみると共依存のような関係を築けるのって結局当人たちはかなり幸せだよな〜と思う。



インターネットに蔓延る『自立した女が良い女』というありきたりな言葉には正直もううんざりしている。

はいはい、分かりました。分かりましたよ。と。
もうそんなの分かった上で生きてます。女たちは。
そんな何回も言わなくても分かってますよ。
そんな夏休みの宿題を急かすような母親面をインターネットにまでされるのなんてこりごりじゃない?



職場の先輩が3年半付き合っている彼氏が就職で東京に行ってしまうため遠距離になるらしく、寂しいどうしようと駄々をこねている自分に嫌悪感でいっぱいになっているらしい。

峰不二子のように、頑張ってね!いってらっしゃい!あなたがいなくてもわたしは楽しく生きられるわよ?の精神になりたい。と言っていた。

今まであったものがなくなるんだから、そうなってしまうのは仕方のないことなのでは?と思うけれど、恋愛というものはそう簡単な話ではないらしい。難しいね〜。


『何かわたしも始めようと思うんだけど、、』と言っていたので、ジムめちゃくちゃおすすめです!と伝えると、『ちょうど調べてたの!』と言う姿が無邪気でとても可愛かった。
ひとしきり盛り上がり、終わりには『◯◯ちゃんと話せて良かった!元気出た!頑張る!』と言っていて、あなたはもう既にとても素敵な女性です。と伝えて職場を後にする。


これは生きてきて分かったことなのだけど、相談するなら不幸そうな人にはしないことって大事っぽい。
いや、知らんけど。ほんとに知らんけど。


『ピラティスも気になってて、、』と言っていて、わたしもちょうど行ってみたいなと思っていたから、良かったら一緒に行きませんか?と誘ってみたりなどした。
わたしは人を誘うのがかなり苦手な人間なので、本当に行くかはともかく、ほんの少しだけ自分の成長を感じてドキドキした。

新しい場所に一歩踏み出すのは些細なことでも勇気がいることなのだ。



彼は彼女がこんなにもあなたとの糸を紡いでいることに気付いているんだろうか。
慣れない土地での社会人1年目がしんどいことは想像つくけれど、彼は彼女と同じように糸を紡いでくれるのだろうか。

先輩は、『まあわたし基本ポジティブだしいい女なんだけどね〜!』と笑っていたけれど、不安や寂しさが募るとそんな人でも真っ黒に押し潰されてしまいそうになることを、わたしは知っています。


どうか、ふたりの糸が千切れませんように。
ふたりの糸がより一層硬く結ばれますように。
先輩の心が黒や涙に染まりませんように。



人間1番怖いのは、仕事だるいな〜と迎える朝でも、何気ない会話が続かないことでも、夕方のセンチメンタルでもなく、おやすみという言葉とともに眠れない真夜中なのである。

そんなん早く寝たらいいじゃねえか、と思うかもしれないけれど、どうしようもなく眠れない夜ってあるの。


みんなは眠れない夜と一緒に朝を迎えたことはないですか?

健康的な生活には、健康な心が伴って成り立つものなんだよね。
そんなとき誰かと一緒に朝を迎えられたらどれだけ楽なんだろう。と、数えきれないほどの夜を心に抱えたまま、わたしはまたそんな夜を迎えるのがすごく怖いのです。


どうか、好きな人たちが、先輩が、そんな夜を過ごしませんように。


わたしはまたいつでもお話聞きますからね!と伝えることしか出来ないのだけど。
わたしの好きな人たちがみんな笑顔で包まれて欲しいな、と綺麗事のようなことが今日も心の片隅で光っている。でも、本当なんだよ?



でもわたし、弱さもその人の武器だと思うんだけどな。
自分の弱さが自分の盾になってくれるときもあれば、その弱さに傘をさしてくれる人と出会うきっかけになったりもするんじゃないかな。

弱さを理由に逃げたって誰かに頼ったっていいじゃないか。
どうせ人間はひとりでは生きていけないのだから。


わたしはそうやって大切な人と出会って傘をさし合って、雨や冷たさを凌ぎ温もりに変えられたことがあるんだけどな。
もしかしてこれも綺麗事でしょうか。



人間って何もないが1番辛くて、憂鬱や弱さに寄りかかって大丈夫を探す時間を作ることによって何かある状態にすることに頼ってもいいんじゃないかと思うんですよ。

わたしいつも無意識に少しの憂鬱を探しちゃってる。
いつもどこかに少しの不安を探しちゃってる。
ずっと幸せを感じ続けてしまうと、それを失ってしまった時にきっとわたしは耐えられなくなってしまうから。


楽しいや嬉しいだけの感情しかない生活がもちろん人間が求めていることなのかもしれないけれど、わたしはそうやって温かい心のどこかに冷たさを温存させようとしてしまう。

幸せを当たり前にしないために、毎日に少しの憂鬱や不安を持ち合わせておくことによって心のバランスを保てている気がする。


そうやって自分の思考や感情に冷たさを保つことで、音楽や本、映画などの作品でいろんなものを感じられるんだと思うんです。

きっとずっと楽しい嬉しい!のハッピー脳だったらこんなにも音楽を好きになっていないと思うから、わたしはこんな自分が結構好きです。
音楽の趣味が合う友達がこれと全く同じことを言っていたので、音楽が人を繋ぐのは本当なんだと思う。


ずっと満たされている生活なんてつまらない。
満たされるために何かをする生活が1番楽しいでしょ?
そうやってわたしは、また今日も新しい音楽を聴いて、新しく買った本の続きを読む。


今もし苦しいと涙を流すあの人に出会ったら、ウール生地のセーターをプレゼントしようと思う。
そうしたら、冬まで生きる理由ができるでしょ?
誰かが太宰治にそうしたようにね。

たまに夢に出てくる人、生きているか分からない人、確認しようもない人、けれど幸せに生きていて欲しいと願う人、もう出会うことはないんだけれど、あの時救えなかった後悔をわたしは二度と繰り返したくはない。

''あんなに時間なら余ってた なのに 伝え切れたことなんて 何ひとつなかったなんて 私は知らなかった''


いつのまにか右薬指を紙で切って血が出ていた。
傷ってどうして認識した瞬間から痛みを感じるんだろうね。
心の傷も同じで、ふとした何かで思い出したりして瘡蓋になりかけていたのにまたほじくり返される。
何度これを繰り返せば傷は完治して、より一層強いものになるんだろうか。
いつまで経っても慣れないね。



弱みを見せてくれる人を抱きしめたいと思うのは、わたしもまた弱いからなのだろうか。



頑張っている人は素敵、頑張ろうとしている人も素敵、頑張れてなくても素敵、頑張ろうとしていなくても素敵、産まれた瞬間からみんな自分にしかない何かを持っているんだよ。

身体が、心が、疲れたと思ったら休めばいいの。
全部手放したらいいの。
仕事も、友達も、恋人も、趣味も、好きなことも、今の自分も全部捨てたらいいの。

昔、弱さに蓋をして強く生きようともがいている人に教えてもらいました。
その人はわたしより遥かに強い人だと思っていたけど、やはり人間は見かけによらないらしい。
弱さを隠す蓋が壊れてしまう前に、気付いてあげられる人間にわたしはなりたい。


ひとりで頑張り続けちゃうとね、いつのまにか自分を殺してしまうんだよ?




傷つけられる覚悟も、傷つける覚悟も、今のわたしにはないのに、いつかまた誰かと大切の交換し合いっこができる関係を築きたいと、そう願ってしまいます。


こうやってふたりでいる強さに縋ってしまうから。
わたしは人に優しくありたいと願ってしまうのかな。

いつまで経っても自分のことが分からないでいる。
きっと死を目の前にしても、わたしはわたしを分からないままでいるんだろう。


''考え抜いた末にしたことで恨まれて愛される
積み木を崩さないように見ていないとこで押さえている
ように見せかけていつだって離せるのは私です''



鏡に映る切り揃えられた髪の裾を見てわたしは。
わたしはまた自分が変わったと勘違いしている。


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