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陽と蜜と

9月13日(水)、桜井えまさんの生誕ソロライブ『はにーえまいる〜沼1〜』@KT Zepp Yokohamaに参加しました。
そのときのライブレポ......のつもりで書き始めましたが、最終的には全くライブレポではない何かになりました。
ライブレポを期待して開いた方はご注意ください。

桜井えまさん(通称「えまち」)はこちらの方です。

ロングえまち
(スターダストプロモーションの公式プロフィールより)
ボブち
(エビ中の公式Twitterより)

信じられないぐらいかわいいですね。

開演前BGMはこちら。

素敵な選曲ですね。

セトリはこちら。

1.ダイビング
2.えびぞりダイアモンド‼︎
3.裸足のシンデレラ(703号室カバー)
4.I‘ll be here
5.キャンディロッガー
6.Honey B〜みつばちダンス〜(木村カエラカバー)
7.SAKURA(いきものがかりカバー)
8.日進月歩
9.マリーゴールド(あいみょんカバー)
10.頑張ってる途中

アンコール
11.手をつなごう(※写真撮影可能タイム)
12.涙は似合わない

最高ですね。
意欲的な選曲(4、5、8、11)、おそらく現体制ではまだあまり披露されていない曲(10、12)、彼女自身の現在に繋がる曲(1、6、9)など、バランスの良いセトリだったかなと思います。

衣装はこんな感じでした。

会場を笑顔で満たす桜井えまさん

全く想像していなかったテイストの衣装で、だいぶ喰らってしまいました。


簡単な感想

開演直前の影ナレこそ、かなり緊張されている様子が見受けられ、愛らしい読み間違いが炸裂していましたが、本編が始まると、パフォーマンスのクオリティは素晴らしく、初めてのソロライブとは思えないレベルだったと思います。

このライブの前の週に行われた2マンライブ『放課後ロッケンロール HYPER』の2公演も見に行ったのですが、その時点で既に8月よりも格段に成長しているように感じたので、パフォーマンスの面では全く心配していませんでした(そもそもいちファンの私が心配することではないですが)。
むしろ当日は期待を更に上回り、今持てる力の150%くらいのものを発揮していたように感じました。
それでいてまだまだまだまだ伸び代を感じるのですから、とんでもないですよね...。



以下が一応本編的な内容なのですが、自分でもあまりよく分からないことを書いているなという自覚があるので、読み飛ばし推奨です。


オレンジ系のメンバーカラー、歌唱力の高さ、自己紹介で「笑顔」に言及するところ、など共通点が多いこともあり、桜井さんは良くも悪くも、去年エビ中を卒業された柏木ひなたさんと比較されがちな気がします。柏木さんの歌声との類似性を指摘する声も散見されるところです。
もしかすると彼女自身も、オレンジ系を受け継いだことのプレッシャーを今でも少なからず感じているかもしれません。

しかし、誠に勝手ながら、個人的には今回のライブで彼女自身のオレンジの色合いが少し見えた気がしました。
ダンスのことはさっぱり分かりませんので主に歌声を聴いて抱いた印象になりますが、以下ではそれを(6人時代〜卒業までの)柏木さんとの対比という形で記してみたいと思います。
二人に優劣をつけることを意図するものではなく、私が感じた桜井さんの良さを私なりに明確化するためにこのような方法を採っているに過ぎないことを、ご理解ください。


さて。

6人時代以降の柏木さんからは、≪それでも生きていくんだ≫という、差し迫った情感を私は感じていました。
これは、歌やダンス、エビ中というグループなど、自分の好きなものごとに対する彼女自身の真摯さ・実直さに由来するもの(あるいは、見る側として彼女のそれを投影していたために感じたもの)であったかと思います。

人が生きる上で経験する諸々のこと。善も悪も幸も不幸も清も濁も美も醜も、喜怒哀楽と不条理も。それらを全てステージの上で自分に纏わせて光に当て、明るみに出す。確かな重量感と肌触りのある歌で、そういう諸々を聴衆の心に直に渡してくる。その上で、共に苦しみ、共に乗り越える。聴衆のひとりひとりに対して1対1で向き合い寄り添う。
私にとって彼女の歌は、そういう繊細な姿勢を感じさせるものでした。

一見強く逞しいように見えるのですが、その影には深く傷ついたり挫折したりした経験があるのだろうと思われます。それでもなおステージという特殊な空間・時間を愛していて、そこに自らを投じることで、それ抜きには崩れてしまいそうな自分を保っていた。彼女自身もそれに救われていた。
そういうような印象を受けていました(何度も言いますが、あくまでも私の個人的な感想です)。


本題の桜井えまさん。

桜井さんの歌には、音楽の根源的な楽しさへの信頼と期待を感じました。
まだ加入して1年にも満たない16歳の少女ということもありますが、柏木さんに関して上に述べたような切迫感は、桜井さんからはあまり感じられません(これから徐々にそういう味わいも出てくるのだろうと思います)。
しかし、音に飛び込み、音を纏い、音を発するという体験、それによる純粋な楽しさへの絶対的な信頼、これから更に楽しい体験があるという期待(あるいは確信)。彼女の歌を聴いていて、彼女自身がそういうものを抱いているのではないかと感じました。ある種の「瑞々しさ」のようなもの。
まるで「きっと楽しいから君もそこに入ってみなよ」と呼びかけてくれているかのような。
彼女にとって、音楽はそれほど確かなものなのだなと。

さらには、「甘さ」というのも、彼女の歌声の特色ではないかと感じました。ライブ中に真っ先に感じたのはこの印象です。
ここでの「甘さ」は、「ぬるい」「ゆるい」などのネガティブな意味合いではなく、味わいとしての「甘さ」。甘味。
柔らかく、それでいて張りのある歌声。その歌声が知らず知らずのうちにこちらに浸透してきて、心が満たされていくような感触。
すっと溶け込んでくるけど、そのまますり抜けていくわけではなく、しっかりと残る歌声。
「ハニーオレンジ」に引っ張られているだろうと思われるかもしれませんが、私としては、「甘さ」という単語は彼女の歌声を表す言葉としてしっくり来ています。

おそらく全く伝わらないと思いますが、やや図式的に言えば、柏木さんから感じる歌が、聴衆のひとりひとりと向き合いそこに寄り添う歌(切り詰められた二項間の線的な関係)で、桜井さんから感じる歌は、空間全体を音の中へ浸らせ温度を上げていく歌(1点とそれを中心として球状に広がる空間のような関係)、という印象です。


ここまでダラダラと書いたものの、私の中でも「なんとなくそういうイメージが浮かんだ」という程度に過ぎないですし、また、可塑性が高く、希望に満ちた未来ある若者を、錯乱した大人の妄言によって縛るようなことは、もとより本意ではありません。
むしろ、現時点では上に述べたような印象を受けていますが、これから彼女の歌声がどうなっていっていくのか(それを聴いて印象がどう変わるのか)が楽しみですらあります。

万が一ここまで読んだ方がいましたら、「あ〜またオタクが愚にもつかないキモ語りをやってるな〜」くらいに流していただければ。


というわけで、素晴らしいシンガーの新たな一歩に立ち会うことができた喜びから、取り留めのない文章を書き散らしてしまいました。

何が言いたいかというと、10/7と10/22に開催される『オケラディスコ2023』で彼女の歌声を聴くのが、より一層楽しみになったということです。
「オーケストラ×ダンスミュージック」という、エビ中にとって新機軸のライブ。
来年以降開催されるかは分からないので、これを読んだ方も読んでない方も、ぜひ今年見に行きましょう。

素人によるiPhone撮影の限界(4列目上手より)
ECCの実力を遺憾なく発揮する桜井えまさん

それでは。

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