現役相談支援専門員が話す相談支援専門員の仕事のリアル(ちょっとお金の話)

こんにちは。
OTOTです。

相談支援専門員をしております。
作業療法士でもありますが、社会福祉士でもあります。
相談支援専門員の立場ですが、計画相談事業所を設立して運営しているので、事業所の管理者であり、事業所を開設している法人の代表取締役でもあります。

本日は、相談支援員の仕事についてお話します。

早速ですが、
相談支援事業所(計画相談:大人の計画相談)は、福祉事業所の1つです。
報酬は行政から代理受領という形で行政から事業所に支払われます。
代理受領とは、簡単に説明すると、利用者さんが相談支援事業所に支払う費用はありません。行政が全額代わりに相談支援事業所に利用料を支払いますという事です。

相談支援専門員の仕事内容は以下4つです。

1:基本相談
2:計画書の作成
3:サービス担当者会議の開催
4:モニタリング

主にたった4つです。詳しく説明してきますね。

1:基本相談
福祉の相談受付です。相談をうけます。ここで、このようなサービスあるよ。など情報提供もします。成年後見かな、ヘルパーさんかな、いやいやそれだと、障がい者雇用なのでハローワークかな。などなど。
ちなみに、この基本相談における報酬はありません。2時間相談を受けても報酬はゼロです。

2:計画書の作成
基本相談を受け付けし、福祉サービス導入が妥当と合意形成が利用者さんと出来た際に、計画書を作成し障がい福祉サービスの受給者証発行に必要な書類を作成します。受給者証発行は行政が行いますのでまず、計画書案を作成→利用者さんサイン→行政に提出→受給者証発行→計画書作成→利用者さんサイン。このような流れです。利用者さんから計画書にサインをもらえ、行政に計画書を提出した際に、報酬が発生します。さて、いくらでしょう。
事業所にもよりますが、私のような一人事業所の場合ですと。
1522単位です。1単位が約10円です。15220円です。初回(初めて計画書を作成する)ですとこれに初回加算(300単位)があり、18220円ですね。ちなみに、児童の場合はもうすこし報酬が高いです。

どうでしょう。高いですか。安いですか。

3:サービス担当者会議開催
初回の計画書作成の際は、必ずヘルパー事業所さんの紹介など事業所さんと一緒に利用者さんの困りごと解決に向けて会議を開催します。初回の報酬時にサービス担当者会議の開催加算はありません。初回加算の中に組み込まれているのでしょう。

4:モニタリング
サービスが上手くいっているか、新たな課題がないのか。見直します。
利用者さんからの聞き取り、サービス提供事業所からの聞き取りをもとにモニタリング報告書という報告書を作成し行政に提出します。
モニタリング月はサービス毎に標準期間の目安がありますが、行政判断になるので毎月モニタリングも可能です。
報酬は1260単位ですので、12600円(大人の場合)ですね。

担当件数は200人でも大丈夫ですが、
ひと月に上記報酬を請求できるのは40件未満です。
モニタリング報告書を30件しました。新規を20件したら、50件です。
40件目からの10件は上記報酬の半額の報酬です。このあたりの計算方法は複雑なので毎月39件までにしておくのが良いでしょう。

さて、どうでしょう。これが基本的に相談支援専門員の仕事です。

なんだ、余裕ですね。と、思う方もいるかもしれません。では、なぜこのような余裕かもねと思う仕事に新しい担い手や事業所が手をださないのか。

まず、相談支援専門員の研修の中身がこのような事業運営に必要な内容がゼロなため、新規でやりたい人がどうしていいかわからないです。研修は永遠にケアプランの作成方法を話します。ケアプラン作成は確かに必要な研修ですが、地域に相談支援専門員を増やしていくには、今後は請求業務などの実務の研修を盛り込んでいくべきでしょう。

次に、相談員さんは忙しいと言われる理由と、担当してもらえる相談員さんがいない問題です。相談支援専門員の仕事がなぜ忙しいのか。

相談員の仕事は主に上記4点ですが、この4点に付随している大切な業務があります。一番わかりやすい例を挙げると、忘年会や同窓会、飲み会の幹事をイメージしてください。または、社内会議のスケジュール調整をイメージしてみてください。

一人の利用者さんがサービスを2つ利用している場合。
利用者さん、サービス事業者、サービス事業者、相談支援員のスケジュール調整が必要です。時間、場所、日程。SNSだの調整さんツールがあるじゃないか。という声のあるかもしれませんが。電話だけしか連絡とりませんという利用者さんもおられます。SNSが苦手で病んでいるという方もいるのがこの業界です。
どうでしょう。39件のモニタリング+計画書の作成、サイン貰うを今月やりながら、来月の39件のスケジュール調整を並行して行うのです。飲み会幹事のスケジュール調整を39件調整しながら、飲み会の感想を記録にとり、メンバーにサインをもらいにいく作業をする感じです。

新規も次々電話がかかってきます。2時間報酬ゼロの相談もあります。

どうでしょう。すこし忙しい理由をイメージしていただけたでしょうか。
計画書なんて、その場でPCで打ち込みしながらしたらいいじゃないか。というビジネスパーソンもいるでしょうが、相談支援なんです。
困りごとを話している時に、「ふむふむ」と、タイピングしている人はどうでしょう。スマホで入力もできますが、どうでしょう。夫婦喧嘩の原因でも「話しているのに相手がスマホ見ている。」とか、聞いた事ないでしょうか。

最後に、大学生や福祉に従事していて相談支援専門員に興味がある方向けに

わたしが起業した際に、中小企業診断士の先生から「リスクマネジメントの為に、月に30万を自分に払う事ができるようにしようね。」とアドバイスを頂いています。さて、相談支援事業は、月に30万円を自分に支払う事ができるのか。

仮に10件新規
18000円×10件=18万円
29件モニタリング
12600円×29件=約36万円(切り捨て)

うまくいけば月に54万円ですね。
24万円残せますね。

これだけみると、チャレンジしてもいいかもね。となるかもしれませんが、
そこには罠が仕掛けられています。そして、上記の月54万円も罠なのかもしれません。次回は、もっと本当のリアルを説明します。

最後までお読みいただきありがとうございました。









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