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サラリーマンとフリーランスの違いとは?

2019年に独立開業して早5年。

士業として開業しており厳密には「事務所を構えずノマドに仕事をこなすフリーランスじゃあないだろ」と言われるかもしれませんが、実態としてひとり事務所で続けているものですから、気持ちとしてはフリーランスな松本です。

昨今「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」いわゆる「フリーランス保護法」が話題となったように、働き方としてフリーランスを選択する人が増えてきているようです。
ランサーズ、『新・フリーランス実態調査 2021-2022年版』発表

私も独立開業前は毎月給与振り込みを受ける「サラリーマン」だったわけですが、そのときは「組織」のなかで働いていました。
一般的には、学校を卒業して就職し、一定期間サラリーマンを経験したうえで、得意な分野でフリーランスに転向するというかたが多いではないでしょうか。

なにかの記事で最近では卒業後即フリーランスとして独立する「即独」する人もいると見た覚えがあります。

独立するまでずっと組織の中にいた私。
保育園から大学まで学校生活、その後は民間や地方公務員として働いてきて、かたわらには常に友人や同僚がいました。
しかし、独立開業してひとり事務所として士業を続けていると、この今までの当たり前がまったく違うものになるのです。
現に今も夕方に一人ポチポチキーボードをたたいて誰ともしゃべらずnoteをつづっているのです。

これからフリーランス、資格を取って独立開業したいと考えている方は、この決定的な違いをまずは知っておいた方がよいと思います。

本業以外の雑務の大変さ

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ひとりで黙々と作業することも特徴ですが、なんといっても本来の業務以外の事務作業も全部自分でこなす大変さ、がまずあります。
サラリーマン時代は、入社退社の手続き、経費の精算、営業がとってきてくれた仕事などなど、組織の中で役割分担をして業務をおこなっていました。

しかし、その事務作業や営業も「自分で」行わなければなりません。

なかでも大変なのが「仕事の道具の故障」つまりパソコンやプリンターの故障に手間がとられることが、私はきついです。
開業当初、仕事用に購入したプリンターですが、一か月も立たないうちに印刷物にスジが入るようになりました。
A3も印刷できるプリンターでしたので、物も大きかったのですが、それを電器屋に運んで行って修理に出すと今度は替えのプリンターが無いんですね。
なので結局モノクロ印刷用としてA4サイズのプリンターをその場で買って帰ってきたのですが、プリンターの修理自体も1か月近くかかるし、A3サイズで大きいからそれを一人で車に載せて運んで、電器屋で台車に載せて運んでと大変苦労しました。

パソコンにいたってはノートPCをおもに利用していますが、電源供給も兼ねたUSBタイプCの口がパキっと破損して、しかもそれが正月でサポートも開いていない時期であり、「ヤバいこのまま充電できないと中のデータも飛んでしまう」とあせって2代目のPCを即購入しました。

会社だったら、総務担当の方に「パソコンが壊れてしまって」「プリンターが動きません」なんて言えたでしょうが、ひとりになるとこれらすべてのトラブルを一人で対応しなければならない、さらに修理の間の代替品なんてのも自分で用意しなければならないんです。

余計に出費がかかりますが、結局は事業を継続するのも「自分の責任」ですから、トラブルに備えてサブ機を用意する、という考え、壊れる前に仕事道具は定期的に買い替えるという習慣がつきました。

「帰って社内で検討します」が言えない

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「持ち帰って検討します」
「上司に相談してお知らせします」

この言葉、商談でよく使いませんか?

しかし、独立開業してフリーになると、仕事の裁量はすべて自分自身にかかっています。
商談の際に「わかりました。追って見積書を送付しますね」ということも可能ですが、結局持ち帰ったところで決めるのは自分なんです。

仕事の裁量はすべて自分次第。
これはメリットでもあり、デメリットでもあります。

受けるのが難しい仕事はお断りしますし、受けたい仕事はあれこれ考えて提案をおこないます。

私自身最初のころは商談後に見積もりを送っていましたが、最近では忙しくなって時間がもったいないので、最初の相談で口頭で料金を伝えて受けるかどうかの判断をその場で確認することが多いです。

福利厚生がない!

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フリーでやっていると会社組織の福利厚生を利用することができません。
自分でフィットネスジムを契約してもいいのですが、それは基本的に経費にはなりません。

サラリーマン時代は、会社の福利厚生で格安な料金でフィットネスクラブを利用することができましたので、結構使っていました。

公務員時代は労働組合の福利厚生もありましたね。
ホテル割引券なんか結構利用しました。

それら福利厚生が利用できないことに加えて、一番のデメリットにもなるのが「保障が手厚い社会保険に加入できない」ですね。
個人事業主は基本的に労災も適用されません。
なので、ケガをした病気になったという場合には、即無収入につながります。

これが一番のデメリットであることは、広く知られているでしょう。
ウーバーイーツやAmazonの配達員の方が、よく組合に加入して団体交渉をおこなうニュースを見ますよね。
あれは形上は個人事業主なのですが、みんなで条件交渉をおこなったりしているんです
しかし、簡単には労働者性も認められないので、団体交渉をしても保障は不透明です。ただこの労災については国の方も動いていて、特定の業種の個人事業主の労災特別加入を認めています。
また、国民年金保険料の産前産後の免除など、サラリーマンとの保障の格差を埋めるような政策を出してきています。

それでも独立開業に悔いはない

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以上の最大のデメリットである福利厚生に乏しいを上回る魅力は

すべて自分で決めることができる満足感

だと思います。
実際独立開業してひとりで仕事をするうえで、ハンパないプレッシャーや苦しみも経験してきました。
特に新型コロナウィルス感染症がまん延したころは「絶対に感染してはいけない」と強迫観念になり、家族の罹患にもとても気を配りました。
あのころ自分が感染したらすべて仕事がストップする状況でしたからね。
幸い最悪の感染県になってしまった沖縄県で感染することなくコロナ禍を抜けることができて良かったです。

経理事務についてはクラウドシステムの利用。
見積もり等の作成は経験値での相場観。
福利厚生については、仕事時間に「読書の時間」を組み込んで、自分時間を持てるようにしています。

なんだかんだ大変なことも多いですが、それよりも仕事の裁量を握っている充実している充実感は独立開業=フリーランスならではです。

でもSNSを見ていると、開業後に売り上げが伸びず悩んでいる方の投稿を見かけたりします。
これについては、意味のある努力を続ければ結果はついてくると考えています。
開業後の取り組みについては、今後noteに綴っていきたいと思います。
本日も最後までご覧いただき ありがとうございました。

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