見出し画像

60代ASD、初の海外(トルコ)に挑む(8)エーゲ海


クシャダス

クシャダスで泊まったのはリゾートホテル。私たちの部屋は2階で、ベッド2台と2段ベッドが1台ある広いところだった。

海岸側から見たホテル(写真は宿泊3日目のもの)

クシャダス1泊目の夜、ひどい悪寒に襲われた。食欲もない。いろいろネットで見るに、どうも熱中症になっているようだ。ずっと水を飲んでいたのに足りないのか、と思ったが、塩分不足になっているらしい。

日本ならあっさりして塩分の多い食べ物はいくらでもあるが、トルコの料理は脂分が多めで、しかも食べてみるまで味がわからない。食欲がない状態で色々食べ比べるのも無理がある。

1冊の書籍

この旅行に参加する前、私は参考にと思って「イスタンブールで青に溺れる」という書籍の一部を読んでいた。著者の横道誠氏はASD・ADHDの独文学者で、「自閉文化を語る会」というオンラインサークルのお仲間でもある。

この本のイスタンブールの項目には、横道氏が旅先でしばしば倒れて(この項目ではサバサンドを食べて)滞在中床に伏して過ごすこと、しかしそれも考えてみれば贅沢なことかもしれないというようなことが書かれていた。

そうか、と私は思った。
本日の行先はアテナ神殿のあるプリエネ、自然哲学発祥の地ミレトス、デルフォイと並ぶアポロンの神託所で有名なディデュマ。どこもギリシャに縁深く、行きたい思いは強い。
けれども、この体調でそれらの遺跡を無理に回ったら、どうなるかわからない。「贅沢」をすべき時だ。

休息(贅沢)

私は朝、ベッドから起きることもつらいほど消耗していた。同室者のIさんに、今日はお休みしたい旨と、先生にそれを伝えてくれるようお願いした。
Iさんは何か食べ物を取ってこようかと言ってくれたが、私は何も食べられる気がしなかった。

するとIさんは、自分で持ってきたラムネ菓子を私にくれた。ブドウ糖を固めただけのこの食べ物は、まさに天の恵みだった。この後食欲が落ちている間も、このお菓子はのどを通り、エネルギー源になってくれた。

そういうわけで、この日はほぼ1日ホテルの部屋で過ごした。

朝のエーゲ海。水はあくまでも澄んでいる。対岸はギリシャのサモス島、と後で気づいた。


部屋の目の前の棕櫚の木に鳩が来ている。神話的風景。

夜の賑わい

最初の夜もそうだったが、この日もこちらがもう寝ようか、という頃合いに、大変賑やかな歌と音楽が流れてくる。(Iさん曰く「パリピのパーティー」。言いえて妙だった。)
ホテルのイベントのようだったが、こんな遅くに、と驚いた。
しかし、熱い昼間には休憩して、涼しくなった夜に楽しむ、というのがリゾート地の(あるいはこちらの)流儀なのかもしれない。

月に照らされたホテルの夜の庭。明るい。(写真は翌日のもの)

おことわり
この辺の出来事は時間の順序の記憶が定かでなく、また記録もできていないので、事実とは異なるかもしれません。
また、これ以前、これ以降についてもその可能性があることをここにおことわり申し上げます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?