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「団体行動の困難さ」に関するASDとしての考察


トルコツアーに参加して

これまでも私は団体行動が苦手だと感じていたが、トルコの遺跡を巡るツアーに参加して、つくづく「私は団体旅行に向いていない」と感じた。
私が迷子にならなかったのは、ひとえに親切な参加者の皆さんとガイドさんの助けによるものだ。

これまでの団体旅行

今まで複数(3人以上)で旅行したことがないわけではない。
そういう時、私はたいてい企画者であったりツアーコンダクター的な役割を自ら引き受けていることが多かった。事前に下調べをし、スケジュールを作り、皆を引っ張る。そういう形なら何とかなる。
だが、今回は知らない土地で、スケジュールも臨機応変に変わる中、指示を聞いてついて行かなくてはならない。

条件は悪くない

指示されるのが嫌だというわけではない。むしろ、立場がはっきりしているほうがわかりやすくていい。
そのうえ今回のツアーはガイドレシーバがあった。離れていてもガイドさんや先生の声が聞こえる。とてもありがたかった。
ツアーの目的もはっきりしていて、取るべき行動も理解しやすい。
ほかの参加者の人たちもみな親切で寛容だった。そのうえ、そんなにきつい縛りもない。
それでも私はすぐ、皆とはぐれそうになる。

団体行動が難しい理由

まず、ひとつひとつの動作が遅い。不器用でもたもたする。指示に素早く従ったり、準備をすることが難しい。

また、何かひとつのことをしていると、周りの状況に気づくことができない。おまけに、見えていないところに人がいても(いなくても)わからない。なので、いつの間にか周りに誰もいなくなっている。

さらに、面白いと思うものがあるとひとりでそちらに行く。写真を撮るときもどこへ行けば思うように撮れるかにばかり気持ちが行く。周りの人がどう動くかには意識が行かない。

そして、体力がない。
ない体力の一部を団体で動くために消費して、さらに動きが鈍くなる。

すべてとは言わないが、この多くが、ASDの特質に関わっているように思われた。

考えられる対策

まず、経験を積む。私に今後海外旅行の機会があるかどうかわからないが、経験による知識があれば準備はしやすい。
可能な限り体力をつける。これも年齢とともに難しくなっていくが、衰えを防ぐことはある程度できる。
英語をもっと学ぶ。標識が読めたり、英語が聞き取れたりすれば、その場の情報が増える。

できないことを認める

ASDの私の特質である「動作が遅い」「一つのことしかできない」「人の動きに意識が行かない」は、努力しても改善しにくい。これを苦にするとストレスが増えて旅行を楽しめなくなるのではないかと思う。
できないことは「できない」と認めてしまうほうが、むしろよいのではないかと思った。

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