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60代ASD、初の海外(トルコ)に挑む(11) エフェソス遺跡2


エフェソス博物館


エフェソスはかなり前から調査が進んでいるので、出土品もたくさんあり、博物館ができている。
その展示物の中で最も有名なのが、前回触れた「アルテミス像」だ。これは複数回作られたようで、博物館にも2点展示されていた。

大アルテミス像。不思議な姿をしている。
もう一つの「美しきアルテミス」と呼ばれているらしい像

「アルテミス」と聞くと私たちは「処女神」「弓を持ち、足をむき出しにして野山を駆け巡る」という姿をつい連想してしまう

が、このアルテミスは豊穣をつかさどる神と言われているようにたくさんのものを身に着けている。
胸にたくさんある類球形のものは、卵とか乳房とも言われてきたが、近年は(供物である)牛の睾丸とも言われているようだ。下半身には人物のレリーフが並び、この地域に古くからある大女神キュベレー信仰とのつながりがあるようにも見える。

多数の彫刻・レリーフ

これ以外にもたくさんの彫刻その他が展示されている。アンカラのアナトリア博物館も素晴らしかったが、ここも1遺跡の博物館とは思えないほどだった。

ゼウス像
デュオニソス像(紀元後2世紀)。「クーロス(青年)」と呼ばれるギリシャ時代の青年像のように右足を少し前に出した姿が美しい。
アルカイック様式(古典期より少し前)の「クーロス」。
戦闘を描いた石棺。石棺のレリーフには素晴らしいものが多い。
いずれかの神殿の破風のように見えるレリーフ。とても力強い。

アルテミス神殿

そして最後に行ったのがアルテミス神殿の遺跡である。

たった1本の柱だけが復元されている。
博物館にあったアルテミス神殿の復元模型。

おそらく周辺諸都市中でも群を抜いて壮麗であったに違いない神殿の、ただ1本の柱だけが復元されている様子には、なんとも言いようのない悲しみを感じた。

ベルガマ

ほかにもマニサ・アクヒサールといった遺跡も見る予定だったようだが、現地の状況等で省略。途中で革製品の店などに立ち寄りながら(こういうツアーではよくあることのようだ)本日の宿泊地、ベルガマへ。

ベルガマのホテルの洗面所には栓があった。連泊もするので、ここで下着などを洗い、最後までの分を確保できた。
また、このホテルにはランドリーサービスもあったので、ずっと着てきて埃で汚れているだろう上着とズボンを出すことができた。

連泊もここが最後。この旅もいよいよ終盤になってくる。体力はだいぶ戻ってきたように思われた。

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