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AIと迷惑メール:不完全な日本語

ときどきメールボックスの「迷惑メール(Junk mail)フォルダ」をチェックする。迷惑メールでないメッセージが間違って「迷惑メール」フォルダに入ることがあるからだ。

ほとんどの迷惑メールは、本文を読むまでもなく、件名を見ただけでわかる。取引をしたこともない銀行名で「〇〇銀行が不正利用を検知」とか「口座利用を停止」とか脅されても、怖くもなんともない。使ったこともないアプリ名で、「情報を更新」と知らされても、勝手にどうぞと思ってしまう。わざとらしく、【緊急】とか【重要】と入れられても、よりうさん臭さが増すだけだと思う。

件名だけでは判断できないものは、しかたなく本文を見ることになる。ただし、添付ファイルがある場合やリンクが含まれている場合は、決して開かない。メールの本文を開いただけで感染するウィルスがあるのは知っているが、ここは最新のアンチウィルス/スパムソフトの機能を信じるしかない。

本文にざっと目を通してみる。最初の1,2行を読んだだけで、「なんか日本語がおかしい」と感じてしまう。普通の日本語の文脈では「あなた」とはあまり言わない。「てにをは」がおかしいのは、うっかりミスもあり得るので目をつぶるとしても、係り結びまで崩れてしまっていては、もはやこの文章を書いたのは日本語ネイティブではないことがすぐばれてしまう。

これらのメールはおそらく、日本語ネイティブでない人がAI翻訳ソフトなどを用いて作成しているのだろう。

かつてはもう少し手の込んだ、読む側がうっかり騙されてしまうような文章を迷惑メール送信者が頭を絞って考えていたような気がする。今では粗製濫造ということか。

その手の人がこのエッセイを読むはずはないと思うのであえて書くが、最新の生成型AIは文章の校閲もしっかりやってくれるので、本気で人を騙したいなら、もう少し文章力を上げた方がいいと思う。


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