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“議長” にもいろいろ

“議長” を英語にすると、まず思い浮かぶのは “chairman” だろうか。近年では、性差を感じさせるこの語を嫌い、”chairperson” や “chair” を使うのが標準的になっているかもしれない。

“chair” というのはもちろん「椅子」のことだ。会議の進行を促し、結論を導く役割として権威をもって議長席の椅子に座る人ということなのだろう。

なぜ、議長のことが気になったかというと、先日の米国下院で議長がなかなか決まらないという英語ニュースを聞いたからだ。日本語のニュースではもちろん「(下院)議長」だが、英語では “chair(person)” ではなく “speaker” だ。正式には、”Speaker of the United States House of Representatives” になる。

議長席に座って会議を仕切る役割はいっしょなのに、”speaker” と言われると、単に「話をする人」に聞こえるので、何となく威厳がないように感じてしまう。このあたりはネイティブの人に語感を解説してもらいたいものだ。

ちなみに、同じ米国でも、上院議長は “president” になる。正式には “President of the United States Senate” だ。あれ? ”president” だったら「大統領」と一緒ではないか。文脈でどちらを指すかはっきりしている場合は “president” だけでもよいが、混乱しそうなときは、正式名称でいうか、名前を入れて呼ぶのだろう。

制度上、米国の上院議長は米国副大統領が兼ねることになっている。副大統領は英語で “Vice President” だ。つまり、同じ人が “president” であり、同時に “vice president” ということになる。

なんだか頭が混乱してきた。

微妙に似ているようで意味が異なる語に ”master of ceremonies”がある。日本語では「司会者」とか「進行役」にあたる。コンサートやライブなどで演奏者が演奏の合間にやる話のことをMCというが、これは ”master of ceremonies” の頭文字をとったもの。本来の意味とはちょっとずれてきているように思うが、人によってはこのMCを楽しみにコンサートやライブに足を運ぶ人もいると思う。

会議によっては、司会者がいて、それとは別に議長がいる場合がある。実のある会議にするには、それぞれの役割を自覚して、その役割を逸脱しないよう運営することが必要だろう。議長が、単なる進行役やMCになってしまっては、中身のない会議になってしまう。MCが議長を兼ねてしまうようになれば、もはや会議とも呼べないだろう。

ひどい会議だと、議長が会議の参加者に自分の考えを “申し渡し” て、形式的に追認させるための場になっている。そういった会議では、参加者が自分の意見を言ったり異論を唱えたりすると、「わきまえない人」だと議長が苦言を呈することになるのだろう。

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