見出し画像

旅のコスパ再検証~2023年旅費総決算並びに今後の展望~

初めて海外旅行をしたのが1998年のこと。
それから25年、隙あらば海外に出かけ、
仕事で海外に住んでいたときでさえも
休暇中は居住国外へ旅行しに行っていた。

なんなんだろう、私は。
一か所に落ち着いていられない性分なのか。

ユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史』を
読んだあと、感じるものがあった。
何十万年も前からよりよい生活環境を求めて
新天地へ移動し続けていった現人類の祖先に、
自分の行動形態の根源を垣間見た気がしたのだ。

どうも私が異常なまでに旅行を好むのは
遠い祖先のDNAの特性が顕著に現れているからだろう。

同じような遺伝子をもつはずの私のきょうだいは
さほど旅行には関心がなさそうなのだが
おいしいものを追求する情熱は
私とは比較にならないほど強い。
顕著に現れている特性が私と違うだけだ。

私のDNAは1998年のソウルで覚醒した(中二病的表現)。
そこでの体験経験が、その後25年も海外旅行を
続けるきっかけや動機になったのだ。

バスケットボールのピボットをイメージしてほしい。
片足を軸にして動かさず(ピボットフット)、
もう片方の足は自由に動かしていい(フリーフット)
というコンパスのようなあの動きだ。

海外旅行における私のピボットフットは「安さ」だ。

そして「安さ」という軸足に対してのもう片足は
「日本との違い」だ。
人が違う、言葉が違う、文化が違う、歴史が違う、
風景が違う、習慣が違う、気候が違う、宗教が違う。

韓国に行ったら、小さな子どもまで韓国語を話しているし
看板はハングルだらけだし、車は右側通行だし
女性のヘアアクセサリー装着率が高いし、トイレ汚いし
日本との違いを逐一発見しては喜んだ。

そしてそれ以降もいろんな国を訪れては
声が違う 年が違う 夢が違う ほくろが違う
ごめんね 去年の人とまた比べている♪
と百恵ちゃんのイミテイションゴールドを歌い
フリーフットを動かしては好奇心を満たし続けた。

私が旅を飽きずに続けてきたのは
これらの両軸が根源にあるからだと思う。


しかし25年が過ぎ、どうも最近
旅行から得る充足感のようなものが
減ってきている気がしている。

超円安の2023年にパキスタンに行ったら
物価は安いし洋服の人が少なくて珍しいしで
総じてエキサイティングだったのだが
(旅行者としては精神的に半殺しされるのだが)
払った旅費の分だけ満たされたのだろうか?

旅はプライスレスなど言ってられない。
日本は弱肉強食の資本主義経済社会だ。
コスパだコスパ。ついでにタイパ。
ここで改めて旅のコスパを再検証しようじゃないか。

2023年旅費総決算の時は来た。
私は今年どれぐらい旅行に費やしたのだろう。
2023年は海外旅行3回、国内旅行1回、いずれも一人旅。
主な旅行先はインド・パキスタン・マレーシア。
ついでにUAEとか韓国とかシンガポールにも行った。

全ておこづかい帳をつけてきたので
それをもとに改めて総額を算出してみた。

1.交通費 235,421円

内訳
航空券   189,354円
その他     46,067円

マイレージの特典航空券を2回(7区間)発券し
利用してもなおこの金額の高さ。
航空券で19万近くも使っていたのか。改めてびっくり。

積極的にLCCも使用して節約したのだが、
1年間で全部で29区間の航空券を発券したので
(体調不良により搭乗前に放棄した区間も一応計上)
そりゃあ積もり積もってこの金額になるよな。

その他は電車やバス、タクシーといったもの。
自宅から空港までの交通費も計上している。

海外、特に物価の安い国と比較してしまうと
日本国内の交通費の割高感が否めない。
清潔で安全で時間にかなり正確なのは
大変素晴らしいことなのだが。

2.宿泊費 181,096円

外国はだいたいルームチャージ→
1人あたりではなく1部屋あたりの料金
なので、一人旅の場合は宿泊費が地味に痛い。

それでも私はドミトリー(相部屋)嫌い。
誰か他人の発する音やにおいが睡眠を妨げるし
何より寝首をかかれて死んだらどうするんだよ。
だから割高なのを承知の上で個室を確保。

ホテルのポイント等を使って宿泊費の割引や
無料宿泊も何泊かはしたのだが
こうして総額を出すとけっこう高いな。

デリーで倒れてホテルに延泊を断られて
しょうがなく療養のために急いで予約した
近くのやや高級なホテルは1泊8323円だった。

保険適用だと思い、後から保険金をもらえると思ったが
実際は保険適用外だったという結果に終わる。
つまり8323円は勉強代だ。


3.食費 27,894円

誰かと旅行中に食事をするときには
その人にあわせてレストラン等に行くのだが
本心はあまりグルメに関心や執着がないので
一人旅だとレストランにはまず行かず、
大衆食堂とかフードコートといったレベル止まり。

また、インドでは常に食中毒の恐怖がある
(個人的な体質・経験・偏見です)。
ホテルの朝食で一日分の栄養を摂取し、
あとは軽く、といった戦略的食生活だった結果
食費は非常に安く済んだと思う。

4.その他(通信費・イベント費・土産等) 34,136円

日本から何回か海外の私に電話がかかってきたのだが、
その通話料が合計で4400円。請求見てびっくりした。
携帯電話会社やプランによって条件は違うだろうが、
海外での着信は着信側に料金が発生しないものと
都合よく勘違いしていたのが敗因。私が悪い。

あとはeSIMが使えず、急にモバイルWi-Fiを購入したとかが
想定外の出費となったか。


合計 478,547円

超円安の2023年、もし欧米に1週間行って
節約を気にせずあれこれ楽しむとしたら
これぐらいの総支出は覚悟といったところか。
私の場合は主な行先がインド等物価の安い国だったため
3回海外に行ってそれぞれ数週間滞在しても
この総額で済んだと思われる。

だが。

総額48万円をかけた旅はプライスレスで
ワンアンドオンリーなものだったか?
若い時のように、脳汁がドバドバ出る
快感を味わうことができただろうか?

いや。
正直そこまでではなかったと思う。
数値として根拠を提示できないのだが、
冷静に金額と実感を比較しての結論だ。

リフレッシュできたとは思うものの
48万という支出に対しての満足感は
得られなかったと思う。
48万払うのなら、もっと満足度が
あってほしいと思ってしまう。

そこで来年に向けて二択。

案1.支出を増やして満足度が上がることを期待
案2.支出を減らして満足度が下がることを覚悟

案1だと、飛行機アッパークラスでホテルは高級5つ星、
地上移動はタクシーで食事はファインダイニングで。
といった具合だろうか。

だがもしこのように湯水のように金を出したところで
あまり旅の満足度が上がらなかったら?
旅費に比例して満足度が上がるとは誰も保証していない。

これは賭けだ。賭けに勝てばいいのだが、
賭けに負けたときの経済的損失や
クレジットカードの請求額からくる
精神的ダメージは破壊力抜群だ。

一方案2で旅費を削りまくると、当然不快指数が高くなり
旅の満足度が下がると思われる。
ただ、もしかしてこれも賭けかもしれない。
旅費を削ったのにあまり満足度が下がらなかったら
それって一周回ってコスパよしってことか?
予想通り満足度が下がったとしても経済的損失等
被ダメージは少ないだろうから、一応は納得できる。

だったら案2の旅費削減に賭けてみようじゃないか。
高倍率の井森美幸にベットするのは怖いので
ここは安定の竹下景子にベット。
若者よ、クイズダービーって知ってるかい?

今後の展望

では、旅費をより圧縮するために
2024年は何に気を付けてどうすべきか戦略を練る。

国内旅行

2023年現在インバウンド絶好調で
国内ホテルの値段上昇が激しい。
ガソリン代も高止まりしているし、
高速道路料金がこんなに高い国を私は知らない。
よって宿泊を伴う車での旅は割高感が強い。

かといって新幹線も安いとは思えない。
青春18きっぷはかなり割安だが
長時間乗車は腰的にきついので却下。

よって国内でどこかに行くとしたら
LCCか大手航空会社のセール運賃利用。
泊数は少なめ、といった具合だろうか。
短期決戦の過密スケジュールで攻めていきたい。

また、有名観光地は外国人を含めて
観光客で溢れかえってカオス状態なので
マイナーな場所を狙いたい。

あと、ばらまき系土産ってなんとなく
惰性で配って惰性でもらってる気がする。
スーパーで売っている菓子の何倍もの値段の
土産菓子を職場で配っても「あーどうもー」と
表面的で薄い感謝をされて終わる現状だ。

千歳で買った白い恋人(1枚あたり約80円)を配っても
近所で買ったブルボンの大袋アルフォート(1枚あたり約13円)
を配っても、相手が同じ反応なら義理土産はコスパ最悪だ。
よって八ツ橋とかもみじ饅頭とかちんすこうとかの義理土産は
今後はもう買わないことに決定。経費削減。


海外旅行

昨今は世界的なインフレーション並びに
超円安というダブルパンチのため
海外旅行にかかる費用が高いのなんのって。

2023年は旅費の削減案を実行してきたが↓

2024年は野党から更なる予算削減が追求されている
(脳内の国会で勝手に求めているだけだが)。

そこで脳内内閣が考え出した政策は
インフレと円安のダブルパンチを
せめて片方のパンチだけにするということ。
攻撃力を半減させるのだ。

海外のインフレは主権が及ばないため
内閣としては打つ手がない。
従ってインフレのパンチだけは
甘んじて受け入れることにする。

しかし、円安のパンチには反抗する。
その策は、円と同様に下落している通貨を探して
その通貨を使用している国に行くことだ。
その通貨に対しては円安ではないのだから
理論上ノーダメージでノーカロリーだ。

ということで、円と同じように、
もしくは円以上に価値が下落している通貨を探した。

コロナ前である5年前の円と比較して

ラオス(キープ) -45%
スリランカ(ルピー) -30%
パキスタン(ルピー) -40%
エジプト(ポンド) -25%
エチオピア(ブル) -35%
シリア(ポンド) -95%
レバノン(ポンド) -85%
トルコ(リラ) -75%
アルゼンチン(ペソ) -95%

これらの国に行けば、宿泊費や交通費、食費等
現地通貨で支払う諸費用は削減できる。はず。

ただしインフレ進行が通貨安をしのぐほど激しかったら
結局円換算したときの出費は増えてしまう。
ダブルパンチをシングルパンチに抑えたはずなのに
そのシングルパンチがまさかのクリティカルヒットで
痛恨の一撃と化す状態だ。恐ろしい。

なので、事前に現地の物価の最新情報をよく調べて
渡航計画を・・・

って本末転倒ですな。
旅行は行きたい場所に行くものだ。
見たいものを見に行くものだ。
食べたい物・・・はどうでもいいが
(私はご当地グルメにほぼ興味がない)。

出費がかさむことを恐れて行先を制限したり
あれこれ我慢しすぎて不快な思いを増やしたり
安全性を蔑ろにするぐらいだったら
いっそ旅行の回数や日数を減らせば
質を保ったまま費用は削減できるという
根本的な事実に、ここで初めて気が付いた。
誰か早く言ってくれ。

2024年の戦略

旅行の回数や日数を減らす(つもり)

ただし円高がガンガン進んだら話は別で。



ま、マッチングアプリで「趣味は旅行」と
プロフィールにある人は地雷、という話です。

そりゃそうだ。私も自分のたかが趣味のために
年間48万も使っているのだから、
日本人の平均所得程度の大勢から見たら
地雷認定されて当然だろう。

マッチングアプリを使っている人はそもそも地雷。
という噂も耳にするで、地雷呼ばわりは
旅行だけが原因じゃないかもしれない。
とにかくYouTubeの広告がしつこすぎて運営が地雷。










この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?