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ケビン・ハーターとNo. 3

こんばんは。パコラです。

朝の人もいるかも知れないので念のため、おはようございます。

前回、Hawksの話をしていたら一つ思い出したことがあったので、備忘録がてらnoteにまとめました。ここ以外にも同じ題材の記事はあったので「この人の文章、うざったいんだよなあ…」と思ったらそっちを見てください。今回の主人公はHawksのヤングコアの一人、ケビン・ハーター君です。

ケビン・ハーターは2018年のドラフト1巡目19位でHawksから指名されてNBAデビューを果たしたメリーランド大学出身のシューターです。ちょうどトレイ・ヤングと同じ年のドラフトでNBA入りしたので「同期」ということになります。

僕が最初にハーターを知ったのは、2018年ドラフトの候補生たちを調べていた時期でした。ちなみにその年のドラフトは我がPistonsはグリフィン獲得の対価として1順目指名権をほとんど失っていた時期なので、特にこだわって「新入生たち」を探していたわけではありませんでした。

そんな中で、やはり一際注目を集めていたヤング、欧州の魔術師ドンチッチ、ロマンと才能の巨体エイトンなどがドラフトエントリーしていたため、あまり目立った方ではなく「今年一番のピュア・シューター」以外の評価はあまり目に付きませんでした。まぁ、その「ピュア・シューター」もウィチタ州立大学(ショッカーズ!!)のシャメットがいたので微妙だったんだけどね。

なんでこの時点で僕がハーターを覚えていたかって、理由は一つです。

「ケビン・ハートの比較級みたいな名前のやつがいる」

はい、本当にこれだけの理由です。多分この時期に映画「ジュマンジ・ウェルカム・トゥ・ジャングル」を観に行った気がするので、本当にそれだけの理由です。

何が言いたいかって、ケビン・ハーターのドラフト時点の日本での知名度なんてそんなものだった、てことです。

では話が少し進んで、そんなハーター君のデビューイヤーとなった2018-2019シーズン。そのシーズンは同時にドウェイン・ウェイドのラスト・ダンスのシーズンでした。

この時、ウェイドはかくチームとの対戦後、旧知の仲のプレイヤーや友人たちと「ジャージ・スワップ」を毎試合行ったことを覚えている人も多いと思います。

サッカーなどではよく見かける両チーム間でのジャージ交換ですが、バスケットボールでは珍しく、おそらくアメリカ4大スポーツでもほとんど見かけなかったことだと思います。

このウェイドの始めた「ジャージ・スワップ」は流行に敏感なNBAプレイヤーたちの感性をつかみ、ちょっとしたブームになりました。引退する選手だけでなく、当時Grizzliesに所属していた渡邊雄太とWizzardsの八村塁もNBA初の日本人対決の記念としてジャージ・スワップをしていました。

そんなウェイドのジャージ・スワップの相手は盟友レブロン・ジェームス、クリス・ポール、愛弟子のジミー・バトラー、Finalで2度の激戦を繰り広げたノヴィツキー、また、幼少期からウェイドのファンだったというテリー・ロジアーや同じウェイドのシグネチャーモデルであるLi-Ningのシューズを愛用するグレン・ロビンソンIII世などのメンバーでした。

実はケビン・ハーターは大のウェイド・ファンで、Hawksmで着用する3番の背番号もウェイドをあやかって選んだものでした。

NBAに限らず、幼少期からの憧れの選手との対戦はあらゆるスポーツ選手にとって夢のような一時だと言います。

そんな中で迎えたHeat戦、ハーターはスターターとして試合に出場すると憧れのウェイドの前で3本の3Pを含む13得点をあげる活躍。当のウェイドはこの日絶好調。ベンチから23得点をあげる大活躍でHeatを1点差の勝利に導きました。この時期、HeatはPO出場をかけて一つも落とせない時期だったので、おそらく「本気」のウェイドでした。

試合後、ウェイドがHawksの面々と挨拶していく中、ハーターの番が回ってきました。ハーターにとっては、一言「昔からの、あなたのファンです」と伝えられれば、それで十分と思っていたかもしれません。

しかし、先に話かけてきたのはウェイドの方でした。

「その3番、俺なんだろ」

本当にそう言ったかはもちろんわかりませんが、ハーターは後のインタビューでサプライズだったと答えているので、それは驚いたことでしょう。

少し話した後、恒例のジャージ・スワップへ。少し緊張気味のハーターと新しい後継者の「No. 3」を手に持つウェイド。

幼少期にウェイドに憧れていた少年が、本人に認められた瞬間でした。

「3番の選手は繋がってるからね」

ウェイドから受け継いだNo. 3を背負ったルーキーは今シーズンのPOでウェウィドの後継者に恥じない活躍を見せ、Hawksのヤング・コアの一角としてなくてはならない存在となりました。

スラッシヤー・タイプのウェイドに憧れて3番を選んだシューターのハーター。違うようで、ウェイドと同じように、たとえ逆境でもチームを救うような大活躍を、ウェイドの魂を受け継ぐプレイを、また来シーズンも楽しみにしているよ。

ちなみに熱心なクリスチャンであるウェイドの「3番」は「三位一体」(Trinity)から取られているらしい。なんだかとっても格好いい。



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