「アチェルビスか?アチャルビスか?」続編
これは先日書いた記事のつづきです。
先日の記事はこちら↓
まずは、いただいた反応をご紹介します。
アサイノギス!!!!!!!!!!!!!!
アサイノギスが出てきたら、アチャルビスもアチェルビスもアシャルビスも、大した違いはありませんね!解散!
(いいえ、つづきます。)
おそらくバイクショップが「ACERBIS」表記でオーダーして、問屋さんが苦心して解読。結果、アサイノギスになったのでしょう。
商品は型番で管理するので、正しいオーダーが通ったと思いますけども。
それにしてもアサイノギス・・・・・・・J1氏のリプを拝見した瞬間、「これは続編を書かなければ!」という使命感に駆られました。浅井ノギスを皆さんに見せたい一心で。(こういうの好物なんです。)
そうなんですよねえ。
第一、日本語一つとりましても、方言があるので人によって発音が異なります。そういうのを挙げていくとキリがないので、表記文字にまとめる意義は、それはそれであるんですが。
なぜって、まとめないと最終的に意思疎通ができなくなります。バベルの塔状態。
ほら、これですよ、これ。↓
これ、表現が異なる相手と何度ブツの説明をし合ったことか(苦笑)
チューブリス、チューブレス、タブリス、タブレス、でなになに、ツブリスってのもあるんですか?!
そも、表記は変遷するものです。
たとえば、2年前から「キーウ」と表記されるようになったウクライナの首都。あれ、戦争前は「キエフ」と書かれていました。私なんぞは「キーウ」という読み方を知ったの、戦争が始まってからですよ。
この先、今の子供達は、キエフ表記のほうに違和感を感じるようになるんでしょうね。
読み方が変わったのかといえば、さにあらず。ロシア語読みをウクライナ読みにしただけです。ka-c氏のポストにあった「ミヒャエルなのかミハエルなのかミカエルなのかマイケルなのか」に倣うなら、「イヴァンなのかイヴァーンコなのか」という話に過ぎません。
(ここでは読み方について言及しています。そのバックグラウンドを軽視するつもりはありません。)
※新聞記事はリンクが切れがちなので、念のため最後に記事のコピペを貼っておきます。
ウクライナ戦争が始まってほどなく、メディアは首都の表記をキエフからキーフに変更しました。「侵略したロシアの言葉でウクライナの首都を呼ぶのが気に入らない」って話なんでしょう。2022年になって外務省もウクライナ政府と表記変更の調整に入り、今ではキエフという表現をすっかり聞かなくなりました。
日本語と比べたら、ウクライナ語とロシア語は、「きつい方言」くらいの相似性があると思います(私は言語学者ではないので、これは比喩的に言ってます。)
例は政治的な要因で表記が変わった例ですが、呼称が変わると意思疎通が取りにくくなるので、周知のため、こうしてわざわざ記事にするわけです。(タブリスじゃなくてチューブリスにしますよ、的アナウンスですね。それがないから皆さん迷走してるわけで・・・)
外国語を日本語に置き換える話。これは昔から皆さん苦労してるんです。
ほら、江戸時代もこんなふうにカナ表記で頑張っていました。↓
なので、今私たちが「アチェルビスか?アチャルビスか?」と気になるのも当然の結果ですね。
そして、最後に略称の問題を書いておきます。
これこれ!
前の記事に書かなかったんですが、これ、気になってたんですよ。
最近は「アチェ」と略すんですよ。
昔は「アチャル」と略してました。
口に出してみると分かっていただけると思いますが、「アチェル」より「アチャル」のほうが言いやすいんです。私が「アチャルビス」と記憶していたのは、この略し方に起因しています。
そして、最近「アチェ」と(更に短く)略すようになったのは、「アチェル」だと言いにくいから、だと思うんですよねえ。
「本当にアチャルなんて言ってたの?」と疑問な若い世代に、いい例があったのでご紹介しておきます。
(以下、引用)
CRFのハンドル廻りがアッサリしているので、ハンドガードを付けようと思って、
①アチャルのエンドまでカバーしている(長い)ものを購入。
②エンドの貫通改修&グリップ交換。(写真1&2)
③しかし、ハンドガードがフィットしない!!
④仕方なくバーエンド取り付け(POSH)コレはこれでまぁ良い。(写真3)
⑤懲りずに、アチャルの短いタイプを購入。
⑥グリップとレバーブラケットの間に入れたがレバーが握れす。
⑦ちょっと内側寄りになったけど、これで様子見~(メイン写真)
※たかだかハンドガードでこんなに手こずるとは・・・
(引用おわり)
(以下、コメント欄より引用)
うなぎさん>
あれ?アチャルのタンクですよね?某代編さんから帰って来なかったとか?
KTMだと、タンクにステーがついてないそうですけど、これから出るかは「?」ですねぇ…。
(引用おわり)
以下、追記挿入します。
ka-c氏の証言が得られたので、もう一つ「アチャル」例を載せておきます。
追記おわり。
(ka‐cさん、ありがとうございます)
1回目の記事で、私が、
「もしかしたら、当時の輸入元(大阪の岡崎商店でした)が「アチャルビス」を公式にしていたのかもしれません。」
と書いたのは、こういう理由からでした。
つまり、(雑誌か輸入元か)起源がわからないけれど、「アチャルビス」という表記は正式に出回っていました。だから私たち(古い世代)は「アチャル」という略し方をしていたんです。
今は輸入元が「アチェルビス」と正式に書いているし、メディアもそれに準じています。それで若者は「アチェ」と略すようになりました。
なぜアチャルビス時代に「アチャ」にしなかったのか?
なぜアチェルビス世代は「アチェル」と略さないのか?
「アチャ」も「アチェル」も、なんとなく選ばれない感、ありませんか?
この感覚、日本語話者なら伝わるかと思いますが、いかがでしょう?
最後は余談で。
アチェ
私はそれを聞くたび、インドネシアを連想してしまいます。なので、口では「アチェ」と言っていても、心の声はやっぱり「アチャル」なんですよねえ。
(以下は上で紹介した新聞記事の引用です。保険で残しただけなので、お読みいただかなくて結構です。)
政府はウクライナの首都キエフの表記について、現在のロシア語の発音に基づく「キエフ」からウクライナ語の発音に基づく「キーウ」に変更する方針を固めた。外務省がウクライナ政府と調整を始めた。政府関係者が明らかにした。
「在外公館の名称・位置・給与に関する法律」では、在ウクライナ日本大使館の位置と、その地名を「キエフ」と定めている。法改正については名称変更を正式に決めた後、検討する。ただ、「チェルノブイリ」などの地名はロシア語表記のままとするという。
現在、日本国内で広く使われている「キエフ(Kiev)」は、ロシア語の発音に由来する。一方、ウクライナ語は「Kyiv」とつづり、発音は「キーウ」に近い。海外では英紙などでキーウに変更する動きが出ており、国内でも自民党などから変更を求める声が上がっていた。
岸信夫防衛相は29日の会見で、防衛省が作成する資料については「キーウ」を併記する考えを表明。林芳正外相は同日、「いかなる表記や呼称を用いるのが適切か、同国政府との調整も含めて検討している」と述べていた。(相原亮)
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