座右の銘というか、フリーランスになって7年間の中で助けられてきたルールがいくつかある。

例えば「嫌な仕事はやんわり断る（なぁなぁで請けない）」とか「ミスをしたら誠意を持ってすぐ謝る、すぐ対応策を示す（ミスは隠さない）」とか「本気で困ったら降りるの覚悟で決裁者に直談判する（腹を括る）」とかね。

そんなルールの中に「迷ったらしんどい方を選ぶ」っていうのがある。

単純な話なのだけれど、フリーランスになると上司とか所属する組織がとかがないから、何かと判断や決断を自分自身でしないといけない。

そして、だいたいの物事っていうのは決断を遅れさせるほどに選択肢は狭くなり、状況はだいたい悪く不利になる。おまけに決断には結構な精神的エネルギーを使うから、つい後回しにしがち。

そうなんだよ、早く決断できる＝時間を作れるっていうのはかなり重要なんだよ。

だから、何か選択に迷った時にはしんどそうな方、リスクのある方をとるようにしている。

一つだけ注意。リスクをとるといっても、無茶なスケジュールや無謀な予算に命がけで挑むとかはしない。夢のあるリスク、ワクワクするけどスリルも感じる方を選ぶって話だ。

Fail fast = すばやく転んで起き上がる

プログラミングや開発の現場なんかでよく言われているFail Fastという言葉がある。

要するにFail（失敗）をFast（すばやく）しろって事なのだけれど、単純に理解するならPDCAのサイクルを高速で回せって事なんだと思う。

これは色々なことに当てはまるのだけれど、完璧な100点満点の仕事をいきなり目指すよりも、まずはとりあえず70点〜80点までラフに仕上げてそこから100点を目指した方が精度が高いモノができやすいらしい。（たしか、きちんとエビデンスがあった気がする）

失敗前提で動くのがいいとは思わないのだけれど、失敗しないように仕事を進めていたって何かしらの小さなミスは絶対に出てくる。

そもそも何かを始めない限りは失敗もしないけれど、何もしなくても歳はとるし緩やかに死んでいくだけだ。

今まで数百件の設計をしてきた中で、ケアレスミスすら1回もない完璧な仕事＝設計も施工も全てが順調、なんて仕事は一度もなかった。もしもあったとしたら、それはそれで相当に退屈で誰でもクリアできる難易度の仕事だろう。

だから、早めに失敗することでリカバリーの時間を作って精度を高めて行くという方法は色々な局面で有効なんだと思う。

しんどい方ならたとえミスっても成長できる

もしも何か選択を迫られる時が来たら、しんどい方を選ぼう。

進路A「試験があって入るのも大変そうだけど卒業生の評価が高い学校」

進路B「お金さえ積めば誰でも入れる卒業生に活躍している人が少ない学校」

この場合は迷わずA。もしもAに入れなくても、Aを目指して磨いたものは残る。

就職A「新卒誰でもウェルカム、試験もナシでサクッと入れる会社」

就職B「インターン必須で面接から試験までみっちり、でも良さそうな会社」

この場合はBだ。Bにチャレンジしてダメだった時にAにいけばいい。

大抵の場合はしんどい方を選んで失敗しても、そこでのチャレンジした経験が残る。経験は誰にも奪われない自分自身の財産だ。それがたとえ失敗の経験だとしても。

会える時に会う、行ける時に行く

さて、僕の場合はどうだろうか。。。

今やっている吉祥寺プロジェクト、一緒にやる陶芸家の友人が阿蘇の友人の登り窯に3週間ほど作陶に行くらしい。実は以前に熊本のSLOWGELATOというお店を作った時に家族づれで熊本ツアーをして阿蘇でもたいへんお世話になった。

ここで行くべきか、それとも仕事も忙しいし娘も新学期だし今回はちょっと〜・・・って見合わせるべきか。

A「何かと忙しいし今回はパスしておく」

B「スケジュールきつめだけど弾丸出張で家族連れで行っちゃう」

もうわかったと思う。今回はBを選んだ。

Aならコストは0円。いつもと変わらない日常で仕事を回せばいい。リスクはない。

Bだと飛行機往復が家族4人で12万円近い。これにレンタカーとか食費もろもろで多分20万円近い出費だ。安くはない。前後でトータル5日はもろもろの他の仕事が止まる。

しかも4歳と1歳の娘も同行になれば間違いなく道中は大変だ。

おまけに帰京した翌日が僕ら夫婦にとって大切な友人の結婚式だ。

でも、妻と話しあう中で「会える人には会える時に会っておこう。行けるところは行ける時に行っておこう。」という結論になった。

そんな訳で、4月の中旬に弾丸2泊3日で熊本阿蘇ツアーへ行ってきます。前後で5日間ほとんど仕事が止まるので、今日から巻きで色々進めて準備しなけりゃいかん。。。

まぁ、いいや。適度な負荷があってこそ成長できるはずだ。しんどいルート選んでがんばろう。また白髪が増えちゃうかもしれないけど。