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ロック、サウナ、サッカー。 サ旅(サウナ旅、サッカー旅)を愛す。

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モダン・ライフ・イズ・ラビッシュ!!BLURのアルバム・ランキングとレビュー

ブラーは、マンチェスタームーブメントの末端からデビューし、60年代から90年代までのUKロックの歴史を包括した「LIFE三部作」でブリットポップの中心としてシーンで輝きました。その後、USオルタナ志向が強まった傑作「BLUR」、外部のプロデューサーの力を借りデーモンの個性が強く出た2枚を発表し解散。解散後も何度か再結成しツアーを行い、ファンへの手紙のような2作(結構な力作)を届けてくれています。 個人的には、高校、大学の多感な時期に「LIFE三部作」がリリースされたこともあ

    • Blur – Leisure

      91年発表の1stアルバム。デーモン・アルバーンは68年生まれなので、当時23歳ぐらい。 ブームのピークを迎えたマンチェスタームーヴメント(ムーブメントの中心にいたプライマルがスクリーマデリカを発表)とシューゲイザー(マイブラがラブレスを発表)の間の子のようなサウンドで、バンド名通り、はっきりしない曖昧な感じのプロダクションだ。メロディ的には、今に至るフック満載のデーモン節を聴くことができる。ただ、マンチェをなぞるもグルーヴの無いリズムと、この時点では無個性なグレアムのギタ

      • PCオーディオ、いろいろ試したが結局20年ぐらい前に買ったオンキョー WAVIO USBデジタルオーディオプロセッサー SE-U55とコンポを光ケーブルで繋ぐ形に落ち着いた。凄く柔らかい音。普段聴いている音楽が新しい!

        • 稀代のモッズバンド、スモール・フェイセスのアルバムレビュー、おすすめ紹介

          彗星の如く駆け抜けた若きモッズバンドスモール・フェイセスは、子役で歌手経験もあったスティーヴ・マリオットと、マリオットが楽器屋でバイトをしているときに知り合ったロニー・レインを中心に、1965年ロンドンで結成された。マリオットは1947年生まれなので、生きていれば77歳(2024年時点)。60年代ミュージシャンとして一括りにされることが多いが、ジョン・レノンが1940年生まれなので、小学校が被らない、ひとつ下の世代といえる。同級生はデヴィッド・ボウイ、マーク・ボラン、ブライ

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        記事

          年齢別アルバム ポール・ウェラーのキャリアと変化

          みうらじゅん氏は「ディランのアルバムは自分の年齢と同じ作品を聴け、味わい深いから」と「ディランがロック」の中で語っていた。当時のディランの考えや迷いが理解しやすくなると。 長いキャリアを誇るポール・ウェラーにも同じやり方が有効だと思い、まとめてみた。 ソロデビューが33歳。スタンリーロード期でも37歳だ。この時期「モッドファーザ」とか「兄貴」とか言われて大ベテランの佇まいだったが、会社だとまだ課長前ぐらいの年齢だ。ジャムでのデビューが10代だったからな・・・。ジャム、スタカ

          年齢別アルバム ポール・ウェラーのキャリアと変化

          ポール・ウェラー、アルバムランキング

          ソロ16作のレビューを終えて、自分の尺度でアルバム順位付けしてみた。 ウェラーの30年超のソロの歴史は、関わった主なプロデューサーにより、大枠で3期にわけられる。ブレンダン・リンチ期、サイモン・ダイン期、ジャン・スタン・カイバート期だ。 サイモン・ダイン期に個人的にはウェラーから一時離れたが、UK界隈で最も評価が高いのはこの時期だったりしてよくわからない。 自分のやりたいことと作品の完成度が高いレベルで重なっているのは、アラ60期の作品だと思う。ブレンダン・リンチ期には無い

          ポール・ウェラー、アルバムランキング

          ロキノンは、昔の批評性が失われ、単なる商業誌に転落し、これが洋楽低迷の大きな要因となっています。編集長を若手に変更しなかった渋谷の判断は痛恨の極みです。絶対病から復活してほしいと思います。

          ロキノンは、昔の批評性が失われ、単なる商業誌に転落し、これが洋楽低迷の大きな要因となっています。編集長を若手に変更しなかった渋谷の判断は痛恨の極みです。絶対病から復活してほしいと思います。

          ロッキングオン。ローリングストーンズの新作が年間ベスト3入り。客観的に見て、作品の質は相当にイマイチだったと感じます。盛り上がりはあったものの、ベスト3は無いかと。

          ロッキングオン。ローリングストーンズの新作が年間ベスト3入り。客観的に見て、作品の質は相当にイマイチだったと感じます。盛り上がりはあったものの、ベスト3は無いかと。

          Paul Weller – Fat Pop

          2021年発表。コロナ禍に作成された。2作連続の全英1位。 長いキャリアの中でも最も丁寧に作られた作品のひとつじゃないか。メロディと、アップデイトされたウェラーサウンドの水準がむちゃくちゃ高い。血潮滾るロックであり、職人的な「ポップ」である。両面において最高峰の作品だ。 プロデュースはウェラーとの相性が非常に良いJan "Stan" Kybert。スタンリーロード期のライブ感あるワイルドなサウンドと比べると、非常に親密で温かい音作りになっていて、これが聴いていると非常にハマ

          Paul Weller – On Sunset

          2020年、コロナ騒動の最中にリリースされたソロ15枚目の作品。 「As Is Now」「Saturns Pattern」など、バランスが取れた傑作で組んだJan Stan Kybertがプロデュースを担当。 達観した爺を演じた前作「True Meanings」と比べ、ウェラーらしいメロディや幅広い音楽性が復活し、ウェラーの歌声も年齢相応の渋さと演歌にならないポップさの二面性を兼ね備えた、キャリア屈指の完成度を誇る優れた作品だ。 スタイル・カウンシル時代の相棒、ミック・タルボ

          ポーグスのシェインと俺

          ポーグスのシェインが亡くなった。 「脳炎で入院し集中治療を受けていたが、退院した」なんて報道があった最中だった。65歳。 ポーグスのライヴは2回観ている。どちらも自分の中でインパクトの強い音楽体験だった。 まず、ナラさんの結婚式の後、20時頃駆けつけた2006年の朝霧JAM。マイケル・フランティのアゲまくる、迫力ある演奏の後、だらだらシェインが出てきたのだが、想定以上にパンクな演奏とテンポの中で、明らかにアルコールが入りまくっているシェインのユルい歌と存在のギャップが激し

          ポーグスのシェインと俺

          Paul Weller – True Meanings

          18年発表。前作から約1年、短いインターバルでリリースされた。 アンプラグドっぽいアレンジで、内省的な曲が多く、ウェラーとしては異色作だ。曲によってはストリングスが絡んだり、ジャジーなナンバーもある。60代となったポール・ウェラー、年齢相応の落ち着きと、渋さを纏った作品だ。UK2位。 「Bowie」はタイトルそのまま、デヴィッド・ボウイに捧げた曲。シンプルな歌詞でボウイに感謝する。なかなかグッとくる優しい歌だ。 個人的にはキャリアの中で最も心を揺さぶられなかった作品のひと

          Paul Weller – True Meanings

          Paul Weller – A Kind Revolution

          2017年発表。ソロ13枚目。英国5位。 前作のセッションで残った2曲「Woo Sé Mama」「One Tear」はジャン・スタン・カイバートの共作で、他のクレジットはウェラーのみ。更に久しぶりにセルフプロデュース。マルチプレイヤーのアンディ・クラフツ(the moons)、ドラムのベン・ゴルドリエらお馴染みのウェラーチームが中心になってプロダクト。 セルフプロデュースの場合、質が落ちるアーティストもいるが(典型的なのがマッカートニー御大)、前作と同等、あるいはそれ以上

          Paul Weller – A Kind Revolution

          Paul Weller – Saturns Pattern

          15年発表のソロ通算12枚目。 ベストアルバムを挟んだこの作品。変化があった。00年代に入ってから出番が多かったサイモン・ダインではなく、「As Is Now」で組んだJan "Stan" KybertとAmorphous Androgynousがウェラーと共にプロデュース。作曲のパートナーも、サイモン・ダインからJan "Stan" Kybertに替わった。 ポール・ウェラーはコラボレイター次第で方向性が替わるチェンジングマン。JAMの他2名、スタカンのタルボット、ソロ

          Paul Weller – Saturns Pattern

          Paul Weller – Sonik Kicks

          2012年発表。全英1位。日本ではメディアに取り上げられることが少なくなったウェラーだが、実はUKチャート上ではアルバムが連続で1位を獲得し90年代以上に成功している。 このアルバムにはブラーのグレアム・コクソン、ノエル・ギャラガー、元ストーンローゼズのアジズ、ショーン・オヘイガンらが参加。プロデュースはウェラーとこの頃の片腕サイモン・ダインで、このコンビのピークといえる作品だ。 2010年から禁酒をスタートしたウェラー。 禁酒が、沈み込むようなサウンドから開放的でアッパ

          Paul Weller – Sonik Kicks

          Paul Weller – Wake Up The Nation

          2010年発表、10枚目のソロアルバム。全英2位。 前作でまたひとつキャリアの頂点を越えたウェラー。成功したスタイルをあっさり捨て去り、長いキャリアの中でも抜群にアグレッシヴなアルバムを完成させた。 元ジャムのベーシスト、ブルース・フォクストンとの共演も話題となった。ELOのベブ、ケビン・シールズらが参加。前作から出番が少なくなったスティーヴ・ホワイトはついに参加していない。これまでのウェラー独特のリズム感が放棄されたのは、このあたりに原因があるのかもしれない。 プロデ

          Paul Weller – Wake Up The Nation