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Google独占禁止法の裁判パート⑨:Google防衛の終盤に近づいている

Googleの独占禁止法の裁判が続く中、Off Topicでは出来るだけ頻繁に裁判の状況についてアップデートします。今回の記事は裁判の34日目〜37日目までの話となります。

出張やイベント運営が重なって少し遅れたアップデートとなります。ちょうど同じタイミングでGoogle vs Epic Gamesの裁判も始まりましたが、基本的にはその裁判の内容についてはこの記事では触れないようにします。今週は引き続きGoogleが自社の防衛のための証言者を複数人呼びました。


Dr. Mark Israelの証言

Googleはエコノミクス周りのエキスパートとしてDr. Mark Israelを証言者として呼んだ。過去のDaily Memoでも記載したように、Dr. Mark Israelは裁判長の過去の独占禁止法に関する裁判に出たことがある。

2015年にアメリカ連邦委員会(FTC)が飲食の卸やディストリビューションするSysco Corpとその競合のUS Foodsの$8.2Bの合併を止めようとした。フード領域ではあったが、市場がジェネラルであるべきかなど今回の裁判と若干似た要素が含まれている。最終的にMehta裁判長は合併を一時的に止めてFTCがより深く調査できるようにして、その影響で合併取引は無しになった。

2015年の裁判での判断で重要だったのは両社が出したエキスパート証言者だった。Mehta裁判長はFTCが出した証言者のDr. Mark Israelのエコノミクス周りの解説が非常に役立ち、Sysco側のエコノミクス周りの証言より遥かに納得できたと語った。それを恐らく知っていたGoogleはDr. Mark IsraelからGoogle側の立ち位置でレポートを今回の裁判に提出し、証言する可能性もある。

Google独占禁止法の裁判パート⑥:Googleの防衛が始まる

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