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Twitter買収から1年。加速するTwitterカルチャーの変化【Off Topic Ep187】

宮武徹郎と草野美木が、アメリカを中心とした最新テクノロジーやスタートアップビジネスの情報を、広く掘り下げながら紹介するPodcast「Off Topic」。このnoteでは、番組のエピソードからトピックをピックアップして再構成したものをお届けする。

今回は「#187 Twitter買収から1年後、結局どうだった?」から、イーロンによって加速する「Twitterカルチャーの変化」について。宮武が“奇跡的”と言及する、他テック企業ではみられないTwitter独自のイノベーションのプロセスとは? そして、近年それがどのように変化しているのかを考えていく。


やはりストレートには進まなかった、Twitter買収劇

Twitterの買収は、2022年4月にイーロン・マスクが同社株式の9%を取得し、社外取締役のオファーを受けてから、さまざまな紆余曲折を経て実行された(イーロンのまわりでは常にこうしたドタバタ劇が繰り広げられているわけだが)。彼は旅行先でTwitter社について考えを巡らせ、社外取締役へのオファーの承諾ではなく、買収という結論にいたる。2022年4月14日、当時のTwitterの時価総額であった約440億ドル(約6.5兆円)で買収をオファー。15日には敵対的買収とみなした同社は防衛策を講じることを発表するも、25日には買収提案を承諾した。そこで一件落着かと思いきや、5月にイーロンは買収を保留にし、7月に買収の撤回を発表。Twitter社は、一方的な買収契約の解除は不当であるとして提訴。イーロンは反訴するも、結果的には最初に提示した約440億ドルでの買収に合意した(10月27日)。このときにも、イーロンは経営メンバーの多額の退職金の支払いを避けるため、買収の日取りを半日早めてずらして「解雇」というかたちをとったという(つまり、退職届を受理する前にクビにした)。

Venngage

Twitter買収後の動きとして最初に話題となったのは大型のレイオフであろう。イーロンは、テスラの自動運転技術にまつわるエンジニアが約150人であるのに対し、Twitterのソフトウェアエンジニアが2500人にものぼるのが不可解で仕方なかったという。それだけの数のソフトウェアエンジニアがいれば、ひとり1日3行のコードを書いたとしても、年間おおよそ300万行のコードを書くことができ、それはOSひとつをつくり上げる規模感である、というのが彼の考えであった。イーロンは最終的に8割以上の従業員を解雇し、大きな反発を招いたのは記憶に新しい。

“ハードコア”カルチャーの混入

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