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Metaが試みるメタバースの共通プロトコル【Off Topic Ep177】

宮武徹郎と草野美木が、アメリカを中心とした最新テクノロジーやスタートアップビジネスの情報を、広く掘り下げながら紹介するPodcast『Off Topic』。このnoteでは、番組のエピソードからトピックをピックアップして再構成したものをお届けする。

Off Topic「#177 Threadsという実証実験?メタが目指す未来」は、#174から4話続いた「Metaシリーズ」の最終回。Metaが築いていくべき次世代インターネット空間の「相互運用性」と「共通プロトコル」とは? Twitter崩壊?のバックラッシュで注目を集める「Threads」に隠されるMetaの意図などを参照しながら、MetaのVR・ARヘッドセット、そしてメタバースのゆくすえを考察する。


「プレゼンス」を実現する、Appleの驚異的な技術

Appleの「VisionPro」が、ユーザーと周囲の世界のフィジカルなインタラクションを起こすための(現在のパソコンをリプレイスする)パーソナルコンピューティングデバイスを指向している一方で、Metaの「Meta Quest」は、ユーザー同士がソーシャルな機能を用いてより広域にデジタルワールドにインタラクションするための、ソーシャルデバイスというポジショニングのもと、ヘッドセットデバイスの戦略をすすめているとみられる。

ユーザー同士がどのように繋がり、世界とインタラクションするかのアプローチが異なる両者であるが、共通して重要視しているとみられるのは「プレゼンス」である。人間が「そこ」に実在していることを体感するには、非常に高い技術的ハードルが存在する、現実世界にデジタル世界を「追加/上乗せ」することを強調しているAppleのVisionProをみれば、それがいかに重要視されているかが特にわかる。

例えば、VisionProの3Dカメラによる空間再現写真と空間再現ビデオによって、奥行きを含めた画像/映像を記録し、過去の記憶にまさに「そこにいる」かのような感覚でアクセスすることができる(これを「タイムトラベル」と表現したレビュアーが数多くいた)。今後、iPhoneなどにも搭載されれば、同様のカメラを用いて複数人が撮影した写真・ビデオをスティッチングして、現場の瞬間をより立体的に記録することも可能になるかもしれない。

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