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「ことば と え の4人」 02 〜 伊藤さんと脇田さん 〜

2023.07.01

脇田さん伊藤さんは、伊藤さんが、雑誌・装苑の表紙を担当していた脇田さんのデザインを見て惚れ込み、自費出版で短歌集を出される時に装丁を依頼したのがきっかけで、それからお付き合いは長く、友達とも違う特別な信頼関係を持って数々のお仕事を一緒にされています。

こちらが、その表紙。脇田さんのTwitterより拝借。

今回は装丁という形から離れ、言葉と絵をリレーのように交わしながら作品を作り上げていきました。

伊藤さんがOFSの店名にちなみ「お気に入りの場所」を題材に短歌を書き、それを受けて脇田さんがグラフィックで返すところからのスタート。01〜16までの作品群で構成されています。

今回の展示で、2人の作品の過程が記されているメモは、見ていると時々、どちらがどちらの作品について書いているのかわからなくなる瞬間があるほど2人の感性は近いというか、お互いに寄り添っている感じがします。

お互いが相手の作品を受け取った時に、どのような想いで返したのかがメモで記されています。

自分の心を汲む、近い言葉を持つ相手がいるというのは、どれだけの力になるものだろうと思います。

設営も協力しあって

そうやって二人は、言葉を交わし視覚化し、お互いの内側にあるものを自分に共鳴させ、膨らませながら、作品を作ってきたのだろうと感じます。

二人の16の作品を抜粋してつくられたポストカードは、大切な誰かに気持ちを伝えるのにとても素敵だけど、自分でも取っておきたい気持ち。


展示初日のこと、おそらく60代くらいの男性が、ふらりと足をとめ店内に入ってきてくださり、しばらくじっくりと鑑賞してから「7番の作品が心に沁みた」とわざわざカウンターにいる私に伝えに来てくださいました。

反射で上手く写せませんでしたが….07の伊藤さんの歌

そうやって二人のつくりあげた作品は、二人の関係性だけに留まらず、年代性別関係なく、誰かの心の中の音を拾って響いているのだと、気持ちがじわっとしました。

はじめましての誰かと、作品を通して、その方の一部を少しだけ共有してもらえるのも、また、幸せ。

因みに今回のKV、チラシ、会場構成と全体のADは脇田さん。タイトルは既存のフォントで構成したものの、もう少し温度感を加えたくて、上から手でなぞり書きしているそうです。

明日7/2(日)には、伊藤さんと脇田さんが在廊されます。
色んなお話を聞いてみてください。

<伊藤紺・脇田あすか 在廊>
7/2(日)14:00〜17:00

ことば と え の 4 人
穂村弘 × 坂巻弓華 / 伊藤紺 × 脇田あすか

会期:2023.6.30(金)〜 2023.7.30(日)
会場:OFS GALLERY
open:12:00〜20:00 (最終日は18時まで)
close:火・水




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