マガジンのカバー画像

小説版「私のことが好き」

9
あるシンママと7人の男たちのお話、全9話(2021.2〜連載)
運営しているクリエイター

記事一覧

どこかで、聞いたような話①

はぁ。思わず大きなため息が出る。疲れた。 「ママ、これシュウのすきなやつ〜」 食卓の上に…

103

どこかで、聞いたような話②

私の朝は忙しい。 まだ暗いうちに起き日中にできない家事を済ませる。子供を起こしご飯を食べ…

80

どこかで、聞いたような話③

シンママにとっての一番の恐怖は子供の急な体調悪化だ。ただでさえ可愛い子供が夜中に発熱すれ…

70

どこかで、聞いたような話④

翌朝。シュウの熱は少し下がり、ぼーっとはしているが大丈夫そうだ。とは言え保育園に預けられ…

66

どこかで、聞いたような話⑤

インターホンの音を聞いた瞬間、脳裏に浮かんだのはソクジン先輩の顔だった。私は動揺した。 …

63

どこかで、聞いたような話⑥

20歳で初めて付き合った人と結婚し捨てられてバツイチになった私、言うならば当て逃げされた新…

70

どこかで、聞いたような話⑦

保育園の入り口が今日も混み合っている。 私は人気者には腰が引けてしまうタイプだ。流行りに乗れないタイプとでも言おうか。例えばパリのルーブル美術館に行った時も、人混みをかき分けてモナリザを見るのではなく、モナリザの前にできた人だかりを写真に収めるような、そんな天邪鬼な人間だ。 だからママさんから絶大な人気を誇るグク先生も、確かに私に対して特別にしてくれて有難いし目の保養になるし癒されるのではあるが、彼を取り巻く人混みには加わりたくないのである。ただ、今思えば、この私の態度が

どこかで、聞いたような話⑧(終)

今朝は朝イチでマスクパックをした。埃をかぶっていたフェイススチーマーも出してきて、肌を綺…

62

エピローグ

村崎アミ(=あなた)は、綺麗な月を見て7人のうちの誰かを思い出しました。それは誰ですか?…

93