こんにちは。Voicy代表の緒方です。

この「声の履歴書」という連載は、Voicyがこれまで歩んできた道のりや、いま考えていることについて創業者の私があれこれ語っていこうというシリーズです。よかったらマガジンをフォローしてくれると嬉しいです。

Voicyは先月、ひさしぶりにパーソナリティ向けの大型機能をリリースしました。放送を1話ごとに単体販売できる「有料放送」です。

これはVoicyの目標である「声のおかげで自由に生きていける人を増やす」を実現するための本丸のようなサービスです。

あの手この手でパーソナリティの収益化を支援してきましたが、今回の有料放送によって、Voicyおよび音声コンテンツ市場どのような変化が起きるのか、考えてみたいと思います。

声で100万円稼ぐ人を100人に

僕たちが目指すところは、パーソナリティさん、つまり声で届ける人にいろいろなかたちで収益が入って、それが1つの職業になる世界をつくることです。

社内では、3年以内に月に100万円稼ぐ人を100人プロデュースするぞ、という目標を掲げてがんばっています。

そのために僕たちはプラットフォームとして、これからもいろんな機能やマネタイズ手段をどんどん増やしていきたいと思っています。

そういう意味で今回リリースした「有料放送」は、従来の「プレミアムリスナー」とは大きく性質が異なります。

プレミアムリスナーはパーソナリティを支援したいまたはより深く関わりたいファン課金のサブスクですが、有料放送はコンテンツ単体への課金です。

たとえば塾の先生がVoicyのチャンネルを持っていたとします。プレミアムリスナーでは普段の放送を聴いてくれるリスナーさんに向けてカジュアルな学びを提供したり、日々思ってることを伝えたり、悩み相談にこたえたりすると思います。

それが有料放送ではもう少し知識やノウハウとして有用なコンテンツを届けることになると思います。渾身のノウハウを「お金をいただいてお話しよう」みたいなことが起きるのでは、と思っています。

単発放送によって、より有益な情報が出てくる

どんな人でも、誰もが1つは、「他の人がお金を払ってでもほしがるコンテンツ」を持っているものです。これは本当にそう思います。私にもあるでしょうし、これを読んでいるあなたにも必ず1つはあるはずです。

Voicyの有料放送には、そういったユニークでおもしろい知識やすごいノウハウがちゃんと世に出るきっかけになることを期待しています。

そのようなコンテンツは比較的単価が高めでも売れると思います。すでにプレミアムリスナーをつかっているパーソナリティさんにはぜひチャレンジしてほしいと思っています。

誰もが気軽に自分の音声を、1エピソードから販売できるわけですから、これはクリエイターエコノミーを実現するための本丸的な機能になり得ると思います。

たとえば、「自分がどんなふうに資格試験や受験勉強をやったのか」とか、「どうやって仕事がうまくいったのか」とか。自分の体験を詳細に語ることで、きっと他の人の参考になります。

これからアップデートしていきたいこと

もちろん、はじめは皆さん、「プレミアムリスナーと有料放送、どっちをどうやって使えばいいんだろう？」と混乱されるだろうと思います。なので今回の機能に関しては、まずはわかりやすいように最低限の機能に絞って出してみました。

有料放送がより上手くいくために、入れたい機能はまだたくさんあるんですが、60％の完成度で世に出したというところです。僕は世界観を考えるのが好きなので、できれば100％の完成度で出したい人なんです。でも今回は皆さんのフィードバックをどんどん取り入れていきたいと思っています。

どんな使い方をされているのか確認しながら追加で入れたい機能を実装していって、それでさらに多様な有料放送の使い方が生まれていったり、より楽しんでもらえたりしたら、と期待しているところです。

リリース当初は有料放送を買うにあたって内容の説明が何もないので、聞かなきゃわからない、タイトルで判断して買うしかない、という状態でした。

しかし、これもいまではすでに「放送詳細」の欄をつけて、「こちらは先日の限定イベントの収録です」とか、「こういうお役立ちコンテンツです」という注略を入れられるようにしています。

あとはですね。つい先週も、「ここまでは無料で聴けるけど、ここから先を聴くには有料です」みたいな試聴機能がつきました。途中まで話して、オチだけ有料にするとかもありそうですね。

またたとえば、いまはアーカイブ放送のみ販売できるのですが、今後はライブ放送も販売できるようにしたいと考えています。単発の有料ライブみたいなものができるわけです。

ただ、ちゃんとしたコンテンツを出さないといわゆる「釣り」になってしまい、ヘイトがたまる可能性もあります。上手く使ってもらわないといけないわけで、そこはまだ考えながら、という感じです。

とはいえ、有用な話をしなければ…！と意気込まなくてもいいと思います。たとえば「この話は阪神タイガースのファンだけ聴いてください」みたいなタイトルにして、中身はめちゃくちゃに偏った阪神愛を語ったり、なぜ阪神が最強なのか、みたいな話をしまくってもいいわけです。ファンだけで共有して楽しめるといいですよね。

内容が偏ったポジショントークってすごくおもしろいのに、外に出しづらいじゃないですか。最近はインターネットの四方八方を見通して安全に話さないといけない空気もありますから。

なのでちょっと極端な私見を語る場所として使ってもいいんじゃないかと思います。

もちろん誹謗中傷とか人を傷つけるものはダメですけど、その情報を楽しみたい人向けに有料放送というハードルを設けたほうが、話す側も聴く側もお互いにハッピーになることはあると思います。

Voicyの有料放送はポッドキャスト配信者にもおすすめ

いまのところ、おもしろい使い方としては、エピソードを放送してから1週間たったあとに有料放送に変える人がけっこういます。

最初は無料で聞いてもらって、アーカイブは有料にする、という使い方です。そうすると「じゃあ、すぐに聞こう」という人も出てくるでしょうし、エンゲージメントの高さにもつながるかもしれない。

だから、有料放送はポッドキャスト配信者さんにもおすすめです。ポッドキャストは基本的にすべて無料でインターネットに流れていきますが、1週間前のエピソードは100円です、と個別に販売してもいいと思うんです。

Voicyは実はポッドキャストを配信している方もチャンネルを開設できるので、よかったらポッドキャスターの皆さん、参加してみてください。

有料放送は久々にパーソナリティ向けの大きな機能です。リリースまでにいろいろな苦労があったので本当に嬉しく思っています。

これからVoicyの収益化プログラムの柱に育てるため、随時機能のアップデートを続けていきます。期待しておいてください。

そして、よかったら使ってみてください。

ーー最後まで読んでいただきありがとうございました。

声の編集後記

記事の執筆後に、内容を振り返って音声でも話しています。よかったらこちらもお聞きください。

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