TOEIC415点なのに海外で就職。苦手だった英語は「モノマネ」で身につけた。
こんにちは。Voicy代表の緒方です。
この「声の履歴書」という連載は、Voicyがこれまで歩んできた道のりについて創業者の私があれこれ語っていこうというシリーズです。よかったらマガジンをフォローしてくれると嬉しいです。
前にもどこかで書きましたが、僕は新卒で入った会社 → 海外放浪&ニューヨークで働く → 日本でベンチャー支援 → Voicy創業という経歴です。
ニューヨーク滞在中はこんなこともやっていました。
で、たまに聞かれるのが、「緒方さんって英語できるの?」「どうやって勉強したんですか?」みたいなことです。
2月は英語学習に燃える人が多そうなタイミングなので、今回は僕の英語学習法について書いてみます。
海外に行った時点でTOEICは415点
そもそも僕は英語がずっと苦手で、大学受験もできれば英語を避けたかったくらい。それで理系の学部に入りました。
英語の何が苦手って、これはこういう意味の単語、この文法はこういうルール、という決まりを全部覚えないといけないところでした。暗記するのがめちゃくちゃ苦手だったんです。
ものごとの成り立ち理解をしないと頭に入らないタイプの人間なので、「本は英語でbookだよ」と言われても理解できないわけですよ。
そういう「覚えるしかないやつ」が全然ダメだったんです。
だから英語はできないし、海外にも興味がなかったんですが、新卒で入った会社で3年目を終えたくらいのときに突然、何か自分の身の回りに新しい風を吹かせたい、もっと何かを変えないといけないのでは、と思いたって、世界一周をすることにしました。
ちょうど会社に休職規定ができたんです。規定できて1年目が絶対一番ゆるいだろうと思って、僕が最初に休職しました。
で、英語。まったくできないまま海外に行ったら、それはもう苦労しました。直前に受けたTOEICは415点。これだと日常会話なんて全然できません。
でも日本を出て、まずはじめに気づいたのは、「あれ?もしかして単語や文法って普通に話したり聞いたりするのに関係ないのでは?」ということでした。
実際に誰かを目の前にすると、単語なんて知らなくてもなんとかなる場面もありました。よし、場数で勝負するぞ、と思うことにしました。
英会話の近道は「モノマネだった」
それで何も学ばずに過ごしていたんですけど、でも場数をこなすだけだと当たり前ですが、単語は入ってこないし、イントネーションもうまくならない。
けっこう限界があるなぁって考えているうちに、なぜかニューヨークで働くことになってしまった。
そしたら、とんでもなく仕事ができない人になり下がったんですよね。
これは本気でやばいと思った。
そこでようやく自分にぴったりな英語の勉強方法っていうのをめちゃめちゃ考えるわけです。
僕は関西出身ですから、人を笑わせるためにちょとした特徴をつかんでモノマネをしたりとか、歌手のモノマネをして歌ったりするのとかは比較的得意なほうでした。
そして思いついたのが、英語がうまくなる方法のなかに「人のモノマネ」もあるんじゃないか、ということでした。
同僚や映画のなかの俳優のモノマネをしてみると、この人がこういう感情、こういう気持ちを伝えたいときには、こんなワードを使ってこんな表情で表現するんだっていう関連性を感じられたんです。
で、まさにそれを実践しているおもしろい英語学習サービスを見つけました。それが「English Central」です。
English Centralは映画やビジネス現場のワンシーンのセリフを、自分がそれとまったく同じように、まるでアフレコを入れるように話すという学習方法のサービスです。
まず見本の動画が流れて、それに自分がアフレコで声を入れる。また見本が流れて、アフレコを入れるっていう繰り返し。どの部分のイントネーションがズレてるかを正確に判定してくれます。
ひたすらお手本と同じようにコピーし続けました。何かを覚えるのは苦手だけど、モノマネはまったく苦じゃなかったんです。
完璧にほぼ同じようにできるまでやるのは、モノマネ好きとしては燃える。
とにかく完コピできるまで繰り返しましたね。
最初はちょっと恥ずかしくて、「nice wether today」ってネイティブが話すお手本があったとしても、「はいはい、ナイスウェザートゥデイねー」って自分の英語として発信しようとしていました。
でも赤ちゃんってそんなふうに言葉を学ばないじゃないですか。恥ずかしさなんて絶対に感じていない。
だったらもう、自分も赤ちゃんになりきろう。
本物の役者のようにテンションまでも真似てしまおうと吹っ切れました。
そうやってみると、どんな気持のときにどういう表情で、どんな言葉をどんなイントネーションでしゃべるのか、だんだん掴めてきた。感情と言葉がつながることで、リアルの場で使える言葉がどんどん増えてきたんですね。
スポーツと一緒です。いい見本をみて、それを繰り返すだけです。
英語とテニスの違い
一方で、周りの日本人を見ていると、非効率な勉強をしている人もたくさんいました。
一番良くないだろうなと思ったのは、いい英語を聞くこともなく、文字だけのテキストを見て自分なりのイントネーションで一生懸命読み上げる、みたいなことをやっている人たち。それが一番遠回りだと思っていました。
僕は映画のなかの俳優が話していること、イントネーション、身振り手振りまでを完全にコピーしていたら、だんだんとしゃべれるようになってきた。
いろんな人と話ができるようになってきて、ようやく英語が面白くなってきた。じゃあちょっとテキストでも買って、文法のほうも勉強してみようか、みたいな順番でしたね。
僕、学生時代からテニスが趣味でした。いまもたまに教わっているんですが、先生のスイングを見て、同じようにスイングするのってめちゃくちゃむずかしいんですよ。
たぶん体力とか筋肉、動体視力とか、いろんなものが足りないから、いきなり同じ動きはできないですよね。
でも英語の発音って、少しがんばれば真似るくらいはできます。それを邪魔するのは恥ずかしさくらいです。
だって英語はテニスみたいに体を鍛えなくてもできますから。
英語の発音はアメリカでもっとも運動神経が低い人でもみんなできています。だから、恥ずかしがらずに本気でモノマネすればなんとかなります。
そしたら、そのうちたのしいなって思える時間がやってきます。
いまならChatGPTもある
ちなみに文法はいまだに苦手ですが、最終的にそれは放っておいてよかったと思っています。
いまは書きたいことがあったら、日本語で書いてChatGPTにお願いすると、英語の文書にしてくれます。
いまこの時代に英語を学ぶ意味やコスパってどうなんだろうっていうのは考えさせられますよね。
もちろん海外で仕事をするとか、頻繁に旅行に行く機会があるなら、できたほうがいいんでしょうけど。昔は英語ができないと世界中の情報の9割以上が手に入らない状態だよって言われてましたが、いまは翻訳ツールが自動で翻訳してくれるし、だいたいのサイトはすぐに確認できます。
こと情報収集というところでは英語ができる必要はなくなったのかもしれないですね。
それでもいまからやるぞ!っていう人には、僕は「English Central」をおすすめしたいです。
まずお手本の内容自体がおもしろいのと、びっくりするぐらい自分の言葉を正確に聞き取ってエラーチェックしてくれます。いまならオンライン英会話を組み合わせるのもいいと思います。
AIや最新ツールをうまく使うと、昔より圧倒的に早く英語が上達できる時代かもしれないですね。
英語の勉強は自分にあった方法でがんばりましょう。
(※よかったら昔書いたニューヨーク滞在記も読んでみてください)
声の編集後記
記事の執筆後に、あらためて音声でも話しています。よかったらこちらもお聞きください。
https://r.voicy.jp/jpVE10XDVJ6
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