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2022年7月26日(火)「消費者理会」Vol.16のゲストは「阿佐見 綾香」さ

株式会社秤の小川と申します。10年以上の総合広告代理店でのコミュニケーション支援の経験とデジタルマーケティング会社とPR会社でのコンサルティング経験を経て、2019年12月に法人を設立し、今は業務委託でアドバイザーやアンバサダーなど複数の役割で活動しています。

JX通信社の松本健太郎さんのお声がけから、同社の新たなチャレンジをサポートする役割も担っています。同社は、「テクノロジーで『今起きていること』を明らかにする報道機関」を目指す報道ベンチャーです。

私は、KAIZODE(カイゾード)という消費者リスニングツールのアンバサダーとして活動しています。これは、マーケター向けにユーザーの興味がある1テーマに分析対象を絞り込み、そのテーマでのツイートの抽出と分類までを機械学習によって行い、人間が行うと膨大なリソースがかかるデータの前処理を効率化し、ブランドの消費者動向や仮説のタネをいち早くキャッチすることを可能とした先進的なツールです。同社のテクノロジーによってマーケターが市場や顧客を洞察する解像度を上げることができるツールです。以下がサービスサイトです。

弊社のプロジェクトでも、テストケースとして、KAIZODEを使って定性調査であぶりだすような、仮説の種を発見する取り組みをしています。消費者リスニングは、必要な情報を定義してそれを抽出する時点からテクニックが必要です。テクノロジーの力を使うことで、スピーディにSNS上にある消費者を収集し、最短距離でマーケティングの仮説をみつけることができます。

「消費者理会」

2022年7月26日火曜日で16回目となるイベントが「消費者理会」です。われわれがお話を聞きたい、学びたいと思う方をゲストに招いてお話をお聞きする消費者理解をテーマにしたマーケター向けの夜会的なウェビナーをめざしてはじめたものです。これまでの開催でお越しいただいたゲストは下記の皆様です。

・2021年4月 ニューバランスジャパン 鈴木 健 氏
・2021年5月 リサーチャー 菅原 大介氏
・2021年6月 プリファードネットワークス 富永 朋信 氏
・2021年7月 ソフトバンク 井上 大輔 氏
・2021年8月 才流 栗原 康太氏/ブランディングテクノロジー 黒澤 友貴氏
・2021年9月 ファミリーマートCMO他 足立 光氏
・2021年10月 TORiX 高橋 浩一氏
・2021年11月 カーマインワークス 深田 昌則氏
・2021年12月 ゲスト無し。松本さんと小川
・2022年1月 インサイトフォース 山口 義宏氏
・2022年2月 みる兄さん
・2022年3月 ダイキン工業 片山 義丈氏
・2022年4月 クー・マーケティング・カンパニー 音部 大輔氏
・2022年5月 デコム 大松 孝弘氏
・2022年6月 顧客時間 奥谷 孝司氏

松本さんと相談しながらオファーして多くの方にご出演いただくことができました。振り返ってみるとすごい方ばかりです。

マーケターにとって外せないスキルの消費者理解について、ゲストの皆さんそれぞれのお考えをお聞きしながら我々も学んできました。ツールの宣伝は行わずに、参加者の皆さんとともに、ゲストの方からお話を聞いてリアルな学びを共有するコンセプトで行っています。

ゲストの皆様にはイベントの前打ち合わせでは、当日、いくつかのテーマをご用意してお聞きするので、ぶっつけ本番でのトークをお願いしています。普段のマーケティング談義のような会話をお話しをいただくようお願いしています。たとえば「なぜ、消費者理解が必要なのか?」など、モデレーターの松本さんが投げかけるテーマは、小手先のテクニック論ではなく、本質論が多いので、みなさんそれぞれ、お考えもさまざまです。すご腕マーケターの皆さんの思考をお聞きしながら、新たな視点で学んでいます。

2022年7月26日火曜日20時~21時の消費者理会Vol.16のゲストは、電通の阿佐見 綾香(あさみ あやか)さん

第2統合ソリューション局マーケティングプランニング部 戦略プランナーの阿佐見 綾香(あさみ あやか)さんです。

早稲田大学卒業後、2009年電通入社。以来、戦略プランナーとして企業のマーケティング、経営戦略、事業・商品開発、リサーチ、企画プランニングに従事。担当業種は化粧品・アパレル・家庭用品・食品・飲料・自動車・レジャー・家電・アプリ等。大手からベンチャー・中小まで、幅広い業種・規模の企業を手掛け、リサーチで見つけたターゲットインサイトをもとにヒットをつくることを得意とする。本業の傍ら、リサーチに苦手意識がある人に寄り添ったセミナー、講演に登壇。電通のマーケティング部門にて、新入社員教育プログラム「マーケティングリサーチ研修」を担当。平均満足度は97% 超。女性マーケティングチームGIRL'S GOOD LAB(旧・電通ギャルラボ)、電通ダイバーシティ・ラボに参画。Forbes JAPANコラムニスト、日本経営合理化協会、宣伝会議、早稲田大学、国際女性ビジネス会議他、講演・寄稿多数。
著書に『電通現役戦略プランナーの ヒットをつくる調べ方の教科書 あなたの商品がもっと売れるマーケティングリサーチ術』(PHP研究所)。持論は「LOVE のカタチが変わると消費が変わる」。

国内最大手の広告会社電通のプランナーとしてご活躍しつつ、電通の肩書を用いた書籍を出して大ヒットさせた方です。

彼女の書籍を知った瞬間、速攻Amazonで買って読んで、「これはすごい!」と何度もツイッターで勝手に紹介しまくっていました。

私の今(フリーのマーケティングアナリストとしての活動)があるのは総合広告会社のプランナーとしての業務経験があってこそです。

TVCMを扱う総合広告会社での業務(新規営業とプランナー)を3社で経験し、一番在籍期間が長かったのが最後に働いた広告会社が、電通のダイレクトマーケティングを担当する会社でした。

大手の総合広告会社は独自のデータプラットフォームにかなり投資をしています。扱い額が大きい広告会社になればなるほど、その投資は大きくなり、独自のツールを多数作っています。業界トップの電通が最強であることは言わずもがなです。

「調べ方の教科書」(をヒットさせた阿佐見さん)のここがすごい!3つのポイント)

(元電通グループの広告マンだった)私の視点で、この書籍と、これをヒットさせた阿佐見さんが超絶すごい!と思うポイントを3つ挙げます。

その1:電通の方でなくても使えるノウハウを網羅的に整理して紹介していること。

下記が、本書の「章だて」です。私も書籍を出したことがあるのでわかりますが、通常ビジネス書は、書籍企画案を、「章だて」から落とし込んでいきます。

■第1章 売れない商品は「ターゲット」「セールスポイント」がズレている
■第2章 「ターゲット」「セールスポイント」を絞り込む3つのステップ
■第3章 【リサーチの実践1】 アイデアを形にして検証するリサーチ
■第4章 【リサーチの実践2】 ヒットをつくる「市場分析」
■第5章 【リサーチの実践3】 ヒットをつくる「顧客分析」
■第6章 【リサーチの実践4】 ヒットをつくる「競合分析」
■第7章 【リサーチの実践5】 ヒットをつくる「自社分析」
■第8章 【リサーチの実践6】 売り続けるためのリサーチ
■第9章 リサーチにつまずいたら読む章

この構成を見るだけで、マーケティング戦略に必要なプランニングの起承転結が網羅されていることが書かれているのではないか?とワクワクしませんか?

さらに、この書籍には付録として、阿佐見さんが実際に使っている便利な「計算ツール」5種(百万円変換器、前年比増減率計算機、人口チェッカー、ターゲット構造&人口チェッカー、LAND 分析&人口チェッカー)や「テンプレート」40種(STEP1 仮説テンプレート、均等割付、オンラインインタビュー割付、購入意向度ランキング(スコア)、購入意向度ランキング(順位)等)までついてます。

何より、電通の方でなくても使えるノウハウばかりです。

かつて、電通の方しか使えない(または電通さんに支援をお願いしないと使えない)ツールやノウハウがメインの書籍もありました。それはそれで勉強になるものでしたが、阿佐見さんの本はそうしたものではありません。

その2:電通の名前を使って書籍を出していること。

「調べ方の教科書」の正式なタイトルは、

電通現役戦略プランナーの ヒットをつくる「調べ方」の教科書 あなたの商品がもっと売れるマーケティングリサーチ術

と、電通の名前が入っています。知人の著者など、諸事情から、社員として所属するコンサル会社や広告会社の名前を出さずペンネーム出版されたものは多くあります。

私は2018年に書籍を出しましたが、その書籍の草案を出版社に売り込んで書籍化に向けて動き出したのは電通グループの社員だったときです。当時書籍出版の承認フローを確認した記憶があります。電通さんは大きくて有名な会社なので、会社の名前を使うことは簡単なことではないはずです。

本書の謝辞に書かれた、阿佐見さんが協力を仰いだそうそうそうたるメンバーの方のお名前の数々からも、すさまじさを感じます。

その3:戦略的に、「調べ方の教科書」をヒットさせていること。

この書籍を読めば、これはビジネス書でもなければ、リサーチ専門書でもなく。戦略プランナーの視点でビジネスとリサーチを直感的に結びつけて、具体的なノウハウを共有する教科書であり、これまでのリサーチ専門書と違う観点から多くのビジネスマンに価値を届けることを戦略的に意識して設計されたものであることが分かります。

この書籍で届けるべき価値を、多くの方に届く様に設計して実際に大ヒットさせたこともすごいことです。

リスペクトと(すがすがしいまでの)嫉妬

かつて私は電通グループで働かせていただき、リサーチやサイエンスの力で何かを変えようとしていました(今もそれを続けています)。

私には無し得なかったことを実現している阿佐見さんに超絶リスペクトとすがすがしいまでの嫉妬の気持ちです。

本当にすごいです。

阿佐見さんは、日本のマーケティングリテラシーの底上げに大きく貢献されている方です。

ちなみに、消費者理会のご説明の事前オンラインMTGが終わってから、コラム執筆とインタビュー取材に協力したマーケティング業界媒体のMarkeZine(マーケジン)78号の「現場に再現性をもたらす マーケターが知っておきたい手法&フレームワーク一覧」特集でお隣同志でした。見本誌を見て、ご縁を感じました。めちゃくちゃうれしかったです。わーい♪

ちなみに、78号の特集では、以下の消費者理会でご一緒した先輩マーケターのお二人も記事が掲載されておりました!

・2022年4月 クー・マーケティング・カンパニー 音部 大輔氏
・2022年6月 顧客時間 奥谷 孝司氏

さらに、マーケジンの書影の画像をクリックしていただくと、そのリンク先ページには、78号は、松本さんの言葉に着想を得た企画であることが書かれています。これもご縁を感じました!


阿佐見さんと、松本さんとの消費者理解の語らい、今から超楽しみです!

追加情報(2023年12月18日更新)

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