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書籍【「物語」の見つけ方~夢中になれる人生を描く思考法】読了

https://booklog.jp/users/ogawakoichi/archives/1/B09KTNTJ75

◎タイトル:「物語」の見つけ方~夢中になれる人生を描く思考法
◎著者:たちばなやすひと
◎出版社:クロスメディア・パブリッシング


自分の人生の物語は、自分こそ主人公。改めてそれを意識して、夢中になって人生を走り抜けろということだ。
実際にこれだけ世の中の情報量が多い中で、何を選択してどう生きていけばよいのか。
それを正しく認識して、実践している人はどれだけいるというのか。
実際にはほとんどできていないだろうし、私自身も「自信を持って人生を歩んでいる」と自慢できるほどではない。
人は悩みながら生きていくものだし、そう簡単に正解が見つかれば苦労はない。
現実的に人間とは欲張りで、「これだ!」というものが見つかっても物足りなくなって飽きるものだ。
そして、何もなければ何もないで、平和で苦労がないにも関わらず「暇だ。刺激がほしい」などと思ってしまうものだ。
自分自身の人生を主体的に生きていくというのは、本当に難しい。
まずは自分の内面に意識を向けて内省する訳であるが、これも慣れが必要で、意識すればすぐできるというほど簡単な話ではない。
自分のことは自分自身が一番知っていると思いきや、自分だからこそ見えていない部分もあったりする。
むしろそこは他人の方が的確に見てくれている場合だってある訳だ。
よく「メタ認知」という言葉を聞くが、自分自身を出来るだけ客観的に俯瞰して見てみること。
それが正しいのかどうかはどこまで行っても分からないものであるが、そうやって意識して、自分自身を多面的に様々な角度から眺めていると、思わぬ発見があることも事実なのだ。
今はSNSなどで情報が溢れている。
自分は他人と違うと言い聞かせても、他人と自分を比較するツールがこうしていとも簡単に手に入ってしまう。
むしろ自分自身だって、SNSでは良い事だけを更に「盛って」発信している。
そこには「他人よりも自分が素敵に見られたい」という自己顕示欲が、少なからずあるはずだと思う。
どこまでいっても、他人と比較している限りは、人は幸せにはなれないということなのだ。
それではどうするのか。
本書では「セントラル・クエスチョン=CQ」という言葉で、「自身の『核』を見つけよ」と説いている。
自分は何をするために生まれてきたのか。
この人生を生きる目的は何なのか。
それを見つけよということであるが、これこそが簡単ではない。
とにかく内省して見つけるしかないのだが、強い目的を持って人生を生きている人は実際にどれだけいるのだろうか。
大半の人は、自分の能力だって自覚しているし、そんなに壮大なことを掲げるほど自分が背負える人間とは思っていない。
(そう思っている人はとっくに突き進んでいると思う)
足るを知るではないが、そこそこの平凡な人生を歩んでいるのが現実で、実際にほとんどの人が平凡なそこそこの人生を求めているはずなのだ。
一方で、ドラマチックな人生に憧れを持っていたりもする。
この点だけでも人間の思考とは、矛盾が共生していることだと思う。
欲望にはキリがないと頭では理解しているが、一方で贅沢を求めてしまう。
結局、自分自身の人生の物語は自分で描くしかない。
本書では、優れた物語の例として、「鬼滅の刃」「千と千尋の神隠し」「タイタニック」の3作を取り上げている。
一般の読者を意識した選出かと思うが、物語を見つけた主人公こそが「世界観」を得られるというのは納得だ。
その人なりの人生の目的があって、そこに向かって邁進している姿は、それだけで物語になっている。
さらに、その一生懸命さは独自の世界観を形成していく。
困難を乗り越えて成長していく姿は、キャラクターとして際立っていく。
そういう循環なんじゃないかと思う。
結局足掻きながら、人生の大目的であるCQに向かってひた走る人物に、人々は共感してくれるのだ。
何かのロールモデルを探しても見つかるはずはない。
自分自身で切り開いていけばいい。
他人からの雑音なんかに流されずに、大目的に向かって一直線に突っ走れ。
もちろん簡単ではない。
すぐに見つかるものでもない。
しかし、こうやって生きていかないと、これからの時代はなかなかしんどくなりそうだ。
自分の世界観を、自分の物語を主体的に描くこと。
そういうことを意識して生きろという事なのだ。
(2024/2/5月)


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