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無敵の都知事

 2020年7月5日に投開票された東京都知事選挙は、現職・小池百合子候補の圧勝で幕を閉じた。

 東京都知事選挙が公選制になってから、東京都は安井誠一郎・東龍太郎・美濃部亮吉・鈴木俊一・青島幸男・石原慎太郎・猪瀬直樹・舛添要一、そして小池百合子9人の都知事を迎えてきた。

 そのうち、猪瀬・舛添は1期目の途中で辞任。青島は1期で勇退したので、再選出馬をしたのは5人。小池百合子都知事が6人目になつた。現職都知事は選挙で負けない。

 ほかの46道府県とは異なり、莫大な財政力を背景に東京都知事は強大な力を発揮してきた。都知事の及ぼせる範囲は東京都内だけにとどまるが、東京発の政策は時に近隣圏を巻き込み、他道府県にも波及し、そして国政を揺らした。

 例えば、不良債権処理問題で東京都にわずかしか税金を払っていなかったメガバンクに、石原慎太郎都知事は応分の負担を求める形で銀行税を導入した。これは東京都が独自に課す法定外税の色合いを帯びていることもあり、裁判で銀行と争うことになる。結果は、東京都の敗訴。

 それでも石原慎太郎都知事は諦めきれず、法人事業税の均等割という部分に着目。それを外形標準課税として援用することで、銀行にも税負担を課すことになった。東京都が外形標準課税を導入したことで、大阪府も追随する。

 このような東京都がほかの自治体をリードする形で、道府県もしくは政府を動かす政策はたくさんある。東京都知事は特別な存在。だから、都知事は別格な権力者なのだ。

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ニコニコ動画主催の2020都知事選演説会に登壇した小池百合子都知事

巨大な権力者・都知事

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