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【水島予言#08】1981年、まだ東京ドームもない時代に描いていた札幌ドーム

 昭和の終焉も近いた1988(昭和63)年、後楽園球場に代わる読売ジャイアンツの本拠地として、日本初の全天候型球場である東京ドームが完成。記念すべき「球場第1球」は3月18日、前年に巨人を引退した江川卓がライバルである阪神・掛布雅之に投じた引退セレモニーだった。
 “昭和の怪物”が投じたこの1球が時代の節目になったように、平成の世になると93年に福岡ドーム、97年には大阪ドームとナゴヤドーム、99年には西武ドーム、01年には札幌ドームがそれぞれ開場。ドーム球場の増加にあわせ、プロ野球の試合数も130試合から135試合(97年〜)、そして140試合以上(01年〜)へと増えていった。

 このドーム時代を予見していたのが81年に「週刊少年マガジン」で始まった『光の小次郎』だ。

 プロ12球団すべて、そしてリーグ(ワイルド・リーグとエキサイト・リーグ)までもオリジナルで創作した『光の小次郎』の世界観。この物語のまさに導入シーンで描かれるのが北海道札幌市をフランチャイズとするプロ野球チームであり、雪深き北の大地に鎮座する「札幌ドーム」についてだ。現実世界の札幌ドーム誕生よりも20年前、最初にできた東京ドームよりも7年も前にドーム球場を描いていた、ということに驚かされる。
 東京ドームの竣工計画発表だって84年のこと。おそらく、メジャーですでに存在していたアストロドーム(65年開場)やキングドーム(76年開場)を参考にしたのだろうが、この辺の研究熱心さが「水島予言」の源流のひとつなのだろう。

 なお、水島新司はこの件以外にも、「北海道とプロ野球」にまつわる予言をいくつも実現させている。その件についてはまた改めて。

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80年代のプロ野球と高校野球で起きた出来事を、水島野球マンガは事前にどう予言していたのか? 有料設定にしていますが無料で読めるものも多いで…

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