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「動く」診療所!地域に馴染む移動診療を目指す

人口が少ない地域において、公共サービスが公共施設だけで提供される時代ではなくなる。


人口が少ない地域において、公共サービスが公共施設だけで提供される時代ではなくなりつつあります。団塊世代が後期高齢者世代に移行する中で、地域の医療環境はますます人手不足とケアが必要な地域が増えていくことが予想されます。公共サービスも施設だけではなく、サービス自体が移動することで、空白地帯をカバーする取り組みが広がっていくことが必要です。

熊本県小国町で取り組む移動診療車とICT活用。


現在、熊本県小国町では、移動診療車による遠隔地でのケアサービスを進めているところです。ハイエースサイズの車両を改造し、移動診療車に車両をリニューアルしています。小国町の名産である小国杉を使用し、地元の製材所と連携して内装も製作しています。これにより、患者は杉の香りを楽しみながらリラックスできる環境が提供されるように車両を制作しています。


小国杉を使った移動診療車の什器
取り付け家具もすべて特注で制作されいています。


移動診療車には、診療車に乗る医師と患者との間で共有される医療情報の共有が不可欠となります。この情報はICT技術を活用して、カルテ情報と定期健診データがマイナンバーを活用して参照できる仕組みが構築しているところです。基幹系の病院のカルテデータだけではなく、医療介護のケア情報、定期、特定健診などの健診データ、今後はそれに加えて本人の同意を得た上で、日々のケア情報も診療に取り入れられる仕組みづくりを進めています。


分散する医療情報を一元化する「OGCIS」


病院と同じ環境の診察データが参照できれば、どの場所でも診察が行えるようになります。また、病院側も診療が必要な患者にアプローチし、地域に出向いて診療を行うことで、細やかなケアが可能となり、地域ごとの移動診療の必要性を事前に把握することで、ピンポイントで必要な患者にケアを提供することを目指しています。
今後、オンライン診療も取り入れることを検討されており、双方向でコミュニケーションが取れる医療は、都市部よりも周辺部のほうが早く実装されるのかもしれません。

医療ケアは多世代型に。


医療ケアは多世代型になりつつあります。病院に通院する際の「事後型」のイメージが強かった時代とは異なり、「事前予防型医療」をこの移動診療車により実現できることを目指しています。

不足するリソースに対して、小さいエリアだからこそ機能するメディカルモール。


移動診療により、通院に伴う待ち時間や負担が軽減され、気軽に診察やケアを受ける環境が整えられれば、働く世代や子育て世代も積極的に利用する可能性があります。また、なかなか病院に通うきっかけのない若い世代やヤングケアラーなども多世代で暮らす世帯も多いところでは増えてきています。このような世代の人たちにも気軽に使ってもらう移動診療を目指して現在、取り組みを進めているところです。
このような移動診療車は2024年1月に完成予定であり、年明け2月から実証的なサービスが開始される予定です!!


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