詩のご紹介14 幻の笛(小黒恵子作) ~ユトリロの絵のなかで

こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。
 今回の詩は、「幻の笛」です。

「詩集:ユトリロの絵のなかで」については、下記をご覧ください。

 まずは「目」から。

幻の笛
~ユトリロの絵のなかで 「花衣」より~
小黒恵子作

窓をうつ 吹雪
パリの町は
銀いろに 彩られて

耳をすますと
かすかに 聞こえてくる
ほそく淋しい 笛の音

それは
吹雪の日にだけ
聞こえる と言う
氷雪の アルプスから
風がはこぶ 笛の音

マリーアントワネットの
こよなく 愛した
銀いろの 鹿が
悲しみを 伝える
ちぎれるような
幻の笛 なのです

ブローニュの森を
ヴェルサイユ宮殿を
コンコルド広場を
ノートルダム寺院を
モンマルトルの丘を
セーヌ川を

幻の 笛の音は
パリの吹雪のなかを
かけめぐって

ホラ
聞こえてきます

「ヒョー ヒョー ロロ ヒョー」

 次は、「耳」から、お聴きください。 

  朗読:大森寿枝
 最後までお読み、お聴きいただき、ありがとうございます。
 次回の詩は「レ・ミゼラブル」です。(S)

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