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◼️理系文系、哲学

▪️理系文系
理系文系という分けかたは大学受験的だ。自分の時代は完全に二者択一な感じだったが、今は文理融合などといって昔ほどは乖離的ではないのは、いいことだと思う。完全に分けられなるはずも、分けていいはずもない。
でも理系文系とはそもそもどういうことなんだろう。

理系は、合理的、論理的な思考を要するに科目、数学や物理化学など。文系は、歴史や地理、文学などすでに現実にある事象が何であったかを考える科目、といったあたりが一般的だろうか。

理系は、人の心によって左右されるものは扱わない、よっておもに自然科学へ向かう。
それに対して文系は、揺れ動く「人の心」に焦点を合わせるているようにみえる。

もっと抽象化すると

理系は、すべては収まるべき場所、型を持っていて、その「型」の中に収まるとする。「型」とはつまり、なかの個物が支配される「法則」のことともいえる。理系はその「法則」とは何か、をさぐる。
文系的には、すべては個別的である。すべてが結局何かの種・類という容れ物に収まるとしても、個物は個物であるがゆえ個別的である。

あるいは、理系は、種類にまとめるために「同一性」に注目し、文系は、種類のなかの個物を見るために一つ一つの「差異性」に注目するともいえる。

▪️哲学
ところで「哲学」は、一般には文系に入れられるが、とくに現代では理系的な思考部分の重要性が大きくなってきている。
古代ギリシャ哲学ではどちらかというと理系的なはじまりをし、やがて文系的な展開をし、科学革命から現代では、ふたたび理系的な要素が入ってきた。

前に書いたように、哲学はすべての前提事項の当否をいったん保留して、ひたすらに「本当はどういうことか?」と問う、知的態度であるとするなら、「哲学は文系」であるという予断こそナンセンスである。
哲学は、理系文系のどちらの分野とも捉えられないところに在って、その両者の立場を調停・統合するものとして存在すべきなのだろう。

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