20/09/19(土)

ハロー土曜日。あまり連休が関係なくて、あまりおやすみ気分ではありませぬ。今日はPARC自由学校で関東大震災の後に起きた朝鮮人虐殺の起きた場所を訪れるフィールドワークへ参加しました。

PARCで他のコース(ビオダンサ)を受講していて、別のコースを一度受講出来るチケットをがあって。気になっていたこちらのコースの課外授業の日にスポットで参加させてもらったのです。

数千人規模の朝鮮の人たちが根拠のないデマのせいで殺されたこと。毎年慰霊祭があって小池都知事がメッセージを送らなくなったとか、ある団体が慰霊祭と同じ場所でスピーカーを使って嫌がらせをしていること 。それらのことをニュースで聞いたり、記事を読んだことはあったけれど、実際どんなことが起きたのか、知らなくて。実際にその現場を訪れながら、証言を集め伝えてきた人の話が聞けるとあり、行ってみようと。

両国駅から始まり国技館のすぐ近くの橋での証言から始まり(私も含め多くの人がそんなことがあったなんて知らずに通り過ぎている)、横綱町公園へ。ここには関東大震災の犠牲者と、東京大空襲の犠牲者が合わせて15万人以上眠る場所。今年の1月の末に別の機会で、初めて訪れていた。その時は戦争の記憶にフォーカスしていたのだけれど、ここに虐殺でなくなった朝鮮人の方達の慰霊碑があり、毎年慰霊祭が行われている。

資料館の方も前回は戦争にまつわる展示をメインで見ていたのだけれど、今回は震災の展示の方を見れた。そこまで虐殺のことについて触れていないけれど、当時描かれた絵や文章から当時の人たちが持っていた朝鮮人(やきっと他の外国人)への眼差しが伝わってくるものがあった。

そしてその後は移動して八広駅へ。多くの朝鮮人が犠牲になった川沿いの土手で犠牲者や目撃者たちの証言や、どのように証言や調査が行われてきたのかについて聞く。配られていた資料には、9月1日から4日までの虐殺の証言がたくさん。いや、亡くなった人や事件の数を考えたら全然たくさんじゃないのだろうけれど。読んでてほんと嫌になってしまう内容で。

約100年前、97年前の9月に私たちが今立っている所で起きた残虐行為。もうなんか思い出しながら虐殺とか残虐とか書いていて嫌になってきているんだけれど。ちゃんと始めて証言や今日の話を聞いて、リアリティを持って「嫌だ」っていう気持ちがある。嫌だ、なんてただ言ってるだけじゃ子供か!と突っ込みたくなってしまうけれど、これまではその「嫌だ」とい気持ちもあまりなかったもんな。

1人称の証言の力はやはり強い。犠牲者は証言を残せないし、加害者は圧倒的マジョリティーで証言はもちろんしたくない。太平洋戦争よりもさらに前に起きて、もうその時に実際に生きていた人はほとんどいないに等しい。そんな中で、民間で個人として証言を集めてきてくれた人たちがいて、私に今日届いた。もしこうやって証言を残してくれていなかったら、皆黙ったまま過ぎていってなかったことにされていたのかもしれない。(ラオスの北部のベトナム戦争時の空爆被害者たちの証言集のことを思い出した。)

100年前ってずっと昔のことなんだろうか。今同じ状況になって私たちは同じ過ちを繰り返さないって自信を持って言えるんだろうか。

今日案内してくださった方が理事を務める団体は、虐殺の現場の近くに私有地を買い取って慰霊碑を建てた。そちらも今日訪れさせてもらった。慰霊碑があるということ。思い出して集い悼み、知りたい人と伝えたい人が繋がる。

私は今回のみのスポット参加だったけれど、この講座は確か全部で8回。他にも横浜方面や群馬もこれから訪れるそう。これだけじゃ全然ないってこと。まだまだ知らないこと、知らなきゃいけないことがたくさんあるってこと。もちろん色々知る方法はあるけれど、その場所を実際に訪れるってやっぱりパワフル。去年訪れたアウシュビッツ、今年訪れた広島ですごく実感している。コロナでくじかれていたけれど、少しずつでも訪れていきたい。



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