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残念なマーケターと優秀なマーケターの7つの決定的な違い

残念なマーケターと優秀なマーケターの違いを知ってますか?

どうすれば一流のマーケターになれるのだろうと思い、マーケティングマネージャーをやったり、著名マーケターの話を聞いたりする中で、その違いがようやく自信を持って言えるようになってきました。

自分も全てはできているわけではなく、もはや自戒の念を込めてまとめましたが、他の皆さんのお役にも立てそうなのでぜひ読んでみてください!

1.無関心 vs 好奇心

なぜマーケターに好奇心が必要なのか?

それはマーケティングが "変化" を捉える仕事だからです。

【好奇心】
物事を探求しようとする根源的な心

"Marketing" とは読んで字のごとく、動き続ける市場(Market + ing)を相手にしています。トレンドの移り変わりや、技術の進歩が激しい現代において、そうした情報のキャッチアップを支えるのが好奇心です。

マーケティングの仕事は情報戦で、知っていれば成功の果実を得ることができ、知らなければ競合に出し抜かれていくでしょう。

また、好奇心があることによるもう一つの利点は、人生経験の幅が広がりあらゆるユーザーの心理・行動に対する想像力が高くなりやすくなることです。

生まれながらに好奇心がひときわ強い人はやっぱりいて、マーケター適正が高く羨ましい限りです!

2.思いつき vs 仮説ありき

なぜマーケターに仮説が必要なのか?

それはマーケティングが "再現性" を追求する仕事だからです。

【仮説】
最も確からしいと考えられる仮の答え

私はマーケティング施策の実行の優先度は以下から成り立つと考えています。

施策の優先度 = インパクト(効果 - 費用)× 再現率

低い費用で高い効果が見込める施策であったとしても、再現する確率が低ければ意味はありません。「インパクトはありそうだけど、それって本当に実現するの?」というシーンもこれまでいくつも見てきました。

そこで再現するかどうかを決めるのが、仮説だと思います。つまり、筋の良い仮説を立てられれば、施策の再現率が上がり実行にも移しやすくなります。

ちなみに前職のボスの口癖が「で、仮説は?」だったので、仮説思考がとても鍛えられて感謝です!

3.自分や会社のため vs 顧客のため

なぜマーケターに顧客視点が必要なのか?

それはマーケティングが "顧客の心" を満たす仕事だからです。

商品作りの現場において、プロダクトアウトとマーケットインという言葉があるのはご存知でしょうか?

【プロダクトアウト】
利用できる技術を持っているから、その技術をもとに商品を作って売る

【マーケットイン】
人が必要としているから、そのニーズをもとに商品を作って売る

どちらでも成功を収めることは可能ですが、やはり会社視点のプロダクトアウトより、顧客視点のマーケットインの方がずっと上手くいっているようです。

どんな人であれ顧客は決してバカではありません。顧客は自身のためとなるものなのか、それとも会社や営業マンの都合で紹介されているものなのか、語られる言葉で機敏に感じ取ります。

SNSや口コミも身近になったことで、本当に顧客にとって価値があり、心を満たすものかどうかは調べればすぐに分かってしまうものです。

では顧客視点はどのように身につければいいのか?

それは顧客の声や行動をインストールし、顧客の人格になりきることです。

意外とおろそかになりがちなのが、見込み顧客や既存顧客から生の声を聞くことだと思います。

アンケートやまた聞きだけなく直接相手に会って話をし、どんな表情でどんな感情で不満や悩みを訴えかけるのか。今まで見逃していた大きなヒントを得られるので、本当に少なくとも週1回以上は会う機会を設けるべきです。

また、顧客心理を理解するために、彼ら彼女らと同じ行動を行ってみることも同じくらい重要です。

例えば、20代前半で流行に敏感な若い女性向けに商品を販売する場合、彼女らがよく買う雑誌を読んでみる、よく使うアプリを触ってみるなど、どういう視点で何を考え何を思うのか顧客になりきります。

マーケティングのプロ集団であるP&Gも顧客視点を最重要視し、「Consumer is Boss (消費者こそが私たちのボス)」を掲げていましたね、かっけーです!

4.CPAで捉える vs ROIで捉える

なぜマーケターにROIが必要なのか?

それはマーケティングが "利益" を出す仕事だからです。

【CPA】
顧客獲得単価(Cost Per Acquisition) or 成果単価(Cost Per Action)の略。
CPA = 費用 / CV(顧客獲得数 or 成果数)の式で表される。

【ROI】
投資利益率(Return On Investment)の略。
(売上ー売上原価ー投資額)÷ 投資額×100(%)の式で表される。

※マーケティング投資の場合は、「(売上-売上原価-販管費-投資額)÷投資額×100(%)」と販管費を考慮する場合もある。

企業が事業を行う上で、資金調達、人材採用、営業活動、組織づくりなど様々な活動が行われますが、特にマーケティングは売上・利益を直接的に上げる意味で重要視されます。

しかし、売上や利益といった最重要のKGI指標ではなく、その途中となるCPAといったKPI指標しか見れていない担当者も少なくありません。

分かりやすいケースで、このように経営層とマーケテイング/広告運用担当者の間で意識のズレが起こっているということです。

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参照:コミュニティでマーケティングを学ぶ

マーケティングは「商売そのもの」と言われるように、会社で利益を上げてなんぼですよ!

5.部分最適化 vs 全体最適化

なぜマーケターに全体最適化が必要なのか?

それはマーケティングが "接点" を組み立てる仕事だからです。

【部分最適化】
一部分にとって最も適した状態にすること

【全体最適化】
全体を総合して最も適した状態にすること

まず、人が購買行動を取る時のフェーズ(段階)を以下のように「認知・興味関心→比較検討→購買→共有」と分けることができます。

※AISAS(アイサス)と呼ばれる古くからフレームワークなので知らない方はググってみてください

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参考:カスタマージャーニーとは?マップ作成の手順とポイント

テレビCMやSNSで商品を知って興味を持ち、口コミやレビューでどれにするか比較検討して、ECサイトで購入してSNSで拡散するような流れになっています。

おそらくテレビCMを見ただけでは買わないし、口コミを見ただけでも買わないし、ECサイトを見ただけでも買うに至らないと思います。各メディアやサイトと適切なタイミングで出会うことで初めて購入が生まれます。

つまり、マーケティングという文脈で語られるところの「全体最適化」とは、個別のマーケティングチャネル(接点)の効果だけで判断せずに、各チャネルを総合してストーリーを組み立てることです。

全体最適化の視点で考えると、直接的な購入・お問い合わせ(CV)にならないSNSやDSPにも投資をし、認知(アテンション)を広げ、最終的に自然検索やリスティング広告でコンバージョンの総量を増やすということが考えられるようになります。

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参考:ホットリンク飯髙氏に聞く!中小企業でもBtoB企業でもがんばれるTwitterマーケティングって?

また、コンバージョンが起こるまでの各接点の貢献度を測る方法として、アトリビューション分析があります。

特定のコンバージョンに関して、例えば過去に自然検索やWEB広告を経由した見込みがあればGoogleアナリティクス/サーチコンソール・広告管理画面から間接効果を確認でき、SNSやオフライン広告を経由した見込みがあればアンケート・インタビューを通じて間接効果を測れます。
(より正確に計測するためには有料ツールや調査会社も必要で、もちろんそれでも全てを計測しきるのは困難ではありますが…)

直接的なコンバージョンに至らない施策が、実は間接的に大きく影響しているというようなことも少なくありません。実体験として、コンバージョンに繋がらないと思っていたSNS広告を停止した途端、オーガニック検索経由のコンバージョン数が2/3に落ちたので、再開して効果を元に戻したということも過去にあります。

接点が大事なのは恋愛も同じですかね、一目惚れなんてことは稀で、様々なシーンで何度か会うことで好意を深めていきます!

6.1P(販促) vs 4P(料金/流通/販促/商品)

なぜマーケターに4Pが必要なのか?

それはマーケティングが "売れる仕組み" を作る仕事だからです。

【4P】
マーケティング戦略の立案・実行における、代表的なフレームワークの一つで、マーケティングミックスと呼ばれることもある。

4PはPrice(料金)、Place(流通)、Promotion(販促)、Product(商品・サービス)の頭文字を指す。

売れる "仕組み" という言うくらいなので、各要素の歯車が噛み合い上手く回っている状態でなくてはいけません。

例えば、いくらユニークな広告のアイデアがあったとしても、そもそも料金が高すぎたり、商品の質が悪すぎたりしたら、初回購入やその後の継続購入はままなりません。

先ほどお伝えしたようにマーケティングは利益を上げることが目的なので、販促だけをやるようでは足りません。

商品の品質をより良くするためにはどうすればいいか?料金を顧客に合う形で提供するにはどうすればいいか?売場や販路に工夫はできないか?

マーケターを名乗るからには、あらゆる角度から改善提案と実行をし続けなければなりません。

そういう意味で、脱 "広告運用だけマーケター" していきましょう!

7.個人で勝つ vs 組織を勝たせる

なぜマーケターは組織を勝たせることが必要なのか?

それはマーケティングが "チーム" で戦う仕事だからです。

BtoBマーケティングではマーケティング部署とセールス部署(インサイドセールスや外勤営業)の連携は欠かせません。

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参照:MA(マーケティングオートメーション)とは?基礎知識と導入のポイント

あるあるかもしれませんが、部署間でこんな対立が起こることがあります。

■マーケティング部署
「リード(見込み顧客)をたくさん取ってきてるのに、セールスはなんでアポも契約も取れないの?」

■セールス部署 
「マーケティングでもっと質が良くて、検討度合いの高いリード取ってきてよ!」

どちらの意見も非常に分かります。

ただ、ここで再三で伝えたいのはマーケターは「売上・利益を上げることが仕事」だということです。言い換えると、セールスに契約を取ってもらうことまでが仕事と言えます。となると、目標売上を達成できないのはマーケターの責任です。

出来ていないことを探しましょう、「契約率の高いリード条件を再定義」「リード獲得数を増やすための予算取り」「ナーチャリングが進むチャネルの分析」「検討度合いが高い媒体の開拓」などあらゆる手を尽くし、セールスに成果を上げさせ勝たせるべきです。

また、自分はこれまでネット通販会社や人材会社でBtoCマーケティングも行ってきましたが、BtoCマーケティングでもチーム戦であることは同じです。

その時はカスタマーサポートやキャリアアドバイザーの方々と協力し、どのような広告・サイト内容を読んだ後に購入されるとクレームが少ないか、どのような候補者が企業とマッチングしやすいかなど細めに聞き出し、彼ら彼女らの仕事が上手くいくよう努めました。

自分一人が成果を上げるよりも、組織やチームでことを成し遂げる方が喜びも100倍です!

おわりに

いかがでしたでしょうか?

優秀なマーケターの共通点を7つ挙げさせてもらいましたが、これら全てを満たすマーケターは数少ないと思います。

なので、焦らずひとつひとつ身につけていき、共に頑張っていきましょう!

ちなみにTwitterでマーケティング情報も発信してるので、よかったらフォローしていただけると嬉しいです!

高橋 舞伎@シャベル代表/マーケター(@maiki_shovel)


【オマケ】役に立つ書籍・記事を紹介

1.好奇心を磨く


2.仮説思考を磨く


3.顧客志向を磨く


4.ROI(投資対効果)を磨く


6.4P(料金/流通/販促/商品)を磨く


7.組織志向を磨く


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