見出し画像

家に畳がない人に読んでほしい畳の話 #2

意識してないけど実はある、畳の「種類」

こんにちは。

前回に引き続き、畳のお話です。


今回は、畳の種類に注目します。

目的は、メリットデメリットを列挙するより、そもそも「種類がある」ということを伝える記事です。

マイホームを建てる際にフローリング材を選べるのと同じように、畳にも種類があります。

大きく分けて3つの種類とその用途について、まとめました。

3つの畳の種類

◆縁(へり)付き畳

画像2

出典:萩原製畳有限会社

最も普及している量が多い畳です。畳縁が畳床の側面に貼られた畳で、一般家庭の住居や茶室に使われています。夏休みの思い出とセットで覚えてる人もいるはず。

◆縁なし畳(琉球畳)

画像1

出典:川武タタミ店

縁で畳表の端を織り込むのではなく、い草だけで端を仕上げた畳です。

モダンな設計のモデルハウスなどに使われているのをしばしば見かけます。

縁があるとどうしても柄と部屋の雰囲気がマッチせず悩むときもありますが、フチなしだとい草の自然な色がお部屋になじむので、洋間にも合うと人気です。

生産量が少なく、加工技術も難しいことから、フチあり畳よりは少々お値段が張ります。

※ちなみに、琉球畳と呼ばれている由来は、余談を文末に掲載しますので、お時間ありましたら目を通してみてください。

◆和紙畳

画像4

出典:大建工業株式会社

いい写真なかったあ…。

畳の原料はい草、と思ってましたよね。
ミックスもあるんです。

い草の他に、和紙を使用した和紙畳です。和紙をコヨリ状にして、い草風の形にし、樹脂でコーティングしたものをい草と一緒に織ります。

ダイケンというメーカーが、かなりのカラーバリエーションをそろえているところから、今人気が高まっているそうです。

画像3

出典:大建工業株式会社

選べるということは、いつの時代も価値があることですね。

住居用と床の間専用

さて、材質や形状によって分かれる畳の種類を3つご紹介しました。これらは全て、お部屋で人が歩いたり、寝転んだりする前提、つまり居間に使われる畳です。

他にも、日本の部屋には畳が使われているところがあります。

それが、茶室などでよくみられる床の間です。

床の間の畳も、居間に使われる畳も、ぱっと見違いは判りません。

しかし、江戸時代、日本の町人文化が花開き始めたころから、日本人はその用途についてしっかりと注目し、床の間専用の畳を考案していました。

広島県・尾道で今も作られている「龍鬢表(りゅうびんおもて)」の存在が、それを裏付けています。

次回は、床の間専用畳がどうして、床の間専用なのかを解説したいと思います。




琉球畳の余談

ちなみに、名前は琉球とついていますが、沖縄で作られているわけではありません(建築関係の人でも勘違いされている方は多いとか)。

材料の七島い草(しっとう)が沖縄産だというサイトもみましたが、七島い草は大分県国東半島で生産されています。

これは私見ですが、大分には同じく「りゅうきゅう」と呼ばれる食べ物があります。サバを醤油・みりん・酒などに漬けてご飯の上にかけて食べる猟師飯ですが、これもりゅうきゅうと呼ばれる所以は謎のままです。

しかし、大分と琉球という言葉が何かしらのつながりがあることは間違いないでししょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?