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日曜市の花屋さんはアラナイ

アラナイ。

身の回りにアラナイの方、いるだろうか。

地元の日曜市で、

いつも休まず出店する花屋のおじさんがいる。

高知に来てから3年、おじさんは

いつもそこにいてくれる。

いつもシャキンと立って、

私が店先にいると

「はい!いらっしゃい〜」

としっかりしたお声で、営業してくれる。

たまにそちらで、花とか苗とか買う。

今日初めて、おじさんの年齢を知った。

86歳である。

四捨五入で90。アラウンドナインティである。

アラナイ。

おじさんは確か、

高知でも山のほうに住んでいるはずである。

明け方寒いからストーブ出したとか出さないとか、

秋口にそういう話をしたのだった。


86歳?!

と仰天して私がでかい声を出したら、

「明治4年生まれのおじいは100まで生きたよ。」

と教えてくれた。

「明治45年生まれの親父は若死にだったけどね、まあ80過ぎだけど。」

おじさんの血筋はご長寿らしい。


ずっと60から70代だと思っていた。

ユーモアもあって、人を明るくさせられるような

とても良い気持ちのおじさんなのだ。

山から朝早く花や苗を積んで、

市が終わるまでいるのだ。

一年中。


歳がいってビニール袋をめくる手が乾いてなかなかめくれん、

と、こぼしてらしたが、

働きものの

頼り甲斐のある手指をしていらした。

かっこいいな、と心から思った。


御年80の我が家のお隣のご主人も、

よくご自宅の屋根に上って、自分で修繕している。

私がご主人を見かけるのは、地上より高い場所が多い。

毎日鉄アレイで鍛えているとおっしゃっていた。

神さまのように穏やかな方なので、

うちの下の子21キロ(当時)が、

遊びに上がったお隣から帰りたくない、と、

でっかいバランスボール(座って弾むやつ)に

両足をカニバサミにして抵抗しても、

そのまま笑顔で下の子のワキを抱えてバランスボールごと玄関まで運びながら、

「ほら〜お母さん困ってるよ〜」などと優しく諭してくれたりした。

見た目以上に中身ギッチリ成長中の我が子を

ワキで持ち上げるのにもう限界を感じていた私は

おじさんにかかってる負荷は目視でわかるので、

そのたくましさにも仰天したのである。


花屋のおじさんのようにお隣のご主人にも

アラナイになっても

年齢不詳でお元気でいて欲しいと心から思う。

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下の子が焼いたクッキーをあげたお返しにお隣のご主人がくださったフリージア。







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