私の住む地域では、この所雨が続いています。雨の日は憂鬱になりがちですが、そんな時こそ音楽の力を借りています。

　今回の私の一枚は、「雨と休日」（https://ameto.biz/）という、CDセレクトショップのコンピレーションアルバムについてです。

　まず、「雨と休日」という詩的な響きの店名に、私は心惹かれました。その静かな屋号の通り、このお店は”穏やかな音楽を集める”というのがコンセプトになっています。私が、その店頭で初めて手にしたのが、今日の一枚でもあります。

　そのお店の店主さんがセレクトした楽曲が、このCDに集められています。雨の日は、何だか一日をあきらめてしまうような気持ちになりますが、それを静かに慰めてくれるのがこれらの選曲です。

　このブログを書くにあたって、改めてこのCDに付属したライナーノーツを読み返していると、私が撮った写真とリンクする部分もありました。

　『ライラックには雨が似合うという話で盛り上がったっけ。』

という一文が出てきて、私の家の窓辺にも、ちょうどライラックを飾っていたのです。失恋について語られた一説でしたが、たった200字程に小説の一場面のような景色が描かれ、なんだかドキリとしてしまいました。ライラックは、その花の重なる花弁の数ほど香るように、意外と強い香りの花です。しかし、それほど過激な匂いではなく、確かにライラックの香りは、雨のしっとりとした空気によく似合う気がします。

　そんな香りを感じながら、この穏やかな時間の流れるCDを聴いていると、雨のうっとおしさもどこかへ立ち消えていく気がします。

　今日のお話はこの辺で。また、私とおはなししましょう。

Copyright 2022 Chihiro Egoshi

オーダーメイド絵本　おはなしこよし

ココナラで「えごし ちひろ」として出品しています。