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魔王・櫻井敦司、魔界へ還る


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ついこの間ISSAY兄さんの訃報を受けて記事をアップしたばかりだと思うんだけれども……。


ぶっちゃけ我が目を疑ったよ、なんだよあっちゃんまで逝ってしまうって。

ここ数年、ドクターストップがかかったりコロナ陽性になったりと体調が不安視されてはいたけど、今年に入ってからは持ち直して精力的にコンサートを何本もこなしてたように思っていたのだが。

ISSAY兄さんの死因もよく分からんままだし、あっちゃんに至ってはステージ上で死すなんて無駄にカッコいいEDを迎えちゃってるし、このデカダン兄弟は最期までなんなんだと。

あっちゃんがこんなに早く魔界へ還ってしまうだなんて想像もしていなかったので、この不意打ちはキツ過ぎる。ISSAY兄さんの時は「哀しい」という気持ちが湧いたけど、今回はそんな感情すら湧かない。ただひたすらに "無" である。

前向きな寿に癒やされるも市川のおっちゃんがマジで心配

今回の意味の分からない訃報はなんとも受け止めがたいものだったけれども、それでも今井寿の「続ける」という宣言に少し心が癒やされた。

正直、過去にオイタしている寿兄さんの体調も心配ではあるのだけれども、まさかこんなに早くあっちゃんを見送る立場になるだなんて……。

そして何より心配なのが音楽ライターの市川哲史である。

デルジにしてもBUCK-TICKにしても、市川哲史が編集長を務めていた音楽雑誌『音楽と人』のメインコンテンツと言っていい存在だったし、事実この雑誌が中心となって生み出されたと言っても過言ではないISSAY兄さんの昭和デカダン歌謡曲カバーなんて名盤もある。

このアルバムの中で、ISSAY兄さんとあっちゃんは恋のハレルヤをデュエットしているのだが、この2人は昔から「デカダン兄弟」として有名だった。

自分のボーカルスタイルに悩んでいた若手時代のあっちゃんが、ISSAY兄さんのパントマイムを織り交ぜたパフォーマンスに大きな影響を受け、それ以降 "腐ったお姉さん達" がハァハァするような濃密な関係が続いていたのだ。

音楽と人では、そんな2人と市川哲史の酒飲み日記が連載されており、マジメな新曲紹介なんかよりそっちの方を目当てに読み込むという私のようなファンが日本中に生息していた。

そんな市川のおとうちゃんがあっちゃんの訃報を受けて書いた記事がこれなのだが、私は読み終えた時に「気を強く持って!」と不安になってしまった。

あのひとを食ったような、それでいて熱のこもった文体を得意としていた市川哲史がなんだこれ。ゴーストライターに書かせましたと言われても納得できないほどスカスカで他人行儀で、全く感情が伝わって来ない。

オレの知っている市川哲史は、こんな中身のない、wikiを見て新人ライターが書きました的な糞みたいな文章は書かないおっさんだったはずなんだが。

思えば市川のお父ちゃんは呑み仲間であったhideが亡くなった時にメンタルに大ダメージを負って、文筆活動もできなくなり、音楽と人を辞めてしまったという過去を持っている訳で、ISSAYあっちゃんと訃報が続いたいまどんな心境でいるのか本気で心配だ。

まだヨシキも大槻ケンヂも健在なんだし、ルナシーの兄さん達も元気そうだし、ぜひとも踏ん張って耐えて欲しいと切に願う。


純群馬産の気のいい田舎のあんちゃんだったからこその……

櫻井敦司といえば、ハーフでもクオーターでもなく奇跡の純群馬産である。群馬県民のDNAがどう化学変化したらああなるのか理解が及ばないが、事実なのだから仕方ない。

そんな群馬出身のバンドマン・アーティストは意外と大勢いるのだが、私の世代で言えばまずBOOWYが挙げられる。その後輩的なポジションにBUCK-TICKやパーソンズなどがいた訳だが、この辺りの群馬産アーティストの特徴として、ファンに対するサービス精神が過剰な点が挙げられると思う。

田舎のヤンキーによくある「味方に優しく」という精神なのだろうか。

バラエティ番組に喜んで出ちゃったり、妙な役どころのCMの仕事を平気で受けてしまう布袋さんをはじめ、ストイックな印象の強いヒムロックですら田舎のあんちゃん的な雰囲気が消し切れておらず、「ファンが喜ぶなら」とサービス精神を発揮してくれる。

BUCK-TICKもそうした群馬産の "田舎のあんちゃんメンタル" を抱えているバンドで、長いキャリアの中で生み出したとんでもない数のオリジナル曲を抱えているのに、古いファンのために超初期の楽曲を平気で演奏してくれたりと、ファンファーストな活動姿勢を貫いていた。

やってる事がメジャーとは思えないほどマニアックだったり、アングラだったり、時として海外バンドから「なんで?」と気味悪がられるほど前衛的すぎる事をやらかし続けて来たバンドなのに、いざライブとなるとファンのために全く毛色の違う初期の人気曲をやってくれる、そんな姿勢を持ち続けているのだ。

私はこれをちょっと王道の社会人ルートを踏み外しちゃった田舎のあんちゃんが故の、味方への過剰な優しさだと感じていた。

そしてその "味方への優しさ" が、あっちゃんの寿命を縮める結果になってしまったように思う。

一週間ほど前に、あっちゃんがライブの序盤で倒れて病院に運ばれたというニュースを目にして「おいおい大丈夫かよ」と思いつつ続報を気にしてはいたのだが、まさかその日の内に亡くなっていただなんて……。

このニュースを訃報、また当日ライブに行っていたというお客さんのツイートなどを照らし合わせてみると、あっちゃんはライブの1曲目の時点で階段すらまともに移動できないほど何かをおかしくしていた事が分かる。

おそらくその時点で脳幹出血しており、運動機能に著しい障害が出ていたのだろう。ところが、そんな体調であるのにあっちゃんは3曲目までやり終えたそうだ。

医療系の取材を何度かしている私としては、それが致命傷になってしまったように思う。

こんな言い方をしたらファンが傷付くのは百も承知だが、脳血管障害は発生から治療までの "秒の時間" が生死やその後の後遺症を決めるもの。

あっちゃん自身も、まさか脳幹出血しているなんて自覚はなかったから「目の前のファンのために」と無理をしてしまったのだろうが、結果としてそれが命を奪う最大の要因になってしまったのではなかろうか……。


ここ何年か私が若い頃に夢中になったミュージシャンの訃報が続いており、本当に精神的にしんどい。だってもう森岡賢もいないし、ISSAYもいないし、挙げ句に櫻井敦司までいないんだぜ?

hideちゃんなんかとっくにどっか逝っちゃったし、みんな早すぎるだろうよ。もうちょっとこの世に何か遺して行ってよ。

ISSAY兄さんとあっちゃんのデカダン兄弟に関して言えば、老いてなお色気があって、ますますデカダンスという言葉がしっくり来るような存在になっていたのに、どうしてそこでいきなり電源OFFみたいな真似をするかね。ファミスタで負けそうになった子供じゃないんだから電プチはやめなさいよ。

老いて枯れて、若い頃の美貌に陰りが見えて、そこからがデカダンの本番じゃないのかよと。兄さん達、せめてその「完成形」を見せてから逝ってよ。

なんだかもう気の利いた〆も思いつかないけれども、今は寿兄さんの「続けるよ」という言葉を糧に、なんとか立ち直れるように頑張ろうと思う。


余計な事を言ってやる

最後におまけとして余計な事を言っておこうと思うのだが、あっちゃんが魔界に還ってしまった今となっては、BUCK-TICKとしての活動は出来ないだろうと考えるひとが大多数だとは思う。

しかし、ここであっちゃんの純群馬産とは思えないビジュアルが活きる。

AIだよAI。あの完成されたルックスだからこそ、AIで違和感なく簡単に再現できるはずなんだよ。

それに音声にしても今は特定のアーティストの歌声に似せてボーカロイドに歌わせるなんて事も可能だし、その辺を割り切れば今後もあっちゃんの歌声とビジュアルでBUCK-TICKの楽曲を演奏し続けられるのではないだろうか。

どうせなら今後のBUCK-TICKにはそっち方面の実験も兼ねて活動を続けて欲しいなあ。モデルがあっちゃんなら何やっても格好が付くと思うんだよなあ……。


※ 本文ここまで
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