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[またインチキ児ポ論] 弁護士JPの児ポ記事が周回遅れで酷すぎる件(第1回)


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[またインチキ児ポ論] 弁護士JPの児ポ記事が周回遅れで酷すぎる件
第一回 https://note.com/oharan/n/n7e214b54d457
第二回 https://note.com/oharan/n/nde5c64e59dc5
第三回 https://note.com/oharan/n/n0c7b1adf144f
第四回  https://note.com/oharan/n/n34249630d72c



イライラしっぱなしなオレ様にこんなクソ記事を読ますな!

競馬が当たらなすぎて負の感情が際限なく溢れ出て来て止められない!(心のこもったご挨拶)

という訳で、JRAといいドバイといい競馬という競馬の調子が悪くて半ば発狂気味なワタクシなんですが、そんなメンタル最悪のタイミングで、神経を逆撫でしてくださる素晴らしい記事がXのTLに流れて参りました。

……いやあ、これはある意味ですごい記事よ。

直近の数年で議論されて来たことや、諸外国の実情など、ありとあらゆる「固いエビデンス」が無視され、とにかく日本下げ、オタク文化下げをしたいという感情が手に取るように分かるという逸品。

それほど長い記事ではないし、特に「うわぁ」と思う部分を抜き出して、昔よくやった "1行ずつ反論" のような形でツッコミを入れて差し上げたい。

かなり胸糞悪いと感じる方もおられるだろうが、頭を切り替え "面白い読み物" だと思って、元記事を一通り読んでみて欲しい。


弁護士JPへのツッコミは~じまるよ~

開幕からインチキだらけ……


この弁護士JPさん、記事タイトルのすぐ下に

「小児性愛」という病――それは、愛ではない

なんてタグ?があり、それをクリックすると似たようなベド叩き、チャイルドマレスター叩き……に乗っかって定義がザル過ぎる児ポ叩きを加えたような記事一覧に飛ぶ。

もうこの時点で「はい撤収」と言いたいところなのだが、いやしくも弁護士を名乗ったサイトでこのような「スティグマ拡散だけしかゴールがない情報」を垂れ流すのはいかがなものだろうか。

チャイルドマレスターはともかくとして、ロリ・ペド系のコンテンツを好むというだけなら、児童性愛者はイコール性犯罪者ではない。弁護士なのに、どうしてこの辺りの "当たり前の線引き" が出来ないのか不思議である。

そして記事冒頭のリード文がこれまたひどい。
たとえば……

年端も行かぬ幼い子どもを性の対象とする「小児性愛」の問題は、性をタブー視する日本社会のなかでも特に忌避され社会的議論につながってこなかった。

しかし近年、故ジャニー喜多川氏による男児への性加害が明らかになったほか、塾講師をはじめ教師やベビー(キッズ)シッターなど、子どもにとって身近な大人による加害行為も表面化してきた。

こんなの大嘘であるし、そもそもこれだけ短い文章なのに「見逃せない誤り」を内包している。ひとまず引用部分を前半・後半の2つに分けて考察したい。

まず前半部分から。小児性愛の問題が社会的議論につながって来なかったというのは明らかな間違いで、現時点で子供に対する犯罪は厳しく罰せられるようになっている。議論どころか、すでに何重にも刑法で網をかけられている状況だ。

この状況で「性のタブー視、社会的議論が忌避されてきた」と言うならば、その後に続く言葉は「小児性愛者にも人権がある」だとか「小児性愛やそうしたコンテンツに触れるだけで犯罪者扱いすることは間違いだ」といった、今現在多くの人々に植え付けられている価値観・嫌悪感などをひっくり返すような文面でないとおかしい。

↑ ここ、とても大事な話なのだけれども、理解できるだろうか?

そして後半部分のジャニー喜多川や教師・講師・ベビーシッターらによる子供への性犯罪の話だが、実は前半部分と後半部分で話が繋がっていない。

前半部分は子供への性犯罪について社会的議論がされて来たかどうかという話で、後半部分は「支配力を持ったオトナによる子供への犯罪行為が、密室化されて外から見えなくなってしまう」という問題について語られている。

そしてこの後半部分こそがこの記事全体を通しての最大のインチキであり、また逆に被害者を量産しかねない欠陥なのだ。

どういう事かと言うと、こうした支配力を持ったオトナが、密室的な状況で子供を毒牙にかけるというのは、ロリコンやペドフィリアといった性癖を持っているから実行するのではない。

自分が暴力で、また権力で支配できる相手が目の前にいれば、子供だろうが成人だろうが等しく獲物と認識する。小児性愛だけの問題ではなく、そういう支配欲に取り憑かれた人間が引き起こす犯罪でもあるという大事な点がすっぽりと抜け落ちてしまっているのだ。

ひとつ世界規模で通用する例を出すならば、カトリックの神父が何十年、ヘタをしたら100年単位で子供へ性的暴行や虐待を繰り返して来たというのは有名である。それこそ「ここ最近になってやっと世界各地で話がめくれて来た」という深刻な話だ。

これは日本でも何度か報道されているので、ご存知の方も多いはず。

wikiにまとまっている分だけでも目を通して欲しいのだが、弁護士JPの
言う "タブー視" だの「社会的議論が避けられて来た」というのは、まさにこういう話である。

じゃあ聞くけれども、カトリックの神父は小児性愛者しかおらんのか?

弁護士JPの周回遅れ記事を真に受けると、小児性愛者にだけ気をつければいい、そこだけ社会から排除すればいいという結論になると思うが、仮にそれが実現したとしても子供への性犯罪は撲滅できない。

何故なら真犯人は他にもいるからだ。

弁護士JPのような偏ったイデオロギーを元にインチキな記事を垂れ流すメディアの情報は、ノイズとなって自衛のための判断を鈍らせる。むしろ「読まない方が子供の身の安全が守れる」とまで言ってしまえるのである。

さて、まだ記事に付けられたタグと冒頭のリード文にしか触れていないのにこの有り様である……。

話が児童ポルノにすっ飛ぶ不思議

こんな始まり方でどのように話を展開させて行くのか読み進めていくと、案の定予想通りの胸糞展開が待っていた。

「現実とファンタジーの区別はつく」――児童ポルノを愛好する人たちの常套句(じょうとうく)ではありますが、果たして本当にそうでしょうか?

と、お約束のように児ポ叩きに移行してしまったのである。

いや、現実の子供に対する性犯罪の話はどこに行くんだ。ジャニーズや教師の話はなんだったのだろう。

日本ユニセフでは2008年に「なくそう! 子どもポルノ」キャンペーンを展開しました。そのときにアイルランドのエセル・クエール教授が寄稿した報告書の訳文を、「被害者のいない子どもポルノ?」として現在も同団体のHPで読むことができます。

その後はこのようにシレっと実際の児童に対する性犯罪と、被害者が存在しない2次元コンテンツなどをごちゃ混ぜにするインチキが発動するのだが、これについては日本ユニセフなどではなく、実際に現場で性犯罪の捜査にあたっているICPOの有名な声明があるので、それをご紹介したい。

2014年にICPOはこのような注意喚起を促した。「重大な犯罪には深刻な定義を」として「"児童ポルノ"(チャイルドポルノグラフィー)という呼び方は不適切であり、"児童性虐待記録物" と呼ぶべきだ」と。

https://mega80s.txt-nifty.com/ICPO.pdf
※ ICPOが発した原文と、うぐいすリボンが公開したその和訳

このように、ICPOは10年も前に「ポルノなんて呼び方で話を矮小化するな。それはむしろ児童はポルノとして消費するものなのだという刷り込みに繋がる」といった内容の警告をしていたのだ。

それを元に考えると、この弁護士JPの言動はあまりにも周回遅れである。日本ユニセフとICPOと、情報ソースとしてどちらが適切かは比べるまでもないだろう。

そして弁護士JPさんはこのように衝撃的な言動をし始める。

子どもポルノをオンラインで見るということと、(実際の子どもへの)接触犯罪を犯すということとの正確な関係ははっきりしていません

いきなり自分で「因果関係はハッキリしていない」と前置きするという予想外の展開。普通ならここで話が終わるようなものなのだが、弁護士JPのすごいところは、この前置きの後に児ポ叩きを続ける強メンタルである。

一例はアメリカのヘルナンデス氏による刑務所内の入所者に関する調査です。それによれば、実際に子どもポルノを受動的に視聴した人の76%が接触犯罪を犯していたというのです。

研究の方法論にも違いがあり、調査結果も様々です。例えば、視聴した者の12%が実際の犯罪を犯すというものから、40%が犯すというもの、さらにはヘルナンデス研究におけるように、80%近くが画像を見るだけではあきたらずに子どもに対して接触犯罪を犯したというように幅のある調査結果が出ているのです

これらは弁護士JPがネタ元にした書籍からの引用なのだが、統計データの取り方によって12%~76%と数字の幅が広く、これでは調査結果としてまったく信用ならないと受け取るのが常人だと思うのだが、弁護士JPさんは一味違う。

「これは、たいへん重要な指摘です」などとさも大事かのように受け止めてしまうのである。いやおまえ、12%~76%って、それは何のエビデンスにもなってないからな?

「証拠も実証データも何もありません」と言っているも同然なのに、どうしてこんな文章の後に持論を展開できるのか不思議で仕方がない。

先に紹介した、国内の児童ポルノ所持一斉摘発の新聞記事では870人中20人に強制わいせつなどの疑いがあったということでした。

続くこの部分もインチキだらけなのだが、とりあえずこの一文を細かく分けて解説しよう。

(1) 児ポ所持で摘発された870人のうち20人に
(2) 強制わいせつなどの
(3) 疑いがあった

まず(1)の870人の内の20人という時点で約2.3%である。しかもそれは「強制わいせつ罪などでも起訴された」といった話ではなく「疑いがあった」というだけで、何らかの余罪が確定したという書き方はされていない。

という事は、児ポ所持と実際の性犯罪との因果関係を見ると、2.3%から更に大幅に数字が下がる可能性が高いのだ。これはもはや「無関係です」と言ってしまった方が話が早いのではないだろうか。


……といったところで、予想通りツッコミ量が多すぎてクッソ長くなってしまう事が確定したので、申し訳ありませんが記事をいくつかに分けさせていただきます。

ひとまずこの1話は無料で公開しますので、応援してくださる方はぜひぜひ有料マガジンをご購入くださいませ。

(続)


※ 本文ここまで
以下はテンプレがあるだけなので、お布施してくださる方のみ有料マガジンをご購入ください。
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ちなみに、有料マガジン(500円/月)も記事単品も同価格ですので、マガジンのご購入をオススメしております。

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