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ついに自分との戦いに勝利し、数年ぶりに北極が食えた!

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いきなりでなんですが、蒙古タンメン中本のメニューの中で、最も味のバランスが良いものは "北極" だと思っている。

世間一般の尺度で考えたら蒙古タンメンやそれ以外の辛さ控えめメニューが候補に挙がるかもしれないが、若い頃から中本にヤラれ続け、立派な唐辛子ジャンキーになってしまった板橋っ子(元)としては、「どうせ中本行くなら北極か冷やし味噌食うべ?」という二択になってしまうのである。

正直さ、激辛系を食べないのであれば、別に中本じゃなくてもいいじゃん。

これは私が20代の頃、まだ初代の中本のおとうちゃんの店に行っていた時から思っていた事なのだが、仲宿・大山エリアから、わざわざ上板橋くんだりまでチャリンコ飛ばして行くのだから、「中本じゃないと食えない物」を頼むに決まってるよね。

辛いラーメンを頼まないなら、川越街道を大山から上板橋に進む間に、美味しいラーメン屋・町中華はいくつもあったので、そこに吸い込まれる方が近くていい。

例えば中本にほど近い場所でいえばこことか。大盛りを頼むと殺意のこもった洗面器サイズのタンメンを出して来る事に定評のある白くま。
また瓶ビールが750円(十数年前)と高いのだが、その理由は「1本につき1皿豪華なツマミが付いてくるから」なんて笑いどころもある。よって下手におかわりをしてしまうとツマミ盛りだけ何皿も貯まってしまうのだ(ツマミを断るのはご法度)。

白根体制の中本になってからの最大のライバルは大山の龍神だった。2015年頃にときわ台に移転してしまったけれども、長きに渡り川越街道の関所として、オレの中本行きを阻んでいた名店である。

龍神を無事にやり過ごしたとしても、そのすぐ先に町中華(居酒屋)として地元民に愛されていたハンサムラーメンがあった。ちょっとお酒を飲んでお腹も膨らませたいとなったらここの出番。

それを超えても、大山エリアの最後の砦である時ちゃんラーメンが餃子と四川風担々麺(自称)を携えて待ち構えている訳で、そりゃ「今日は絶対に冷やし味噌を食うぞ!」という強い意志がなければ大山から先に行けないわ。

ちなみに、もう少し後の時代になると環七と川越街道がぶつかる少し手前に愚直という名店が誕生してしまい、さらに中本行きが危うくなってしまった。

板橋ってこんな具合に街道ラーメン文化には非常に恵まれていたので、折角中本に辿り着いたならば、大好きな冷やし味噌を食べておかないと勿体なくて後悔してしまうのである。

「味噌タンメンなんて食うなら龍神でねりごまつけ麺の中辛・中盛・冷盛を食うべきだったじゃねえか!」と、何度中本からの帰り道に悔やし涙を流した事か。

それだけならまだしも、悔しさのあまり気が狂い、そのまま龍神をハシゴし、そんな生活が祟って気付いた時には体重が90kgを超え、ちょっとしたインディー団体のレスラーのような図体になってしまった時期もあった。

ちなみにこれは川越街道の話であって、交差する環七の方にも家系ラーメンの武蔵家、味噌ラーメンの味噌一、伝説の土佐っ子の後継者・平太周といった強敵が控えていた。
これらの競合の誘惑を振り切るには、冷やし味噌・北極といった強烈な目的が必須だったのだ。

相変わらず話が長くなりましたが、アタクシはそんな状況で生きていたため、未だに中本に行くと反射的に最も辛いメニューを頼んでしまうのでございます。どうしてもクセが抜けないの……。

ただ、最も辛いメニュー(※グランドメニューに限る)である北極と冷やし味噌には、とても大きな違いがある。

それは【食べやすさ】だ。

冒頭で述べたように、私は中本の激辛メニューで最も味の完成度が高いのは北極だと思っているのだが、北極には致命的な欠点がある。

アイツ、味は良いんだけど熱くて食い難いのよ。

それにいくら唐辛子耐性が強くても、喉に張り付いたらむせるに決まってるじゃん。中本スキルが未熟だった若い頃には、何度も何度もむせて口に入れた麺を吐き出して大変な目に遭った。

それを防ぐには、箸で予め麺を一口大にまとめて、それをすすらずに一口で食べるといった技術が必要なのだが、私は猫舌気味なので、そんな食べ方をしていたら時間がかかり、麺が伸びてヘナヘナになってしまうのだ。

そんな理由から、私は味は北極が一番好きなのに、食べやすさから冷やし味噌を食べ続ける事になってしまったのである。

いつだったか何かの記事にも書いたが、私はコレと決めたら同じ物ばかり頼んでしまう超絶保守的な人間なので、ここ何年も中本に行く度に冷やし味噌冷やし味噌冷やし味噌冷やし味噌冷やし味噌冷やし味噌……。
たま~に「今日は北極を食うぞ!」と意気込んで入店しても、券売機の前に立った途端に "冷やし味噌" の文字列を探して、反射的にボタンを押してしまうアタイ。

そんな事を繰り返していたら、「たまには北極を食べたいな」という願いが数年間も叶わずにいたのである。

なんだこのあまりにも無駄なびっくり長文は……。

急に我にかえったところで本題に移るが、この日のオレは決死の覚悟を決めていた。今日こそは数年ぶりに北極を食うと。
もうだいぶ暖かくなって来ているし、このタイミングを逃すとまた「今日は気候がいいから冷やし味噌にしておこう」なんて考えてしまうに決まってる。

鋼鉄の意志を曲げず、無事に券売機の "北極ボタン" を押せた時に、思わずガッツポーズをしそうになった。お冷をちびちび飲みながら、「やっと念願の北極が食べられるんだ」とそわそわ。

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