第5回 初ゲスト!えりさん

のりぞー:第5回の今回は、なんと初のゲストをお迎えして、私たちも色々聞きたい事があるので、素敵女性にアドバイスを頂きつつ、お話を聞ければと思います。
今日のゲストのえりさんは、一緒に進めてるえりちゃんとは違うえりさんで、私たちのビジネススクールの先輩にあたる方です。日本での働いた経験を経て、ロンドンのビジネススクールに通われて、それからロンドンでお仕事されているという素敵な方です。今日はお願いします。

えりさん:よろしくお願いします。

のりぞー:えりさん、簡単に自己紹介をして頂けますか?

えりさん:私はいわゆる帰国子女で、スイスで生まれて、その後パリに住んで、幼稚園から日本で、13歳まで日本でそれからデンマークに行って、高校はイギリスに行って、大学から日本に戻って、日本で7年間コンサルをやったりとか、会計事務所の小さいところへ行ったりとかして、それでどうしてもどうしてもロンドンに帰ってきたくて、2004年にMBAをやるために、いえ、MBAをやるためにじゃなくて、ロンドンに帰ってくるためにMBAをやったっていう。

のりぞー:結構珍しい動機ですよね?

えりさん:そうですね、色んな人に聞いて回って、どうやったらロンドンに帰れるんだろうって言うのを、それこそどこか支店で雇ってもらえませんかとか、場合によっては潜りで行ってもいい位の感じ。

のりぞー:コンテナ船に忍び込むとか?(笑)

えりさん:はい(笑)ま、それ位帰ってきたくて、思春期過ごした所だから。で、その時にもうちょっとちゃんと冷静な人が、ビジネススクールに行けばいいんじゃないの?って言われて。そしたらビザも取れるし、そのまま仕事を見つけられるかもしれないから、って言われて。

のりぞー:キャリアの中断にならないで、キャリアアップになるから。

えりさん:そうそう。で、MBAって何ですか?みたいな感じで私はそこから(笑)。で、来て、夢が叶ってというか、そのままいて、卒業した時もロンドンにいるのが目的だったから、どの仕事するとか関係なくて、場所がロンドンだった所から貰ったオファーを取った。全然興味があった仕事でもなければ、得意な仕事でもなくて、割と得意な方な仕事に近いオファーはリヒテンシュタインだった。でも、ロンドンに来るのが目的だったからそこへ行って、でも全然得意じゃない仕事を選んでいるから、全然出来なくって、その後レバノン人達の資産運用みたいな会社に行き、その後スタートアップに入り、そのスタートアップを大きくして、最初20人位の会社が7年で500人近くになったんですけど。

のりぞー:結構有名なスタートアップですよね。

えりさん:そうですね。で、それやって、やりながらもう一個スタートアップ手伝ったりとかもしてっていう、スタートアップ漬けの事をずっと大体ファイナンスディレクターとかCFOっていう肩書きでやって、で、今はプータロ―(笑)。

のりぞー:スペック高いな~このプータロ―(笑)

えりさん:あ、でその後にちょっとだけスタートアップじゃないような所に入って、スポーツメディアの、スポーツの放映権の所に入って、そこでCFOやって、でも1ヵ月前に辞めて、今一応自分のビジネスを立ち上げ中ですけど、でもまだまだそれはビジネスと言えるものではなく、半分趣味のような感じの事をやりながら、まぁそれがあるからギリギリプータロ―じゃない、一応やってることがあるっていう。

のりぞー:どちらかというとアントレプレナーですよね。

えりさん:なんちゃってアントレプレナーで、要は働いてないんですっていう(笑)

のりぞー:自分の会社で働いてるんですよね(笑)

えりさん:そう、それでこれからどうしようかなっていう感じですね。とりあえず数カ月は、これからどうしようかなって言うのを考える、多分このリスナーが20代30代、それよりは大分上ですけど、また新たなステージというか、ここで何を決めるかで、これでまた5~6年やったらもう本当に50とか近くなってきちゃったりするから、その前に成り行きでやらないで、ちょっと休憩して次を決めようかなぁっていう感じですね。

のりぞー:多分、日本にいる20代30代で、毎日会社に通っている人たちに比べると、えりさんのいる今って、すごく遠いと思うんですね。でも元々えりさんも日本の会社で働いてらっしゃって、そこから今に至るまでに色んな紆余曲折と言ったら失礼かもしれないですが、チャレンジを沢山して上手くいかなかったり上手くいったりしながら、段々すごい積み上げて来て、すごく有名なベンチャーのCFOをやられたりとかもしていて。
20代で日本の会社で働いてました、今自分の会社をスタートしてCFOもやって、みたいな事の間で自分なりに大事にしていたこととかってあります?

えりさん:途中ですごく良いアドバイスを貰ったのが、割と若い頃って色々キャリアを悩んだ時に、シミュレーションをしがちっていうか、この道に行ったら2年後にこのルートに行けるかもとか、私だったらベンチャーキャピタル行こうかな、スタートアップ行こうかな、でもベンチャーでこのポジション付いたら次にこうなるのかな、とか結構自分のキャリアを割と長期にシミュレーションして決めようとする。
それで人に相談をしていた時に、それこそ自分のプライオリティも変われば、世の中も変わるからシミュレーションなんて本当に無意味だよ、ってすごく年上の方に言われて。その方も面白いキャリアで、その人にシミュレーションなんて無意味だから、とりあえずこの仕事、とか、なんでも仕事でも機会でも、この先1年間これで楽しめるか、それだけで決めればいいよって。それで1年経ったら、また自分のこだわりも変わってるだろうし、なので割とそれを心にして、だからあんまりシミュレーションとかをせず、あ~なんか本当にそういうことなんだなと思って。

のりぞー:そこをくぐり抜けた人にしかできないコメントですよね。

えり:こっちに来て驚いたのは、皆キャリアに対する考え方がすごく柔軟。パートナーがこっちで仕事したいって言ってるから私も一緒に行こうかなとか、すごくフレキシブルなので、すごくびっくりしましたね。
日本にいるとそういう考えにあまり至らないので。

えりさん:キャリアへの向き合い方が違いますよね。あと、割と自分も商品っていう意識が強い気がしません?だから、いかに自分の商品価値を上げるか、っていう発想でキャリア意識が強い人って言うのは、そこに意識を置いてる。

のりぞー:自分のブランド価値をどう上げていくかっていう。

えりさん:あとは会社との契約関係だから、自分はこれが出せますよ、これに対して対価だったり、いくらくれるんですかとか。

のりぞー:この時はすごいやばかったとか、ハラハラしたとか何かあります?

えりさん:この時はハラハラっていうか、本当にどうやったらそうなれるんだろう、とか、分かんないって言うことの方が多くて、でも絶対こうしたいっていう想いがすごく強くて。
で、割とやみくもに、って言うかチャレンジして何とかなった。例えばで言うと、私はどうしてもイギリスに帰ってきたかったから、でもイギリスに帰ってくるにはバイリンガルです位だと、別に仕事ないから、何か手に職を付けないといけないんだなと思って。
その時にイギリスの新聞とかで求人ってどういうのがあるんだろうって見たら、その頃はITか会計周りだったんで、じゃあなんか会計やってみようかなと思ったんですよね。
で、その会計の会社に入るのも、それこそ大きい会計事務所なんて大学の時からその道にいないと入れないから、急に卒業して1年位ブランクがあって、別に会計士の資格を取った訳でもなくて、それでやりたいでーすって言ってもやれる感じじゃないじゃないですか。ちょうどその時にアメリカの会計士の資格を勉強してて、何をしたかというと、街を歩いてて、大大手は無理だけど、綺麗なビルに入ってる会計事務所に履歴書を片っ端から送ってみたの。私こう言う者ですけど、これこれこういうスキルを持ってましてって、オープニングありますか?って言うのをやったら、やっぱり親切な人は親切なもので、返事をくれる人は結構いて、例えば、自分の会計事務所は無いけど、僕のお客さんの財務部経理部でこういう人を欲しがってるから紹介しましょうか?とか、あとは紹介は出来ないけど、あなただったらこういう場所を狙うべきですよ、とかっていうアドバイスをくれたりとか。

のりぞー:全くの他人ですよね?

えりさん:そうそう。だから若い人へのメッセージっていうのは、言ってみるものだという事。多分自分が逆の立場になってみたら、相談されて悪い気ってしない。別にお金出してって言ってるわけじゃなくて、ちょろちょろって1時間お話しして、ためになったり力になれる位の事だったら、人って意外とやるんですよね。

のりぞー:でも確かに、その視点を持って、新卒で今ちょうど就職活動始まってるけど、企業説明会行くの嫌だな、疲れるなとか思ってる人達に、こういう方法もあるんだよって伝えてあげたいね。別にリクルートスーツ着て説明会行くことだけが就活じゃなくて、綺麗なビルに入ってる事務所に履歴書送るのも有りなんだよって教えてあげたい。

えりさん:それこそインターンとかも、皆結構ロンドン来てインターンとか就職活動、それも私はPEやそっち系に行きたいなと思って、また勝手にコールドコールというか、会ったこともない人たちに。とりあえず日本人とかだったら興味持ってもらえるかなって、日本人がいるような所に声かけてみたりとか、で見つかり。

のりぞー:いや、簡単に言ってますけど、えりさんが見つけて切り開いたインターンって今でもうちの大学院の、それこそPE行きたい人たちが殺到している今。私のスタディグループメイトもこの前PE受けるって言ってたから、どこ受けるの?って聞いたら、えりさんがインターンしてた所で、えりさんがインターン第1号なんですよね?

えりさん:そう。それこそ人事の人たちはインターンって何?みたいな感じ。

のりぞー:えりさんがこじ開けた扉に、今皆が殺到しているっていう(笑)ついつい与えられた選択肢の中からどれにしよう?これの中で言ったらこれがベストかなって思いがちだけど、全然関係ない所から自分で切り開くえりさんみたいな方もいるんだな。

えりさん:多分私の周りにもいるけど、1回そのやり方を知ってしまうと、それに対するハードルが下がって、別に何も…最悪の事態って無視されて終わるだけで、それ以上悪いことは起こらないっていうか、もう二度と会わない人にうっとうしいなって思われたってなにも減るものはない(笑)

のりぞー:強い!素晴らしい!

えりさん:っていう感じで、意外と何とかなるよっていう、その時その時のポイントで。あと、相談してみたりとか、助けてくださいっていうのは私は大事なのかなって。人って結構手を貸してくれるし。

えり:今日まさに授業でやったんで、今ビビッと来ました。人は意外と助けてくれるよって言うのをまさに今日やったところで。

のりぞー:そういう意味では私もえりさんにすごく助けて頂いてて、スタートアップってどういう仕事の進め方をしているのかとか、大企業しか知らなくて、でも今って新しい事業とかってスタートアップからボンボン出て来てるから、そのやり方知りたいと思って、でも伝手ないなぁと思ってたらえりさんと出会って。今コネクションなくてって話をしてたら、急に知り合いを沢山紹介して頂いて、そこからガーっと広がって色んな人にお会い出来たりとか。

えりさん:そうやって有り難いって言ってもらえるけど、ある意味私からしたら10分位のE-mailで終わる内容じゃないですか、でも役に立った~ってちょっと嬉しい感じにもなるから、そんなに嫌なものじゃないし、迷惑って人は思わないし、助けてくださいって言うのってすごい大事。大事って言うか、言ってOK。

えり:変にプライドとか気にしちゃって、なかなか助けを求めるって意外と出来ないよね。

のりぞー:あと、人に助けてくださいって言う時って、何を助けてほしいのかな私は、って考えるから、その考える行為が実は結構大事な気がしていて、そこで自分がやりたい事って何だっけ?とか、今足りてないのどこだっけ?って言うのが、段々クリアになってくるって言うのは感じますね。

えりさん:別にその時その時絶対会計事務所行きたいとか、絶対こういうのがいいってやってきたけど、じゃあ私が10年前にこうなりたいって思ってた感じになってるかって言うと、全然違う風に行ってるわけで、まさか今プータロ―とは思ってない。
だから矛盾した言い方になっちゃうけど、短期ベースで目指すものがあるのはいいことだけど、それが出来なかったらダメな訳でもないし、多分10年後にはもっと違う事が全然大事になってるし。

のりぞー:MBA来る前に考えてた自分の未来像とかって、今こっち来てまた世界広がってみると、全然違う見え方をしてる。

えりさん:そうそう、そこじゃなくても良かったのかな、とか、それこそうちの母とか子どもがいるわけじゃないですか。若い頃って子どもが欲しくて欲しくてって、でもだんだんおばあさんになってきたら、結論どっちでも大丈夫だったかもって。色んな人を見て幸せの形って1つじゃないし、でもその時ってそれが1番の幸せで、それ以外って有り得ないって思ってるけど。

えり:なんとなく思い込んじゃってますよね。周りの人からのプレッシャーも勝手に自分で感じちゃったり。

のりぞー:特に社会で言われる成功の定義みたいなものを、20代の前半って言うのはすごい私は気にしていないつもりだったけど意識していて、今から見ると例えば就職活動は大手がいいとか、全然私親のために就活してるつもりとか全くなかったけど、色々なことを総合して考えると、やっぱりみんながいいっていう所が良さそうに見える。安全な感じ。
そこまで自分って何がしたいの?とか、人生におけるパッションが何なのか?とかそういう目線じゃなかった気がするんだよね、新卒の時って。それは今ちょっと今反省してるというか、その時にえりさんみたいなマインドセット持ててたら、何してたんだろうな~って。結論はわかんないけど。

えり:同じかもしれないけど、そのプロセス経たかって言うのは大事だよね。

えりさん:でもきっとその時はそれが1番大切な事だったわけだから。皆が皆パッショネイトに生きなくてもいい。なんかそういうストーリーばっかりが表に出るから、情熱を持ってやりがいを見つけて、それが正しい感じになってるけど、そういうためだけに皆が生まれて来てるわけではないって言うか、なんとなく社会のプレッシャーに押されながら、なんとなく選んじゃってるっていうのもNOではないし。

のりぞー:えりさんって、インクルーシブな人の例みたいな、どんな人でも受け入れてくれる安心感がすごくある。

えり:ジャッジしないってすごい難しいと思うんですよ。それは昔からなんですか?

えりさん:自分の感覚がいかに当てにならないかって言うのが、年々年を取れば取るほどそれが証明されてきちゃったって言うか。

のりぞー:すごい謙虚ですよね。

えり:なんかもっとゴリゴリ、私はこう成功しましたみたいな感じで書いてたり出たりしててもいいのに。

のりぞー:やられてることはすごくて、すごく沢山の扉をこじ開けて来てるのに、いや偶然偶然って言いながらゆるりとしていらっしゃる。

えりさん:人の感覚ってそんなに当てにならない。私日記を数年前からつけてて、数年前のを読んだ時に、何が起こってたのかもよく分からなかったりとか、ポイントがもう分からない(笑)。

えり:そういう観点で日記をつけるの面白いですね。

えりさん:それで、あ、自分の感覚って当てにならないんだっていう事に安心して。私は穏やかな人ではないので(笑)

のりぞー:穏やかな面しか見たことないけど(笑)

えりさん:全然そうではないので、別にカーっとなったりとか、絶対こうじゃなきゃ!とかやってるけど、そういう時に、あ、でもこの感覚って絶対じゃないんだなって言うのをちょっと知ってる。

えり:常に自分の中にそれがあるだけでも違いますよね。

のりぞー:第三者がいる感じですよね。

えりさん:確かにそれはすごく助かる。あとは、例えば誰かと会ってこの人苦手だなと思っても、久々に会う時にもしかしてその苦手だなって思ってた感情も当てにならない感情だったのかなって思って、一応まっさらな状態で会うと、本当に変わって行ったりするじゃないですか。

えり:そうですね、向こうも変わってるし。

えりさん:相手が変わったし、自分も何か大人になって、あれ?私何を見てたんだろう?っていう事が年を取ってくると何回かそういう経験をして、ますます自分の感覚が当てにならない(笑)。それを知ってると逆に力になるというか。

のりぞー:学びが多いな今日は。

えり:こんな人が近くにいてくれたらと思う人と出会えて本当に幸せ。

のりぞー:すごい幸せ。

えり:なかなかやっぱりメンターになってくれる人とかいない。

のりぞー:あ、でも意外と助けてくださいって言ったらいるかもよ。やってみることだねまず。

えり:悩んでる人は、こういう風になりたいなと思ってる人がいたら、フェイスブックでもなんでも今連絡取れるから、思い切って連絡してみたら意外と会えちゃったり。

のりぞー:意外とアドバイスくれたり。

えりさん:そうそうそう。私もメンター認定してる人いっぱいいる。この件はこの人に相談しようとか。

のりぞー:じゃぁ私たちもえりさんを勝手にメンター認定させて頂いて(笑)

えり:だね。

のりぞー:というわけで、今日は素敵な先輩であるえりさんをお迎えして、アドバイスを沢山もらいました。それではみなさんまた次回。さようなら~!



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