第7回 20代後半のもやもやについて

のりぞー:今回は20代後半のモヤモヤについてお届けしたいと思います。

えり:なるほど~!

のりぞー:最近ポッドキャストとかやるようになって、前よりもMBAについて知りたいってアプローチしてくる子が増えてない?私はちょっと増えた。

えり:最近そうだね、何人か。特に女性の志望者からどんな感じか聞かせてほしいって言うのはある。

のりぞー:前より結構増えてて、興味あるんですけど、とか。それで話をしているとすごく自分と似た子がいてハッとして。ちょっと前の話なので記憶が薄れて来てたんだけど、20代後半って色々悩んでなと思って。

えり:20代後半って一番モヤモヤするよね。仕事も慣れて来て、ちょっとずつハンドリング出来ることも増えて来て、かつ、自分のライフイベントみたいなのも気になったりして。

のりぞー:周りも結婚や出産し出したりとかね。仕事も頑張ります!みたいな新人の爽やかさと笑顔と、とにかく一生懸命みたいなのでやってきたあたりが、だんだん壁にぶち当たるっていう(笑)

えり:もうそれが許されない年齢に入っていくしね。

のりぞー:一生懸命やって結果を出さなきゃいけない、みたいな辺りに差し掛かってきて。周りを見るとあの子は結婚してるとか、あの子は私より仕事が出来るとか、私より早く海外の研修員に行ったとか、そういうモヤモヤなかった?

えり:すごいあった。
自分もすごくいい環境で仕事をさせてもらってて、周りの人からしたらいいな、って言われてりするんだけど、それって全然分かってない!って思ってて。自分ばっかり何でこんなにチャンスがもらえないんだろうとか、出来てないことばかりに注目して数を数えて、1個ずつどうやってつぶしていこうみたいな感じで。
元々が負けず嫌いな性格もあるし、多分のりちゃんもそうだと思うけど。
それが原動力にはなってたんだけど、自分の向上心みたいなものに繋がった部分もあるから。
だけどそれって気持ちとしてはネガティブな感じで、あんまり健康的じゃない感じがするよね。

のりぞー:なるほどね。
自分や誰かに負けたくないとか、そういう気持ちを持ってすごく突き進んでいって、前進する手応えが得られ続けるのは20代中盤・後半に差し掛かるくらいまでだったような気がする。常に自分より何かできてる人をベンチマークして、そこに向けて私も頑張らなきゃ!と、ひたすら努力をするようなやり方をやっていて。
ただ、はたと気付くと20代後半で、そろそろこの先の人生の身の振り方を考える時期が来たぞと、急に立ち止まる瞬間がある。恐らく幸せの定義というのが、早い人は20代前半とかでも到達するんだろうけど、今までいい成績を取ろう、いい大学に行こう、良い会社に就職しようみたいな、みんなと同じような尺度を持って頑張って高みを目指すみたいなものが、自分の人生のゴールと果たして一致してるんだろうか、と言う事に段々気付き始める、というか避けられなくなる。
特に女性は出産とか意識し始めると、私ってどういう生き方したかったんだっけ?みたいな所に立ち返って悶々とするのが20代後半なんじゃないかな。

えり:そうだね、30手前にして一回考えるよね。

のりぞー:私が、もし今そうやって悩んでる20代後半の子に伝えたいメッセージがあるとすれば、30代からは右肩上がりに楽しいから心配しないで!

えり:どこかで吹っ切れるタイミングが来ると思う。私は完全に吹っ切れたかって言うと分からないけど、MBAに来た事が私にとっては1つ大きなきっかけで。

のりぞー:モヤモヤから抜けた?

えり:かな。そんな気がする。自分がどれだけ恵まれているかと言う事をまず認識すると言う事と、今ある自分で戦っていくしかない、やってくしかないって言う事を改めて認識する。

のりぞー:ゴールとかは変わった?MBA来る前と来た後で、こういう人間でいたいとか、こういう人生を歩みたいとか。

えり:まだはっきりとしたゴールみたいなのは見えて無いけど、もちろん仕事も家庭も一生懸命両立していきたいけど、人を頼る所は頼っちゃおうかなとか、少し力を抜いて考えられるようになったかも。
何でも100%完璧じゃなくていいんだ、周りも助けを求めれば助けてくれたりするから、出来ないことは出来ないと言っちゃうことも1つ。

のりぞー:出来ないんですって言うのも強さだよね。
出来ないってなかなか言えないシチュエーションあったりするじゃない?

えり:あるある。
特に、頑張ってる女性は、私がここで出来ないって言っちゃうと、例えば女性だからと思われちゃうとか、周りに迷惑かけちゃうとか、そういう風に責任感が強いから、男性もそういう所あるかもしれないんだけど。
特に女性が少ない環境で働いてる人とかだと、女性代表みたいな感じで見られちゃったりするじゃない?私の年代だとまだ部署に女の人1人みたいなケースが結構あったりすると、私が何か失敗したら、また女だからこうやって失敗するんじゃないかと思われるんじゃないとか思っちゃう。

のりぞー:周りが思ってなくても自分で気負っちゃうってことか。

えり:そうそう。だからここで出来ないと言ってはいけない、とか、変な話ここでゴルフに行かないと言ってはだめだみたいな(笑)最初はあった、そういうのが。

のりぞー:仕事の部分でなかなか成果が出せてないと、せめて組織の中で頑張ってるねって言われるように一生懸命自分自身の時間とかメンタルをコミットして、評価されたいみたいなのがあるのかもね。

えり:でも男性もかなり時間コミットしてやってたから、若いうちは皆そうなのかもしれないけどね。特に女性が少ない職場だとそれがより強い傾向にあるかもしれないなと思う。
でもそこって別にあなたが背負ってるものではないからって言ってあげたい、もしそういう人がいたら。

のりぞー:でも少なからずみんな頑張ってると思うんだよね、色んな職場で。

えり:そうなんだよね。だから自分がそれで良ければ、というか自分のゴールにそれをやることが向かっていく一歩だったら別にいいと思うんだけど、本当にそうかな?って1回考えてみるのもいいかなと思う。

のりぞー:なるほどね。
私は、自分は多分こういう人間って思ってる自分と、実態の、恥ずかしい所とか情けない所とかも含めた自分って言うのが、結構離れた所にあったんだよね20代の前半とかは。気付かず無意識に。
私ってこうって思ってる自分像と、実態はもっと情けなくて、結構恥ずかしいんだけど、そこがだんだんにじり寄って来る経験をして、20代中・後半~30代前半にかけて、いくつも印象的な出来事はあったんだけど、その経験を経てそれがガンッガンッと寄ってきて、最後1個にガッシャーンとなる。
まだなりきってない部分もあるんだけど、それが1個になってない時は、何で私あれも出来ないこれも出来ない頑張らなきゃみたいな、自分の不得手な所とか苦手な所だけにフォーカスが行っちゃってて、多分出来てる所もあるんだけど、それよりも出来てない所の方がすごく大きく見えちゃって。
それで何か変にコンプレックスというか自信がなくて、逆に強がるために陰でめちゃくちゃ努力しちゃったりとか、外では平気な顔してみたりとか。
自分が出来てないことは自分が1番分かってるんだけど、自分自身でも認めたくなくて、また頑張っちゃてやりすぎて倒れるとか。そういうのがあったな。ある程度何か出来ないことが出来るようになるために頑張るって言うのは良いことなんだけど、やっぱり苦手な事ってあるじゃん?どう頑張っても、他のそれが得意な人より上手くできるようにならないみたいな事を、だんだん認識してきて。
じゃぁ自分の得意な事って何なんだろう?とか、どうしたら人の役に立てるんだろうとか、チームどうやって組んで自分はそこで何やればいいんだろうとか、冷静に自分の得意不得意を知った上で、得意なことを上手く出して、皆の力になりながら苦手なことはサポートしてもらおう、っていうのをようやくしっかり認識してやろうとしてる。
MBAの授業とかグループワークとかでも実験してるし、そういうのが30代な気がする。

えり:MBAの最初の授業って、自分の強みと弱みを認識するのにすっごく時間をかけるんだよね。嫌なんだよね、あれって自分に向き合わなくちゃいけないから。

のりぞー:私は結構今までの過程で向き合わなきゃいけない経験をくぐってきて、それで向き合えずに失敗しちゃった事も沢山あるけど、その中で何となくうっすら感じてましたみたいな、言われましたねついにみたいな。

えり:授業を受けた後の先生とかのアドバイスも、結局良い所をどう伸ばすかを考えましょうという事だよね。
リーダーシップとか一言でいうと色んな定義があって難しいけど、色んなスタイルがあるから、あなたがどういうスタイルかって言うのをまず見極めましょうっていうのと、他の違う強みとか弱みを持った人がチームに入って来た時に、どうやってそのチームを1つの同じゴールに向かってやっていけばいいのかを考えましょうっていう感じなんだよね。
だから、自分が頑張りましょうじゃないんだよね。

のりぞー:日本の大きな会社にいると、ジェネラリストとして全てをそつなくこなせるようにならなきゃと思ってしまう。そういうの出来る先輩も結構いるから、それと比較して自分は、、、みたいに思っちゃうんだよね。

えり:いつもそこでね、あ―こんなことも出来ないこんなことも出来ない、先輩すごーいってなっちゃうんだよね。

のりぞー:でも先輩も実は悩んでたりとか、苦労してたりとか、裏でめちゃくちゃ努力してたりとか。実は結構抜けてる所もあったり。

えり:それがまた人間らしくて素敵だけどね。

のりぞー:自分は完璧な人間にならなきゃ!みたいなのはだんだん取れて来て、ありのまま等身大で出来る事をしっかりやっていこうみたいな、地に足がつくのかな?

えり:そうかもしれないね。

のりぞー:そうなってくると、また逆に色々楽しいんだよね。

えり:そうかもしれない。自分を受け入れて。

のりぞー:そうそう、ダメな所も良い所も受け入れて、ヨッシャーやってくかみたいな。

えり:で、出来ないことは出来ないなりに、放置するんじゃなくて少しでも平均位に出来るようになるようにちょっと努力してみるとかね。

のりぞー:一方で時間って限られてるから、自分は今後何がしたくて、そのためにはどこを伸ばしてどこを補わなきゃいけないのかなっていう優先順位をだんだん付けられるようになってきたかなっていう気はするかな。
全部やらなきゃ、でもできない、時間もないし、とりあえず睡眠削ってみたいなのをやって無理して頑張ってた当時の自分に会ったら、大丈夫楽しくなるからって言いたい。
でも、その経験があるから今楽しいのかもしれないけどね。

えり:ある一定の時期一生懸命やって、壁にぶつかりながら訳も分からずやるみたいな時期も必要だし、その後に一旦立ち止まってみて、もしすごい悩んでたら、今自分がどういう環境にいて、どういう強みがあってってポジティブな方にフォーカスしてみるっていうのも1つ。
人に聞いてみてもいいしね、私ってどう見えてます?って思い切って聞いてみる。多分真剣に答えてくれる人何人かいると思うんだよね。

のりぞー:就活の時の自己分析みたいな感じかもね。
ちなみに個人的に思うのは、私ってライフステージ変わる前にそういう経験をできて、割と等身大の自分に気が付いた上で、じゃぁライフスタイル変えていきましょうかみたいな感じなので、結婚しましょうとか子ども作りましょうとかそういうのの手前で己と向き合うみたいなのを終えているというか、ある程度方向が確認できたなぁと思うんだけど、逆にそこを確認する前の段階で結婚してるじゃないえりちゃんって。しかも子どももいるじゃん。それって順番こうだったらよかったなぁとか思う?それとも逆にそれは一緒に学べたなぁとか。

えり:結婚自体はそんなに自分の生活を激変させた訳ではなく、仕事を続けたいっていう気持ちは元々持ってて、それを彼も理解した上で結婚したから。

のりぞー:すり合わせ済んでましたと。

えり:そうそう、そこはね。
でも流石にMBAに行くとは思ってなかったと思うんだけど海外に。その時はね。

のりぞー:結構寝耳に水みたいな感じだったの?

えり:多分そうだと思う。
やりたかったらやれば?って言ってくれたんだけど、多分最初は冗談だと思ってたと思う。それがちょうど30歳位の時だったから、結構年齢的にも子どもどうするの?とか色々悩む時期じゃない?

のりぞー:あれもこれもそれもの中の、結構大きな2つだよね。

えり:でもここでもし諦めたら、絶対後悔するって自分で分かってたから。

のりぞー:自分に対してここは負けられないみたいな?

えり:だから2年くらい待ってみたいな感じで、そこはもうお互い話して。常に話はして、お互いどういうビジョンがあって、何年後にこういう感じでしていきたいね、みたいな家族計画みたいなのは常に話し合うようにはしてる。

のりぞー:良い家族だね。

えり:それで幸いにも子どもに恵まれたタイミングで留学したから、出産っていうのも一つ自分にとっては大きい転機だった。人生でも1番位大きい転機だったと思う。

のりぞー:1番!?

えり:子どもとか見てると、自分もこうやって何も出来ない所から育ててもらったんだなって言うのを改めて感じて、周りの人への感謝みたいのは改めて強く感じる機会は増えるかな。
そういう意味では、今自分がどれだけ恵まれて育ってきたかって言うのを、キャリアとはまた違うけど、改めて感じて友達がどれだけ私の事をこれまで支えてくれてたのかとか、上司とかもあの時は素直になれなかったけど、こういう意味があって言ってくれてたんだなとか、そういう事をちょっと肩の力を抜いて一歩下がって考えられるようになった。

のりぞー:ちょっと俯瞰的に見れるようになった?

えり:そうそう、見れるようになったかもしれない。

のりぞー:なるほどね。じゃぁ等身大の自分に近づいていく過程で、出産して育児を始めたっていうのも、また近づく所に大事な要素だったのかもね。

えり:同時に来ちゃったからごっちゃになってるかもしれないけど。今話しててそれもとても大きい転機だったかもと思った。

のりぞー:最近留学したりとか、結婚したりとか、逆に離婚したりとか色んな友達と話してて思ったのは、それぞれみんな転機となる出来事は違うんだけど、総じて20代後半~30代中盤位にかけて禊の儀式みたいなのがあって、等身大の自分に近づきましたみたいな。
結局自分の行動決めてたのは自分のマインドセットだったという事を思い知りましたっていうのを言ってる子がすごく多くて。

えり:それに気付けるってすごく幸せなことだよね。大変だけどね、その間はね。

のりぞー:その過程ではすごい辛い想いを乗り越えてたりとか、自分と向き合わざるを得ないような状況に追い込まれたりとかした人が多くて。
もし今すごく辛いな~っていう状況にいる人は、多分それを抜けた先にすごく肩の荷が降りて、自分らしく前進出来る時期が来るんだっていうのをちょっと予感として感じてもらえたらなって思うな。

えり:渦中にいる時はなかなか難しいけど。

のりぞー:ね~。世の中全てを恨みます、何で私だけこんなに不幸なのよ~みたいに一度に来るじゃん?ああいうのって。何で!?っていう(笑)重なるときはすごいからね。

えり:今回は改めて自分のこれまでを振り返る機会だったね。

のりぞー:20代後半のモヤモヤについて、お届けしました。もしかすると、20代後半って大きいモヤモヤだけど、これから先もずっとそんな感じなのかもね。

えり:波で来るのかもね。

のりぞー:ちょっとずつこうやって受け入れながら。

えり:また一歩進んでっていう感じですかね。

2人:それではまた次回。さようなら~!!


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